令和８年度新規研究課題の具体的な研究内容等
長期療養に関する課題
抗HIV療法の進歩により、HIV/HCV重複感染患者において、血友病やC型肝炎、免疫不全状態の後遺症、初期の抗HIV薬の副
作用、高齢化などが複雑に絡み合い、長期療養上の問題点が大きくなってきている。そのため、この実態を多くの側面から調
査し、支援するとともに、適切な医療・ケア・支援を長期にわたり地域格差なく提供できる体制の構築に資する研究を行う。
HIV医療体制整備に関する課題
エイズ治療の現況の把握や、歯科や透析治療などに係る診療支援体制の構築、エイズ拠点病院と他病院間の連携促進により、
エイズ医療体制の整備を行う。また、次世代育成に向けて、医師・HIV担当看護師やコーディネーターナース・ソーシャルワー
カー・薬剤師等との職種間の連携、歯科医師や腎臓透析医等との診療科間の連携を含め、診療体制の恒久化に資する研究を
行う。
医療の提供に関する課題
抗HIV薬の副作用や長期療養に伴う合併症の増加が問題となっている。またエイズの併存疾患として重点的に対策すべき血友
病においては、関節変形や易出血等の病態が療養上の課題となっている。このような状況において、適切な医療の提供体制に
ついての調査研究を行う。
疫学情報等に関する課題
HIV感染症の早期診断・早期治療に資する施策の立案や評価のためには、日本国内のケアカスケードの正確な把握が必要である。
当該研究では、日本国内のケアカスケードの評価に必要な疫学データの収集と推定値の算出を目標とする。

研究開発の推進に関する課題
HIV感染症の曝露前予防(PrEP)利用の実態把握や医療提供体制整備に資する調査を行う必要がある。

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