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資料1 経済財政運営と改革の基本方針 2025原案 (4 ページ)
出典
公開元URL | https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2025/0606agenda.html |
出典情報 | 経済財政諮問会議(第7回 6/6)《内閣府》 |
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第1章 マクロ経済運営の基本的考え方
1.日本経済を取り巻く環境と目指す道
世界に安定と繁栄をもたらしてきた国際秩序は、現在、自国第一主義や権威主義的国家
の台頭によって変化しつつある。力や威圧による一方的な現状変更の試みも続いている。
政府は、いかなる状況下にあっても、国益を守り抜く。そのため、法の支配に基づく自
由で開かれた国際秩序を維持・強化すると同時に、パワーポリティクスの下で新たな国際
秩序が形成されることにも備える。そして、世界の安定と繁栄に貢献しながら、我が国経
済社会の持続性を確保していく。
厳しさを増しているのは国際環境だけではない。国内では、例えば、頻発する自然災害
や甚大な被害が想定される大規模地震への対処、老朽化したインフラの保全、エネルギー・
食料・経済安全保障の確立など、強靱な経済構造をつくるための課題は山積している。
本格的な人口減少を見据えた経済・財政・社会保障制度の持続可能性の確保など、これ
まで指摘されながら、必ずしも十分に進んでいない構造改革への取組。人口減少下にあっ
ても、経済のパイを縮小させないためのイノベーションや生産性の向上、そして、その前
提となる質の高い雇用の確保。我が国を取り巻く国際秩序が大きく変化する中にあっても、
官民が連携し、こうした課題解決のための取組を推進し、我が国経済の持続的成長と国民
生活の豊かさの向上を目指すことこそが、「新しい資本主義」の実現にほかならない。
「新しい資本主義」の実現に向けた取組によって、30年続いたコストカット型経済は終
焉を迎えつつあり、5%を上回る賃上げが2年連続して実現した。石破内閣は、その取組
を更に進め、「賃上げこそが成長戦略の要」との考え方に立って、最低賃金の引上げを含
め、物価上昇を安定的に上回る賃上げを実現する。そして、国民が「今日より明日はよく
なる」と実感でき、ふるさとへの思いを高めることができる「新しい日本・楽しい日本」
を実現することを目指す。そのための経済財政運営と改革の基本方針が、本方針である。
2.当面のリスクへの対応及び賃上げを起点とした成長型経済の実現
米国による一連の関税措置及びその後の対抗措置の応酬は、これまで国際社会が培って
きた自由で開かれた貿易・投資体制を揺るがせにするものとして、我が国からの輸出を減
少させるだけでなく、家計や企業のマインドの慎重化を通じて消費や投資を下押しするお
それがあり、我が国経済全体を下振れさせるリスクとなっている。また、足元では、食料
品を中心とする物価高が継続し、家計や企業は、依然として厳しい状況に置かれている。
まずは、これらのリスクへの備え・対応に万全を期す。
【(P)戦後国際社会が築き上げてきた自由貿易体制の恩恵を受ける我が国としては、米
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1.日本経済を取り巻く環境と目指す道
世界に安定と繁栄をもたらしてきた国際秩序は、現在、自国第一主義や権威主義的国家
の台頭によって変化しつつある。力や威圧による一方的な現状変更の試みも続いている。
政府は、いかなる状況下にあっても、国益を守り抜く。そのため、法の支配に基づく自
由で開かれた国際秩序を維持・強化すると同時に、パワーポリティクスの下で新たな国際
秩序が形成されることにも備える。そして、世界の安定と繁栄に貢献しながら、我が国経
済社会の持続性を確保していく。
厳しさを増しているのは国際環境だけではない。国内では、例えば、頻発する自然災害
や甚大な被害が想定される大規模地震への対処、老朽化したインフラの保全、エネルギー・
食料・経済安全保障の確立など、強靱な経済構造をつくるための課題は山積している。
本格的な人口減少を見据えた経済・財政・社会保障制度の持続可能性の確保など、これ
まで指摘されながら、必ずしも十分に進んでいない構造改革への取組。人口減少下にあっ
ても、経済のパイを縮小させないためのイノベーションや生産性の向上、そして、その前
提となる質の高い雇用の確保。我が国を取り巻く国際秩序が大きく変化する中にあっても、
官民が連携し、こうした課題解決のための取組を推進し、我が国経済の持続的成長と国民
生活の豊かさの向上を目指すことこそが、「新しい資本主義」の実現にほかならない。
「新しい資本主義」の実現に向けた取組によって、30年続いたコストカット型経済は終
焉を迎えつつあり、5%を上回る賃上げが2年連続して実現した。石破内閣は、その取組
を更に進め、「賃上げこそが成長戦略の要」との考え方に立って、最低賃金の引上げを含
め、物価上昇を安定的に上回る賃上げを実現する。そして、国民が「今日より明日はよく
なる」と実感でき、ふるさとへの思いを高めることができる「新しい日本・楽しい日本」
を実現することを目指す。そのための経済財政運営と改革の基本方針が、本方針である。
2.当面のリスクへの対応及び賃上げを起点とした成長型経済の実現
米国による一連の関税措置及びその後の対抗措置の応酬は、これまで国際社会が培って
きた自由で開かれた貿易・投資体制を揺るがせにするものとして、我が国からの輸出を減
少させるだけでなく、家計や企業のマインドの慎重化を通じて消費や投資を下押しするお
それがあり、我が国経済全体を下振れさせるリスクとなっている。また、足元では、食料
品を中心とする物価高が継続し、家計や企業は、依然として厳しい状況に置かれている。
まずは、これらのリスクへの備え・対応に万全を期す。
【(P)戦後国際社会が築き上げてきた自由貿易体制の恩恵を受ける我が国としては、米
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