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提案書20(3802頁~4000頁) (88 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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増(+)

プラスマイナス
予想影響額(円)

1,728万円

前述の普及性の変化④より、現在及び本検査の留意事項の削除後における一年間あたりの医療費を以下の通り算出した。その結果、本検査の留意
事項の削除による予想影響額は、下記の計算のとおり、31,680,000-14,400,000=17,280,000(1,728万円)の増額となった。
現在:セレン欠乏患者の検査対象者は約5,000人、低セレン血症の治療経過等を観察するため年2回の検査を実施。
1年間あたりの医療費:1,440円/回×5,000人/年×2回/人=14,400,000円(1,440万円)/年
⑩予想影響額

その根拠

本検査の留意事項に維持透析患者を追加:セレン欠乏患者の検査対象者は約11,000人、低セレン血症の治療経過等を観察するには年2回の検査を
実施。
1年間当たりの医療費:1,440円/回×11,000人/年×2回/人=31,680,000円(3,168万円)/年
しかしながら本検査の留意事項に慢性維持透析患者が追加されれば、セレン欠乏が関与しうる維持透析患者の感染、心不全の入院、入院期間の延
長、死亡の抑制が可能になる。維持透析患者は感染、心不全に罹患するリスクが高いので、これらによるに医療費を削減できれば、医療経済およ
び患者のQOLにおいて多大な利益をもたらすこととなる。

備考

特になし

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

該当なし

⑫その他

特記すべき事項として、内科系学会社会保険連合 2020年度 第1回 社員総会、運営委員会コメント欄にて、低セレン血症に対する医薬品であるセ
レン製剤(アセレンド注100μg)が既に上市されており、食事等によりセレン摂取不十分な患者への使用が推奨されるが、その必要性の判断には
セレン濃度測定が必要である旨が記載されていることから、血中セレン測定の留意事項削除は、提案学会のみならず、内科系学会社会保険連合と
しても必要と考えられている。

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

日本小児栄養消化器肝臓学会、日本肝臓学会、日本小児神経学会

1)名称

セレン欠乏症の診療指針2018

2)著者

児玉 浩子, 浅桐 公男, 恵谷 ゆり, 小山 洋, 曹 英樹, 位田 忍, 田中 芳明, 高柳 正樹, 船越 政史, 吉田 宗弘

3)雑誌名、年、月、号、ページ

日本臨床栄養学会雑誌、2018年、4号、255 – 257ページ、260 – 261ページ

4)概要

本指針ではセレン欠乏症の診断に際しての症状として、爪・皮膚の変化、心筋障害、筋症状、血液症状、検査所見、心電図変化が示されている。
セレン欠乏症が引き起こされる要因(セレンを含有していない経腸栄養剤、特殊ミルク、治療用ミルク、完全静脈栄養の患者でセレン補充を行っ
ていない場合、透析、拡張型心筋症、神経性食欲不振症、C 型慢性肝炎・肝硬変)を有する患者に関しては、血中セレン値のモニタリングを定期
的に行い,セレンの補充療法を栄養療法と並行して開始することが推奨されている。
発症時または死亡時にセレン欠乏が報告されている心不全症例15例のうち4例が転帰死亡であった。また、同15例のうち心筋症は6例で、転帰死亡
が1例、可逆的であった症例は5例であった。なお、心筋症の患者全員に対し、セレンが補充されていた。

1)名称

透析患者におけるセレン欠乏症に関する診療指針

2)著者

脇野 修, 川合 徹, 菅野 義彦, 熊谷 裕生, 児玉 浩子, 藤島 洋介, 松永 智仁, 水口 斉, 吉田 博, 大島 直紀, 今給黎 敏彦, 伊藤 誓悟, 山形


3)雑誌名、年、月、号、ページ

日本臨床栄養学会雑誌、2019年、2号、182ページ-205ページ

4)概要

多数の研究結果から、透析患者を含む慢性腎臓病患者では血清セレン値が低下していることが報告されている。

1)名称

Serum selenium levels are inversely associated with death risk among hemodialysis patients.

2)著者

Fujishima Y, Ohsawa M, Itai K, Kato K, Tanno K, Turin TC, Onoda T, Endo S, Okayama A, Fujioka T

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Nephrol Dial Transplant 2011; 26: 3331‒3338.

4)概要

岩手県の透析施設の多施設研究の前向きのコホート観察研究の結果である。1041名の血液透析患者よりなるコホートに関し、セレンの血中濃度で
4分位に分けて5年間観察した。その結果総死亡、感染症死亡とセレン血中濃度低値との関連を認めた。

1)名称

Concentrations of Trace Elements and Clinical Outcomes in Hemodialysis Patients: A Prospective Cohort Study.

2)著者

Tonelli M, Wiebe N, Bello A, Field CJ, Gill JS, Hemmelgarn BR, Holmes DT, Jindal K, Klarenbach SW, Manns BJ, Thadhani R,
Kinniburgh D; Alberta Kidney Disease Network.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Clin J Am Soc Nephrol. 2018;13(6):907-915.

4)概要

カナダの1278名の多施設からなる血液透析患者について25の微量元素のデータを収集した。このコホートを2年間経過観察し、死亡・心血管事
故・全身感染症・入院の点から関連のある微量元素を明らかにした。2年間で260名(20%)の死亡、285名(24%)の心血管事故、117名(10%)の全身感
染症、928名(77%)の入院を認めた。すべての微量元素の中でセレン低値のみが死亡、全入院ともに有意に関連していた。

1)名称

Association of COVID-19 mortality with serum selenium, zinc and copper: Six observational studies across Europe

2)著者

Demircan K, Chillon TS, Bracken T, Bulgarelli I, Campi I, Du Laing G, Fafi-Kremer S, Fugazzola L, Garcia AA, Heller R, Hughes DJ,
Ide L, Klingenberg GJ, Komarnicki P, Krasinski Z, Lescure A, Mallon P, Moghaddam A, Persani L, Petrovic M, Ruchala M, Solis M,
Vandekerckhove L, Schomburg L.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Front Immunol. 2022 Nov 28;13:1022673.

4)概要

ベルギー、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ポーランドの6か国のCOVOD-19に関する疫学調査に参加した551名の患者において、セレ
ン濃度低値は患者死亡と相関があり、その相関は亜鉛や銅欠乏より強かった。

⑭参考文献1

⑭参考文献2

⑭参考文献3

⑭参考文献4

⑭参考文献5

※⑬については、1.の「主たる申請団体」および「上記以外の申請団体」以外に、提案される医療技術に関する研究、会合、論文発表等を実施している学会等の関連団体や研
究者等の名称を記載すること。

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