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提案書20(3802頁~4000頁) (87 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)

007

医療技術名

血清セレン測定

③再評価の根
拠・有効性

日本臨床栄養学会の「セレン欠乏症の診療指針2018」(文献1)にはセレン欠乏を起こす主な要因として、本留意事項に記載のない、透析施行患
者、拡張型心筋症、神経性食欲不振症、C型慢性肝炎・肝硬変患者等が挙げられている。これらの患者の中で特に慢性維持透析患者は心不全、感
染症のリスクが高く両疾患による入院、入院期間延長、死亡にセレン欠乏が係わる可能性が国内外で報告されている(文献3および文献4)。し
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 かも最近の報告では、COVID-19の死亡率と血清セレン濃度との関連が示唆され(文献5)、本邦のデータでは透析患者はCOVID-19感染による死亡
率が一般人口より10倍高いことが示されている(一般人口vs. 透析患者=1.8% vs. 15.8%、透析会誌 55(2):129~136,2022)。慢性維持透析
後等のアウトカム
患者の生命予後の面からも血清セレン濃度を把握することが重要である。その一方でセレン欠乏に対する治療法としては、2019年3月に全ての低
セレン血症を適応症とするアセレンド注100µgが薬事承認されている。しかしながら本留意事項により検査対象外となった慢性維持透析患者は治
療機会を失なっており、その結果セレン欠乏による入院や入院期間の延長、さらに致命的な疾患に至っている可能性があると思われる。

ガイドライン等での位置づけ

日本臨床栄養学会の「セレン欠乏症の診療指針2018」(文献1)には、血清セレン測定は
セレン欠乏症の診断に必須と記載されている。また、「セレン欠乏症は透析患者にも報告
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
されている。」と記載されている。さらに日本臨床栄養学会の「透析患者におけるセレン
る。)
欠乏症に関する診療指針」(文献2)においても「セレン欠乏症を適切に診断することが
重要である」としてある。以上より慢性維持透析患者における検査の必要性は高い。

・推定患者数
セレン測定件数は2018年NDBオープンデータで10,256件、令和元年 社会医療診療行為別調査で11,760件であった。1人あたり年間2回検査すると考
えると、約5,000人がセレン検査をしていると考えられる。この数字は、現在の算定要件における対象患者約5万人(内訳①~③の合計)のうち、
約10%に相当する。算定要件拡大後の対象患者数は約11万人(内訳①~④の合計)であるため、同じ割合の患者が検査すると仮定すると、約1.1万
人が検査を受けるようになると考える。

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

・内訳
①乳幼児の対象患者数:以下の推定を合計し、約1万人。
・牛乳アレルギー患児数を年間約1万5千人と推定し(佐藤弘、認可保育園におけるアレルギー疾患の実態調査―食物アレルギーを中心にして―、
日本小児アレルギー学会誌19(2);208-215, 2005)、このうち、牛乳アレルゲン除去ミルクのみを使用する乳児(生後6カ月未満)を1万5千人×
0.3=約5千人/年と推察。
・アミノ酸・脂肪酸・有機代謝異常症患児では、セレンを含有しない特殊ミルクを使用することから、これらの発症率より約120人/年と推定。
・その他、セレンを含有していない治療乳(ケトンフォーミュラなど)を使用している患児。
②経腸栄養剤使用患者:東大大学院医学系研究科公共健康医学専攻老年社会科学分野:「経管栄養法に関する調査研究班」療養病床における経管
栄養法の施行実態と、その関連要因に関する調査・報告書2008.3より推定し、約3万人。
③長期静脈栄養施行患者:平成28年度の保険収載に係る医療技術評価提案書より、約1万人。
④透析:透析患者数は約34.9万人(わが国の慢性透析療法の現況(2021 年 12 月 31 日現在)透析会誌 53(12):579~632,2020)であり、こ
のうちの17%がセレン欠乏と考え(鈴木徹ら.透析会誌. 2004; 37(7): 1487-92.)、約6万人。

見直し前の症例数(人)

約5,000人

見直し後の症例数(人)

約1.1万人

見直し前の回数(回)

2回

見直し後の回数(回)

2回

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

日本臨床栄養学会の「セレン欠乏症の診療指針2018」に記載の通り、本検査はセレン欠乏症に必須の診断方法と位置づけられている。
本検査は平成28年度に保険収載された。血中セレンの測定は原子吸光法で実施され、その測定技術は既に完成されているが、検体は各施設で採取
した後、外部の臨床検査会社に測定を委託していることが多い。医療機関における手技は採血のみのため、簡便であり、どの施設であっても実施
可能な高い専門性を必要としない技術と考える。

施設の要件
原子吸光分析装置を有していること。
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 または、外部の臨床検査会社と提携していること。
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 特になし
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 前述の「セレン欠乏症の診療指針2018」(文献1)「透析患者におけるセレン欠乏症に関する診療指針」(文献2)
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

採血による検査であり安全性上の問題はほとんどない。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

問題なし

⑧点数等見直し
の場合

見直し前
見直し後
その根拠

該当なし



区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

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番号
技術名

該当なし


具体的な内容



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