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08参考資料1 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンファクトシート追補版 (22 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63875.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第31回 9/25)《厚生労働省》
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によりほぼ全ての接種者で HPV6、11、16、18 型に対する血清抗体陽転が起こり、特に 15 歳以下の若
い年代で誘導される抗体価が高いことが分かる。また肛門性器部での HPV6、11、16、18 型の持続感染
に対する予防効果も示されており、肛門がんおよび尖圭コンジローマを含む肛門性器部の HPV6、11、
16、18 型に関連する病変を予防する効果があると推測される。
4 価 HPV ワクチン接種による口腔内での抗体応答について報告されている(46) 。4 価 HPV ワクチン
を3回接種したアメリカ、メキシコの 27 歳~45 歳の男性(150 人)を対象として、3 回接種後 1 か月の
時点での口腔内検体(口腔洗浄液、Merocel スポンジ)に含まれる HPV16、18 型抗体価が測定された。
血清では全ての被験者が HPV16、18 型抗体陽性を示したのに対して、口腔内洗浄液検体では HPV16 型
(93.2%)
、HPV18 型(72.1%)
、スポンジ検体では HPV16 型(95.7%)
、HPV18 型(65.5%)の抗体陽
性率を示した。血清中と比べて口腔内の抗体価は約 500 倍低いレベルだったが、両者は高い相関性を示
した。一方、接種後 18 及び 24 か月の時点では口腔内検体での抗体価は減少し、24 か月後の抗体陽性率
は HPV16 型で 29.6%、HPV18 型で 4.6%であった(47) 。
なお HPV ワクチンが口腔・咽頭内での HPV 感染を防ぐことで、実際にこれらの部位のがんに対する
予防効果を示すかは臨床試験では明らかにされていない。アメリカでは子宮頸部や生殖器の病変に対す
る予防効果をもとに、中咽頭がんや頭頸部がんの予防が適応として accelerated approval の形で承認され
ている。
3.2 9 価 HPV ワクチンの有効性
9 価 HPV ワクチンの男性での免疫原性を調べる臨床試験が行われており、欧米・アジア・中南米など
の 17 か国で行われた第三相非無作為化臨床試験では 9 価 HPV ワクチン接種者での抗体応答が男女間で
比較解析された(48)。9 価 HPV ワクチンを 16 歳~26 歳の健康な男女に 3 回接種後1か月の時点で、男
性での各 HPV 型に対する GMT と抗体陽性率は女性と比較して同等かそれ以上であり、9 価 HPV ワク
チンの免疫原性について男性での非劣性が示された(表 5)


表 5 9 価 HPV ワクチン接種後の抗体価と抗体陽性率(48)
男性(1103 人)
n

女性(1099 人)

GMT

抗体陽性率

(mMU/mL)

(%)



GMT

抗体陽性率

(mMU/mL)

(%)

HPV6 型

847

782.0

99.6

708

703.9

99.6

HPV11 型

851

616.7

100.0

712

564.9

99.9

HPV16 型

899

3346.0

100.0

781

2788.3

99.9

HPV18 型

906

808.2

99.9

831

679.8

99.8

HPV31 型

908

708.5

100.0

826

570.1

100

HPV33 型

901

384.8

100.0

853

322.0

99.9

HPV45 型

909

235.6

99.8

871

185.7

99.5

HPV52 型

907

386.8

100.0

849

335.2

99.8

22