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資料3 社会保障① (34 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20251105zaiseia.html |
| 出典情報 | 財政制度分科会(11/5)《財務省》 |
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各論⑤:地域包括診療料・加算
○ 地域包括診療料・加算は、かかりつけ医機能を重点的に評価するために導入された報酬項目だが、その算定実績は低調と言わざるを得ない。
特に、「包括評価」として、今後の拡充が期待される地域包括診療料については、体制整備が困難と指摘されている。しかしながら、同診療料
の算定が進まない背景には、一定のハードル(施設基準)を越えて、地域住民に対し、より充実した形でかかりつけ医機能を発揮するより、要
件の厳しくない既存の各種加算・管理料の算定を積み上げて報酬を得る方が経済合理的となっていることもあるのではないか。
◆算定状況について
◆現行制度
地域包括診療料・認知症地域包括診療料は、診療所又は(200床未満の)
病院のかかりつけ医機能を包括的に評価するもの。(月1回算定)
地域包括診療料、認知症地域包括診療料については、足元で伸びが
見られるものの、依然として低い実績水準。
地域包括診療料1:1,660点、地域包括診療料2:1,600点
認知症地域包括診療料1:1,681点、認知症地域包括診療料2:1,613点
地域包括診療加算の算定回数は増加傾向である一方、認知症地域
包括診療加算の算定回数は低迷している。
地域包括診療加算・認知症地域包括診療加算は、診療所が出来高で算
定できるもの(1回につき)。病院は算定できない。
地域包括診療加算1:28点、地域包括診療加算2:21点
認知症地域包括診療加算1:38点、認知症地域包括診療加算2:31点
「診療料」と「加算」との要件の違いは、以下の3つの要件のうち、全てを満た
すか、いずれか一つを満たすか、という点。
①時間外対応加算の届出、②常勤換算2名以上の医師の配置(うち1人以上が常勤医師)、
③在宅療養支援診療所の届け出
対象
疾患
地域包括診療料
10000
8000
6000
4000
高血圧症、糖尿病、脂質異常症、慢
性心不全、慢性腎臓病(慢性維持透
析を行っていないものに限る。)又は認知症
の6疾病のうち2つ以上(疑いは除く。)
1000
【参考】地域包括診療料を届け出ていない理由
「24時間対応薬局との連携」、「常勤医師の配置」が困難との理由に加え、
「在宅療養支援診療所でない」ことを算定できない理由に挙げた施設が多
かった。(出所:入院・外来医療等における実態調査(2022年度・外来施設票))
200
2000
150
1500
100
1000
50
500
0
0
5000
以下の全ての要件を満たす認知症患者
同月に「1処方につき5種類を超える内服薬」
等の投薬を受けていない患者
2500
7000
認知症地域包括診療料・加算
•
250
9000
地域包括診療料・加算
認知症以外に1以上の疾病を有する(疑いは除く)
算定回数
(医療機関数)
(算定回数/月)
(算定回数/月)
3000
•
認知症地域包括診療料
届出医療機関数・算定回数
2000
0
2016
2017
2018
2019
2020
2021
2022
2023
2024
地域包括診療料1
地域包括診療料2
地域包括診療料
病院
2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024
認知症地域包括診療料1
認知症地域包括診療料2
認知症地域包括診療料
診療所
地域包括診療加算
認知症地域包括診療加算
(2018) 1,259,825
算定回数(2018⇒2024) (2024) 1,725,565
(2018)34,530
(2024)30,697
(出所)(届出医療機関数)各年7月1日(2024年は8月1日)時点の主な施設基準の届出状況
(算定回数)社会医療診療行為別統計
【改革の方向性】(案)
○ 機能強化加算や外来管理加算等の抜本的な見直しと併せて、地域包括診療料・加算については、地域での医療・介護の複合ニーズを総
合的に受け止め、全人的なケアを実施する医療機関を的確かつ包括的に評価するにふさわしい報酬として、発展的改組を試みるべき。例え
ば、かかりつけ医機能の発揮を前向きに志向させるインセンティブの働く報酬として、地域包括診療料をベースとしつつ、かかりつけ医機能をより
