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資料3 社会保障① (18 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20251105zaiseia.html
出典情報 財政制度分科会(11/5)《財務省》
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2026年度 診療報酬改定の全体像 ③
○ 個々の医療機関においては、賃金や物価の上昇により、必要な医療提供に伴う不可避的なコスト増に直面している場合もあると考え
られる。こうした場合には、診療報酬において適正な対応が図られることが求められる。ただし、その際には希少な医療資源の有効活
用の観点から、従業員の適正配置を含む医療機関の経営改善と地域医療提供体制の効率化が必須となる。また、現役世代の保
険料負担の軽減を図る観点から、医療分野における診療報酬財源の最適配分を実現すべく、各セクターの経営状況に基づいた大
胆かつメリハリのある対応が不可欠である。
○ 具体的には、例えば高度急性期を担う病院群と、高齢者の⾧期入院を受け入れる病院群では、それぞれに応じた対応策が必要で
ある。さらに、診療所や調剤薬局は費用構造が病院と大きく異なる上、過去から継続的に高い利益率を維持してきた。物価・賃金上
昇への対応を病院に重点的に措置するためにも、診療所や調剤薬局に対しては相応の適正化が求められている。
 2026年度改定で必要となるメリハリ付け(イメージ)

【病院】

技術料:20.5兆円

 高度急性期(大学病院や総合病院)/高齢者救急を主に担う一
般病院/慢性期・回復期の病院/療養病床/精神病床といった病
床・病院機能ごとに異なる経営実態に応じきめ細かく対応する必要



物価上昇の影響の度合いが区々で要精査
持続的な賃上げ実現の前提として医療現場における業務改善の
余地を残さないよう要注意



個々の施設で閉じず、地域全体で効率的な医療を提供するため
の取組を促す必要

※ 技術料の金額は、2025年度予算ベースの国民医療費を2023年度国民医療費における
各科の医療費の割合で按分した上で、各医療費を社会医療診療行為別統計(2024年
8月)における技術料と薬剤費等の点数の割合で按分して算出。なお、薬剤費等は約
12.7兆円(病院:4.9兆円、診療所:1.2兆円、歯科:0.3兆円、調剤:6.3兆円)

【診療所】





技術料:9.1兆円

過去一貫して病院に比して高い利益率
諸外国比でも、病院勤務医との比較でも、院⾧の所得水準は高水準
小規模で分散された非効率な提供体制が残存
2024年度改定で創設された賃上げ措置(ベースアップ評価料)の算
定率は4割止まり
※地域医療で代替不可能な役割を果たす有床診療所には配慮が必要。

【歯科】

技術料:3.1兆円

 過去一貫して病院に比して高い利益率
 個人立が多く、小規模・分散で非効率な提供体制が残存

【調剤薬局】

技術料:2.4兆円

 改定率を大幅に超える伸びが適正化されないまま継続
 門前に群集する全体「非」最適な提供体制

【改革の方向性】(案)

○ 2026年度診療報酬改定は、医療機関の経営状況のデータを精緻に分析する中で、特に物価・賃金対応については、医療機
関ごとの費用構造に着目したきめ細やかな対応を図る必要。現役世代を含む保険料負担の軽減と必要な医療の保障のバラン
スを図るべく、本来は過去の改定の際に切り込むべきだった適正化・効率化を遂行することも含め、メリハリある対応を期するべき。

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