地球規模保健課題解決促進のための行政施策に関する事業

令和７年度予算額

39,922千円

事業概要（背景・目的）
○ 新型コロナウイルス感染症の世界的流行に代表されるように、地球規模の保健課題は、人々の健康に直接関わるだけでなく、国家の平和と繁栄
に影響を及ぼし、さらには、人類社会と地球との共存という観点からも、国際社会の最重要課題の一つである。
○ 我が国は、国を挙げて持続可能な開発目標（SDGs）の達成に向けて取り組むとともに、国際保健関連の政府方針・戦略を近年相次いで策定し、令
和６（2024）年には、厚生労働省国際保健ビジョンが取りまとめられた。我が国が、国際保健分野での我が国のリーダーシップの発揮を目指すこと、そ
して国際保健人材について、戦略的に活用・育成・保護・支援を図り、国際社会におけるプレゼンスを高めることが求められている。

令和８年度概算要求のポイント
○令和８年度は、厚生労働省国際保健ビジョンの公表やATACH※への参加表明後、米国のWHO脱退表明などにより国際保健への対応が大きな変
革期を迎えようとしていることも踏まえ、日本が国際保健課題の解決を主導するための研究を２つ新規に実施する。
【新規①】不安定化する国際情勢を踏まえた健康危機、気候変動を含む国際保健行政に資する提言のための研究：
【新規②】グローバルヘルス分野の国際機関におけるキャリア形成と幹部人材育成のための研究：

○継続研究課題については、２つの研究を優先的に推進する。
【継続①】ユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)の新しい構成要素または周縁分野に関する政策分析研究
【継続②】三大感染症等に関連する保健システム強化について我が国から行う国際機関への戦略的・効果的な関与に資する研究

※気候変動と健康に関する変革的行動のためのアライアンス（Alliance for Transformative Action on Climate and Health：ATACH

これまでの成果概要等
○「世界の健康危機への備えと対応の強化に関する我が国並びに世界の戦略的・効果的な介入に関する研究」（令和５～７年度）：
世界の健康危機への備えと対応を強化するために、WHO における国際保健規則(IHR)の改正及びパンデミックの予防、備え及び対応に関する新たな法的文書
の策定に向けて、様々な分野の専門的知識を踏まえ、交渉に資する具体的な技術的支援を行い、我が国が国際的な法的枠組みの構築に向けて主導的な役割を
し、国際的なリーダーシップの強化に貢献した（令和６年度）
○「ポストSDGsを見据えた新たなUHC指標開発に資する研究」 （令和６～８年度） ：
「ポストSDGsで求められるUHCSCIの検討及び既存のSDGs指標3.8.1とのギャップ分析」（研究１）、「既存のUHCSCI（SDGs指標3.8.1)でカバーされていない保健関
連サービスのUHCへの統合に関する国際的動向と指標の分析」（研究２）、「公的な保健医療保障制度に統合する政策決定の際に必要な価値基準（費用対効果，
倫理観，環境配慮等）の分析」（研究３）に関し、研究論文や既存資料のレビューによる定性的分析を通して実施。（令和６年度）
○ASEAN等における高齢者介護サービスの質向上のための国際的評価指標の開発と実証に資する研究（令和５～６年度）：
調査に基づく提言や国際会議等での発信を通じてASEAN諸国等における介護サービスの質の向上に貢献し、介護サービスの質に関する世界的な課題解決に
おいて日本が主導的な役割を果たすことに繋がった。（令和６年度）

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