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資料1 経済財政運営と改革の基本方針 2025原案 (9 ページ)

公開元URL https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2025/0606agenda.html
出典情報 経済財政諮問会議(第7回 6/6)《内閣府》
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第2章 賃上げを起点とした成長型経済の実現
1.物価上昇を上回る賃上げの普及・定着 ~賃上げ支援の政策総動員~
(1)中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画の実行
2029年度までの5年間で、日本経済全体で年1%程度の実質賃金上昇、すなわち、持続
的・安定的な物価上昇の下、物価上昇を1%程度上回る賃金上昇をノルムとして定着させ
る。この実現に向け、中小企業・小規模事業者の賃上げを促進するため、価格転嫁・取引
適正化、生産性向上、事業承継・M&Aによる経営基盤強化及び地域の人材育成と処遇改
善に取り組む。
価格転嫁・取引適正化については、
「官公需における価格転嫁のための施策パッケージ」
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に基づき、低入札価格調査制度 及び最低制限価格制度6の導入拡大・活用を進める。中小
受託取引適正化法7の執行体制を強化するとともに、「労務費の適切な転嫁のための価格交
渉に関する指針」8の周知広報を徹底する。パートナーシップ構築宣言の拡大や実効性の向
上を含め、サプライチェーン全体で取引適正化を進める。中小企業の知的財産への侵害に
関する実態調査を行い、独占禁止法9上の指針を策定するほか、知財経営支援ネットワーク
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を通じたリテラシーの向上等に取り組む。
生産性向上については、飲食業、宿泊業、小売業等の12業種で策定した「省力化投資促
進プラン」4に基づく官民での取組の目標を達成するため、2029年度までの集中的な取組と
して、デジタル支援ツールを活用したサポート、全国的な伴走型支援、複数年にわたる生
産性向上支援を通じて、2029年度までの5年間でおおむね60兆円の生産性向上投資を官民
で実現する。地域の経営人材を確保するため、「週一副社長」11の普及、マッチング支援の
強化、副業・兼業の促進に取り組む。
事業承継・M&Aについては、「事業承継・M&Aに関する新たな施策パッケージ」4に
基づき、支援機関による売手側のニーズの掘り起こしの強化、事業承継・引継ぎ支援セン
ターの体制強化等に取り組む。事業承継税制(特例措置)に関し、令和7年度与党税制改
正大綱の記載12に鑑み、事業承継に係る政策の在り方の検討を進めるとともに、後継者の経
営能力の育成に取り組む。
地域の人材育成と処遇改善については、アドバンスト・エッセンシャルワーカー13の育
成に取り組むほか、医療・介護・保育・福祉等の人材確保に向けて、保険料負担の抑制努
力を継続しつつ、公定価格の引上げを始めとする処遇改善を進める。
4

「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版」(令和7年●月●日閣議決定)。
工事・製造その他の請負契約において、最低の価格で申込みをした者が、その価格では契約に適合した履行がされないおそ
れがある場合に、その者が契約の相手方として適当か否かを調査し、不適当であると認める場合には、その者を落札者とし
ないこととすることができる制度。
6
工事・製造その他の請負契約において、あらかじめ最低制限価格を設けた上で、当該価格以上の価格で申込みをした者のう
ち、最低の価格で申し込んだ者を落札者とする制度。
7
製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(昭和31年法律第120号)(令和8年1
月1日施行予定)。
8
2023年11月に、内閣官房及び公正取引委員会が策定・公表。
9
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)。
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特許庁、独立行政法人工業所有権情報・研修館、日本弁理士会、中小企業庁が、日本商工会議所と連携して中小企業・小
規模事業者を知的財産の観点から支援する枠組み。
11
都市部の経営人材が、副業・兼業の形式で週に1回程度、地方の中小企業等の経営に関与すること。
12
事業承継による世代交代の停滞や地域経済の成長への影響に係る懸念も踏まえ、事業承継の在り方については今後も検討
する。
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デジタル技術等も活用して、現在よりも高い賃金を得るエッセンシャルワーカー。
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