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【参考資料3】感染症法に基づく消毒・滅菌の手引きについて(健感発0311第8号令和4年3月11日) (54 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73577.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第105回 6/10)《厚生労働省》
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1 クリプトスポリジウム症
1) はじめに
激しい非血性の水様下痢と腹痛を主症状とする原虫による感染症である。水道水の汚
染による大規模な集団発生事例も内外で報告されている。この原虫は通常の塩素処理で
は殺滅できない点や浄水処理を適切に実施しないと十分な除去ができない場合がある
ため,飲料水の適切な安全管理対策が求められている。
2) 感染経路
いわゆる糞口感染の様式をとり,汚染された食品,飲料水,水泳プール,噴水や,手
指等を介して感染する。国内での例数は少ないが,ウシとの接触,海外渡航,性的接触
の割合が多いとされる。クリプトスポリジウムはヒトのほか,ウシやネコなど多種類の
哺乳動物に寄生する。その腸管粘膜上皮細胞の微絨毛内で増殖し,やがてオーシスト(嚢
子)を産生する。オーシストは糞便とともに排出されるが,排出された時点で感染性を
有している。患者の下痢便 1mL 中に 1,000 万個にも及ぶオーシストが排出されることも
ある一方,株によっては数個程度のオーシストで感染・発症する恐れがあり,2 次感染
防止に注意が必要である。
3) 患者の対応
特効薬がないため自然治癒を待つほかなく,脱水に対する対症療法が基本である。自
然治癒が期待できない免疫不全者においては,原疾患の治療による免疫機能の回復が重
要となる。患者の排泄物は確実な処理が必要である。入浴は最後にして,水泳プールの
利用は控える。オーシストの排出が 1 ヶ月程度続くことがあり,食産業の従事者は,休
業や治癒の確認が望まれる。
4) 医療従事者への注意
オーシストは手指や器具の消毒に使用される消毒薬の通常の濃度では死滅しないた
め,病院内感染を起こす可能性もある。医療施設で汎用される 5%ヒビテン液(グルコ
ン酸クロルヘキシジン)や,低濃度の塩素消毒の効果は望めない。常温で乾燥状態,60℃
なら 30 分間程度で感染力を失うので,汚染箇所には拭き取り除去と乾燥を目的に,消
毒用エタノールを使用する。汚物で汚染された衣類やリネンは熱水消毒を行う。
5) 感染予防法
①手洗いの徹底と紙タオルの使用(タオルの共有を避ける)
②性行為の場合には肛門や糞便に触れないように注意する
③牧場への立ち入りや,家畜(特に幼獣)との接触を極力避ける
④ペットの便をさわらない
⑤野菜などのなま物はよく洗うか熱を通して食べる
⑥湖,川,プールで泳ぐ時には水を飲まないように注意する
6) 飲料水の清浄化
①水道水などに汚染が認められた(広報された)場合には,指示に従い煮沸した水を
飲む。②オーシストの大きさは4~6μm であり,孔径1μm 以下のフィルターや逆浸
透膜法が有効である。
孔径が大きいフィルターでの処理水,活性炭処理水,オゾン処理水,イオン交換水,
脱イオン水,塩素殺菌水などは,クリプトスポリジウムを確実に除去できない。

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