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08参考資料1 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンファクトシート追補版 (34 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63875.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第31回 9/25)《厚生労働省》 |
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4.2 9 価 HPV ワクチンの安全性
本項では 9 価 HPV ワクチンファクトシートの追補版として、9 価 HPV ワクチンファクトシートの男
性接種に関連する該当の内容を抽出し補足してまとめるとともに、発行以降の情報を追加記載する。
①臨床試験結果 有害事象:接種部位症状および全身の症状
ア)9 価 HPV ワクチンファクトシート(62)のまとめ
安全性に関する臨床試験結果(9 価 HPV ワクチンファクトシート(62)表 14 の試験番号Ⅱ~Ⅷのまと
めで、合計人数は男性(n=3,193)
、⼥性(n=12,583)
)において、ワクチン接種後に何らかの接種部位の
症状が見られた者の割合は 72%~95%で、痛みが最も報告頻度が高く(55%~93%)
、腫れ(9%~49%)、
紅斑(9%~42%)が続いた。全身症状に関する臨床試験結果(上記と同じまとめ)では、被接種者のう
ち全身症状が見られた者の割合は 35%~60%で、研究者により HPV ワクチン接種と関連のある全身症
状と判断された者の割合は 14%~31%であった。報告頻度が高かった症状は頭痛(2%~20%)
、発熱(2%
~9%)、嘔気(1%~4%)
、めまい(1%~3%)、疲労感(0%~3%)であった。研究者が重篤と判断した
症状(致死的、重篤な後遺症、入院例など)は 0~3%であり、ワクチンに関連していると判断された症
例は 0.3%であった。
イ)男性を対象とした試験について
男性を対象とした臨床試験に注目し、表 13 にまとめた。全体として、男性における症状発現は女性と
比較して少ない(48, 49, 63, 64, 65, 66)。
海外 020 試験において、若年男性における 9 価 HPV ワクチンの安全性プロファイルを評価した研究
では、注射部位および全身症状は女性よりも男性のほうが少なく、その大部分が軽度であり、4 価と 9 価
(それぞれ接種者 248 名)で安全性プロファイルは同様であった(63,105)。
9 歳 ~ 26 歳 の 男 女 ( 参 加 時 に 妊 娠 し て い な い ) を 対 象 に 実 施 さ れ た 7 つ の 第 III 相 試 験
(001,002,003,005,006,007,009 試験)を評価した研究(3 回接種)では(49)、注射部位副反応の頻度は 4
価 HPV ワクチンよりも 9 価 HPV ワクチンのほうが高かったが、ほとんどが軽度から中等度であった。
9 価 HPV ワクチン被接種者女性 12,583 名、男性 3,193 名のうち、接種部の痛みがそれぞれ 88.1%、
82.5%で、ひどい痛みは 31.3%、17.4%であった。接種部の腫脹で 5 ㎝を超えたものは各 4.2%、2.9%で
あった。最も一般的な全身症状は発熱・頭痛で、頭痛は男女で各 14.0%,10.2%、発熱は 5.8%、6.9%で
あった。ワクチン関連全身性症状の頻度は、9 価 HPV ワクチン群と 4 価 HPV ワクチン群の間で概ね同
様であった。全体として試験の中止およびワクチン関連の重篤な有害事象はごくまれ(それぞれ 0.1%お
よび 0.1%未満)で、7 名の死亡があったがいずれもワクチン関連ではなかった。また、本研究において、
15,776 人の 9 価 HPV ワクチン接種者のうち 36 人( 0.2 % )が失神症状を呈したことが示された。
このうち 1 回目接種後は 22 人、2 回目接種後は 11 人、3 回目接種後は 3 人が症状を認めていた。失
神した 36 人中 34 人は女性であり、94%と大半を占めた。
海外 003 試験では(48)、16 歳~26 歳の異性愛者男性(HM)1,100 人、16 歳~26 歳の男性と性交渉を
