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08参考資料1 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンファクトシート追補版 (40 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63875.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第31回 9/25)《厚生労働省》
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第 5 章 医療経済学的観点
5. 1 費用対効果分析に関する文献
① システマティックレビュー
Libertová らは、2020 年 6 月までに出版された、女性への接種と男女両性への接種とを比
較した費用対効果分析のシステマティックレビューを報告している(73)。ワクチンの種類は
2価、4価、9価が含まれており、接種回数は 2 回の研究に限定している。該当論文は 9 件
で、日本の文献は含まれていなかった。このうち 4 件は男女への接種の費用対効果が良好
との結果であった。ほかの 4 件は基本分析では費用対効果が悪かったが、シナリオ分析に
おいて費用対効果が良好となる場合があり、割引率を小さくした場合、頭頸部がん(中咽頭
がん)や陰茎がんの予防効果もあると仮定した場合、女性2価接種と男女9価接種とを比較
した場合などにおいて、費用対効果が改善していた。
残りの 1 件はカナダにおける4価 HPV ワクチンの女性接種と4価 HPV ワクチンの男女
接種を比較した研究であり、費用対効果が悪いとの結果であった。

② 文献レビュー
Libertová らのレビューに含まれていない最近の論文を収集し、レビューを行った。
PubMed で検索キーワードは「HPV male cost QALY」とし、次の条件を満たす文献を対象
とした。



女性への接種と男女両性への接種とを比較している
QALY を効果指標として ICER(増分費用効果比)を算出している

なお、低・中所得国のみを対象とした研究ならびに頭頸部がん(中咽頭がん)の予防効果
のみを対象とした研究は除外した。文献検索は 2023 年 12 月に行った。
5件の論文が該当した(74, 75, 76, 77, 78)。すべての論文で、女性の子宮頸がん(子宮頸
部上皮内腫瘍を含む)
・腟がん・外陰がん、両性の肛門がんの予防効果について推計を行っ
ていた。両性の頭頸部がん(中咽頭がん)と男性の陰茎がんの予防効果については、4文献
では基本分析に含めていたが、1文献では基本分析には含めずシナリオ分析で取り扱って
いた。両性の陰部疣贅・再発性呼吸器乳頭腫症の予防効果は4文献で含めていた。
5文献のうち4文献では基本分析において費用対効果が良好との結果が得られていた。
残りの1文献はシンガポールにおける研究であり、陰部疣贅・再発性呼吸器乳頭腫症の予防
効果が分析に含まれていない。9価 HPV ワクチンの女性接種と9価 HPV ワクチンの男女
接種を比較した場合は費用対効果が悪かった。2価 HPV ワクチンの女性接種と2価 HPV
ワクチンの男女接種を比較した場合も費用対効果が悪いが、割引率を年率 3%ではなく年率
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