きめ細かに評価できる報酬体系へと再構築してはどうか。なお、その際、認知症地域包括診療料・加算との統合も検討してはどうか。
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○ 地域包括診療料・加算は、かかりつけ医機能を重点的に評価するために導入された報酬項目だが、その算定実績は低調と言わざるを得ない。
特に、「包括評価」として、今後の拡充が期待される地域包括診療料については、体制整備が困難と指摘されている。しかしながら、同診療料
の算定が進まない背景には、一定のハードル(施設基準)を越えて、地域住民に対し、より充実した形でかかりつけ医機能を発揮するより、要
件の厳しくない既存の各種加算・管理料の算定を積み上げて報酬を得る方が経済合理的となっていることもあるのではないか。
◆算定状況について
◆現行制度
地域包括診療料・認知症地域包括診療料は、診療所又は(200床未満の)
病院のかかりつけ医機能を包括的に評価するもの。(月1回算定)
地域包括診療料、認知症地域包括診療料については、足元で伸びが
見られるものの、依然として低い実績水準。
地域包括診療料1:1,660点、地域包括診療料2:1,600点
認知症地域包括診療料1:1,681点、認知症地域包括診療料2:1,613点
地域包括診療加算の算定回数は増加傾向である一方、認知症地域
包括診療加算の算定回数は低迷している。
地域包括診療加算・認知症地域包括診療加算は、診療所が出来高で算
定できるもの(1回につき)。病院は算定できない。
地域包括診療加算1:28点、地域包括診療加算2:21点
認知症地域包括診療加算1:38点、認知症地域包括診療加算2:31点
「診療料」と「加算」との要件の違いは、以下の3つの要件のうち、全てを満た
すか、いずれか一つを満たすか、という点。
①時間外対応加算の届出、②常勤換算2名以上の医師の配置(うち1人以上が常勤医師)、
③在宅療養支援診療所の届け出
対象
疾患
地域包括診療料
10000
8000
6000
4000
高血圧症、糖尿病、脂質異常症、慢
性心不全、慢性腎臓病(慢性維持透
析を行っていないものに限る。)又は認知症
の6疾病のうち2つ以上(疑いは除く。)
1000
【参考】地域包括診療料を届け出ていない理由
「24時間対応薬局との連携」、「常勤医師の配置」が困難との理由に加え、
「在宅療養支援診療所でない」ことを算定できない理由に挙げた施設が多
かった。(出所:入院・外来医療等における実態調査(2022年度・外来施設票))
200
2000
150
1500
100
1000
50
500
0
0
5000
以下の全ての要件を満たす認知症患者
同月に「1処方につき5種類を超える内服薬」
等の投薬を受けていない患者
2500
7000
認知症地域包括診療料・加算
•
250
9000
地域包括診療料・加算
認知症以外に1以上の疾病を有する(疑いは除く)
算定回数
(医療機関数)
(算定回数/月)
(算定回数/月)
3000
•
認知症地域包括診療料
届出医療機関数・算定回数
2000
0
2016
2017
2018
2019
2020
2021
2022
2023
2024
地域包括診療料1
地域包括診療料2
地域包括診療料
病院
2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024
認知症地域包括診療料1
認知症地域包括診療料2
認知症地域包括診療料
診療所
地域包括診療加算
認知症地域包括診療加算
(2018) 1,259,825
算定回数(2018⇒2024) (2024) 1,725,565
(2018)34,530
(2024)30,697
(出所)(届出医療機関数)各年7月1日(2024年は8月1日)時点の主な施設基準の届出状況
(算定回数)社会医療診療行為別統計
【改革の方向性】(案)
○ 機能強化加算や外来管理加算等の抜本的な見直しと併せて、地域包括診療料・加算については、地域での医療・介護の複合ニーズを総
合的に受け止め、全人的なケアを実施する医療機関を的確かつ包括的に評価するにふさわしい報酬として、発展的改組を試みるべき。例え
ば、かかりつけ医機能の発揮を前向きに志向させるインセンティブの働く報酬として、地域包括診療料をベースとしつつ、かかりつけ医機能をより
きめ細かに評価できる報酬体系へと再構築してはどうか。なお、その際、認知症地域包括診療料・加算との統合も検討してはどうか。
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