持つ男性(MSM)300 人、16 歳~26 歳の若い女性 1,100 人を登録するよう設計された。すべての被験者
は同じ 9 価 HPV ワクチンを 3 回投与レジメン(1 日、2 か月、6 か月)で接種した。被接種者は各 3 回
34
本項では 9 価 HPV ワクチンファクトシートの追補版として、9 価 HPV ワクチンファクトシートの男
性接種に関連する該当の内容を抽出し補足してまとめるとともに、発行以降の情報を追加記載する。
①臨床試験結果 有害事象:接種部位症状および全身の症状
ア)9 価 HPV ワクチンファクトシート(62)のまとめ
安全性に関する臨床試験結果(9 価 HPV ワクチンファクトシート(62)表 14 の試験番号Ⅱ~Ⅷのまと
めで、合計人数は男性(n=3,193)
、⼥性(n=12,583)
)において、ワクチン接種後に何らかの接種部位の
症状が見られた者の割合は 72%~95%で、痛みが最も報告頻度が高く(55%~93%)
、腫れ(9%~49%)、
紅斑(9%~42%)が続いた。全身症状に関する臨床試験結果(上記と同じまとめ)では、被接種者のう
ち全身症状が見られた者の割合は 35%~60%で、研究者により HPV ワクチン接種と関連のある全身症
状と判断された者の割合は 14%~31%であった。報告頻度が高かった症状は頭痛(2%~20%)
、発熱(2%
~9%)、嘔気(1%~4%)
、めまい(1%~3%)、疲労感(0%~3%)であった。研究者が重篤と判断した
症状(致死的、重篤な後遺症、入院例など)は 0~3%であり、ワクチンに関連していると判断された症
例は 0.3%であった。
イ)男性を対象とした試験について
男性を対象とした臨床試験に注目し、表 13 にまとめた。全体として、男性における症状発現は女性と
比較して少ない(48, 49, 63, 64, 65, 66)。
海外 020 試験において、若年男性における 9 価 HPV ワクチンの安全性プロファイルを評価した研究
では、注射部位および全身症状は女性よりも男性のほうが少なく、その大部分が軽度であり、4 価と 9 価
(それぞれ接種者 248 名)で安全性プロファイルは同様であった(63,105)。
9 歳 ~ 26 歳 の 男 女 ( 参 加 時 に 妊 娠 し て い な い ) を 対 象 に 実 施 さ れ た 7 つ の 第 III 相 試 験
(001,002,003,005,006,007,009 試験)を評価した研究(3 回接種)では(49)、注射部位副反応の頻度は 4
価 HPV ワクチンよりも 9 価 HPV ワクチンのほうが高かったが、ほとんどが軽度から中等度であった。
9 価 HPV ワクチン被接種者女性 12,583 名、男性 3,193 名のうち、接種部の痛みがそれぞれ 88.1%、
82.5%で、ひどい痛みは 31.3%、17.4%であった。接種部の腫脹で 5 ㎝を超えたものは各 4.2%、2.9%で
あった。最も一般的な全身症状は発熱・頭痛で、頭痛は男女で各 14.0%,10.2%、発熱は 5.8%、6.9%で
あった。ワクチン関連全身性症状の頻度は、9 価 HPV ワクチン群と 4 価 HPV ワクチン群の間で概ね同
様であった。全体として試験の中止およびワクチン関連の重篤な有害事象はごくまれ(それぞれ 0.1%お
よび 0.1%未満)で、7 名の死亡があったがいずれもワクチン関連ではなかった。また、本研究において、
15,776 人の 9 価 HPV ワクチン接種者のうち 36 人( 0.2 % )が失神症状を呈したことが示された。
このうち 1 回目接種後は 22 人、2 回目接種後は 11 人、3 回目接種後は 3 人が症状を認めていた。失
神した 36 人中 34 人は女性であり、94%と大半を占めた。
海外 003 試験では(48)、16 歳~26 歳の異性愛者男性(HM)1,100 人、16 歳~26 歳の男性と性交渉を
持つ男性(MSM)300 人、16 歳~26 歳の若い女性 1,100 人を登録するよう設計された。すべての被験者
は同じ 9 価 HPV ワクチンを 3 回投与レジメン(1 日、2 か月、6 か月)で接種した。被接種者は各 3 回
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