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08参考資料1 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンファクトシート追補版 (36 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63875.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第31回 9/25)《厚生労働省》 |
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のすべての基準を満たす。両側性・弛緩性の上肢または下肢の脱力, 脱力肢における腱反射の減弱な
いし消失, 単相性の経過と発症から症状の極期までの時間が 12 時間~ 28 日, 髄液細胞数<
50/mm3, 髄液蛋白>正常上限, 末梢神経伝導検査において GBS に矛盾ない所見, そのほかの疾患
が除外できる。なおレベル 2 では、髄液蛋白と 末梢神経伝導検査所見が必須ではない。
▪
体位性頻脈症候群;Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome(POTS)
POTS は 17 件の報告があり、そのうち 12 件(70.6%)は診断基準を満たさないか、診断に十分な
情報を含んでいなかった。5 件(29.4%)は診断基準を部分的に満たしており、4 件は女性、1 件が男
性であった。年齢中央値は 12 歳(範囲:11 歳~22 歳)
、接種後から発症までの日数の中央値は 19 日
(範囲:接種当日~接種後 114 日)であった。併存疾患として、不安、慢性頭痛、注意欠陥・多動性
障害、甲状腺疾患などが報告された。
▪
複合性局所疼痛症候群;Complex regional pain syndrome(CRPS)
CRPS の可能性のある症例は 9 価 HPV ワクチン接種の翌日に背中と下肢に広がる仙骨周囲痛を生
じた 1 件で、女性症例であった。
▪
急性散在性脳脊髄炎;Acute disseminated encephalomyelitis(ADEM)
ADEM の報告は 2 件確認されいずれも男性症例であった。1 件は、既往歴のない 11 歳男性で、発
熱、 めまい、だるさ、歩行困難を生じた。MRI 検査で脳と脊髄に ADEM と一致する病変を認めた。
発症から約 1 年後、回復した。もう一つの症例は頭痛、吐き気、嘔吐、意識障害を呈した 12 歳の男
性であった。麻痺や歩行困難はなく、MRI で leptomeningeal inflammation(軟膜炎)が確認され、
ADEM よりも無菌性髄膜炎に近いと診断された。医療記録上、この患者は入院期間中に明らかな改
善を認め、退院時転帰は回復であった。
そのほか、横紋筋炎と 慢性炎症性脱髄性多発神経炎(chronic inflammatory demyelinating
polyneuropathy(CIDP)
) の報告は確認されなかった。
イ)アメリカワクチン有害事象報告システム;VAERS からの報告(2)(70)
2006 年 1 月 1 日から 2018 年 9 月 30 日までのアメリカ VAERS にある合計 5,493 件の予防接種後有害
事象(AEFI)の報告について検討された。男性においてほかのワクチンよりも HPV ワクチンでより頻繁
に発生した事象は、失神(n=701, OR:2.85, 95%CI:1.41, 5.76)
、意識消失(n=425, OR:2.79, 95%
CI:1.36, 5.72)および転倒(n=272, OR: 3.54, 95%CI:2.00, 6.26)であった。AEFI のほとんどは、
市販前の臨床試験ですでに報告されたものであった。HPV ワクチンは一般的に男性で良好な忍容性を示
すが、自発的な報告には限界があることを考慮する必要がある。
ウ)Vaccine Safety Datalink :VSD (2015 年 10 月から 2017 年 10 月のデータ) (71)
2015 年 10 月から 2017 年 10 月まで、Vaccine Safety Datalink の 6 つのサイトで 9 歳~26 歳までのデ
ータファイルから、予防接種と有害事象が毎週抽出された。図 12 のように、9 歳~17 歳の年齢群では男
女の接種数がほぼ同等であった。事前に規定した有害事象は、アナフィラキシー、アレルギー反応、虫垂
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いし消失, 単相性の経過と発症から症状の極期までの時間が 12 時間~ 28 日, 髄液細胞数<
50/mm3, 髄液蛋白>正常上限, 末梢神経伝導検査において GBS に矛盾ない所見, そのほかの疾患
が除外できる。なおレベル 2 では、髄液蛋白と 末梢神経伝導検査所見が必須ではない。
▪
体位性頻脈症候群;Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome(POTS)
POTS は 17 件の報告があり、そのうち 12 件(70.6%)は診断基準を満たさないか、診断に十分な
情報を含んでいなかった。5 件(29.4%)は診断基準を部分的に満たしており、4 件は女性、1 件が男
性であった。年齢中央値は 12 歳(範囲:11 歳~22 歳)
、接種後から発症までの日数の中央値は 19 日
(範囲:接種当日~接種後 114 日)であった。併存疾患として、不安、慢性頭痛、注意欠陥・多動性
障害、甲状腺疾患などが報告された。
▪
複合性局所疼痛症候群;Complex regional pain syndrome(CRPS)
CRPS の可能性のある症例は 9 価 HPV ワクチン接種の翌日に背中と下肢に広がる仙骨周囲痛を生
じた 1 件で、女性症例であった。
▪
急性散在性脳脊髄炎;Acute disseminated encephalomyelitis(ADEM)
ADEM の報告は 2 件確認されいずれも男性症例であった。1 件は、既往歴のない 11 歳男性で、発
熱、 めまい、だるさ、歩行困難を生じた。MRI 検査で脳と脊髄に ADEM と一致する病変を認めた。
発症から約 1 年後、回復した。もう一つの症例は頭痛、吐き気、嘔吐、意識障害を呈した 12 歳の男
性であった。麻痺や歩行困難はなく、MRI で leptomeningeal inflammation(軟膜炎)が確認され、
ADEM よりも無菌性髄膜炎に近いと診断された。医療記録上、この患者は入院期間中に明らかな改
善を認め、退院時転帰は回復であった。
そのほか、横紋筋炎と 慢性炎症性脱髄性多発神経炎(chronic inflammatory demyelinating
polyneuropathy(CIDP)
) の報告は確認されなかった。
イ)アメリカワクチン有害事象報告システム;VAERS からの報告(2)(70)
2006 年 1 月 1 日から 2018 年 9 月 30 日までのアメリカ VAERS にある合計 5,493 件の予防接種後有害
事象(AEFI)の報告について検討された。男性においてほかのワクチンよりも HPV ワクチンでより頻繁
に発生した事象は、失神(n=701, OR:2.85, 95%CI:1.41, 5.76)
、意識消失(n=425, OR:2.79, 95%
CI:1.36, 5.72)および転倒(n=272, OR: 3.54, 95%CI:2.00, 6.26)であった。AEFI のほとんどは、
市販前の臨床試験ですでに報告されたものであった。HPV ワクチンは一般的に男性で良好な忍容性を示
すが、自発的な報告には限界があることを考慮する必要がある。
ウ)Vaccine Safety Datalink :VSD (2015 年 10 月から 2017 年 10 月のデータ) (71)
2015 年 10 月から 2017 年 10 月まで、Vaccine Safety Datalink の 6 つのサイトで 9 歳~26 歳までのデ
ータファイルから、予防接種と有害事象が毎週抽出された。図 12 のように、9 歳~17 歳の年齢群では男
女の接種数がほぼ同等であった。事前に規定した有害事象は、アナフィラキシー、アレルギー反応、虫垂
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