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08参考資料1 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンファクトシート追補版 (47 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63875.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第31回 9/25)《厚生労働省》
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表 18 女性の子宮頸がん減少の間接的効果を組み入れた場合の費用対効果 (ICER: 万円
/QALY) ※発症予防期間: 30 年
女性への間接的効果(%)

30

40

50

20

633.5

492.3

402.0

40

805.7

633.5

521.4

60

1,104.3

885.7

738.9

80

1,748.6

1,464.4

1,259.3

女性の接種率(%)

5. 3 費用対効果分析のまとめ
男性への HPV ワクチン接種に対する費用対効果については、組み込み疾患の種類に影響
を受けた。特に、中咽頭がんの組み込みの有無が大きく影響する。あわせて、女性への間接
的効果の組み込みの有無によって結果は大きく変動するため、間接的効果や対象疾患、さら
に効果持続期間に関するさらなる検討が不可欠である。
前述の Ng のシステマティックレビューで採用された 14 件の研究は、すべての研究で集
団への影響を捕捉できる Dynamic model を使用している。Gender neutral vaccination の評
価の場合、
「女性のみ接種」と「男女双方の接種」を比較することになるので、Dynamic model
のニーズは必然的に高くなる。しかし今回の分析は、Static model (個人への影響を評価す
る状態推移モデル)での計算を男女別に実施し、女性への直接接種の効果と男性接種の間接
的効果の effect size の比を推定する形のものであり、探索的な手法であることは限界点とい
える。これらの限界点を踏まえたうえで、より広い影響を捉えられるモデルの構築と、有効
性・安全性双方の観点からのさらなる追加的国内データの収集が必要と考えられる。
そうした制限がある中で、効果持続期間を 20 年と短期間に設定して行った今回の解析にお
いて、男性疾患のみかつ承認範囲の適応症のみに絞ったシナリオ(A)では、ICER が 2 億
3,459.7 万円/QALY と極めて大きく、また、罹患率が相対的に高い中咽頭部周辺のがんを
含んだ(B)のシナリオでも ICER は 9,334.9 万円/QALY に低下するものの、一般的な基準
値の 500 万円~600 万円/QALY を依然として大きく上回っていた。海外文献で一般的に用
いられているような「男性接種」による「女性の子宮頸がん減少」という間接的効果を(B)
のシナリオに組み入れた場合、もっとも費用対効果が良好となる「女性の接種率 20%・間
接的効果 50%」の状況の時には、ICER は 584.6 万円/QALY となり、500 万円~600 万円
/QALY の基準値付近の数値となった。

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