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08参考資料1 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンファクトシート追補版 (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63875.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第31回 9/25)《厚生労働省》
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イ)中咽頭部周辺のがん
日本頭頸部癌学会の頭頸部悪性腫瘍全国登録(2019 年)の報告によると、中咽頭部周辺のがんの HPV
(p16)陽性が 1,113 例に対し、陰性が 893 例であり、中咽頭部周辺のがんの約 55%が HPV に関連して
いることが示唆される(28)。中咽頭部周辺のがんは全国がん登録によると 2019 年罹患数は 4,826 例(男
性:3,760 例、女性:1,066 例)であった。このうち、中咽頭がん(C10)は 2,277 例(男性:1,854 例、
女性:423 例)で、中咽頭部周辺のがんの約半数を占めており、男性において多い傾向がある。
年齢調整罹患率(地域がん登録)の推移をみると、中咽頭部周辺のがんでは 1993 年から 2015 年にか
けて男女ともゆるやかに上昇しており(図 4)(25)、この傾向を統計学的に検討した報告では年平均の増
加率が男性で 5.0%、女性で 7.6%であったと推計されている(29)。中咽頭がんの年齢調整罹患率は 1993
年に男性で 0.61 例(人口 10 万対)であったが上昇傾向にあり、2015 年には 1.15 例(人口 10 万対)と
約 2 倍に増加している。 女性においても 1993 年に 0.02 例(人口 10 万対)であったが上昇傾向にあり、
2015 年には 0.19 例(人口 10 万対)に増加している。年齢別の罹患率をみると、中咽頭がんは 60 歳代~
80 歳代で罹患率が高い。
中咽頭部周辺のがんの 2021 年の死亡者数は 1,305 人(男性:1,070 人、女性:235 人)であった(26)。
このうち、中咽頭がんは 1,146 人(男性:962 人、女性:184 人)で、中咽頭部周辺のがんの約 88%を占
めており、男性で多い(26)。中咽頭がんの年齢調整死亡率は 1995 年に男性で 0.41 人(人口 10 万対)で
あったが過去 25 年間で上昇傾向にあり、2021 年には 0.75 人(人口 10 万対)に増加している(図 5)

女性においても中咽頭がんの年齢調整死亡率は 1995 年に 0.04 人(人口 10 万対)であったが過去 25 年
間で上昇傾向にあり、2021 年には 0.12 人(人口 10 万対)に増加しており、男性に比べて死亡率は低い
ものの、約 3 倍に増加している。年齢別の死亡率については、中咽頭部周辺のがんは高齢になるほどよ
り死亡率が高い傾向にある。
中咽頭がんの罹患率は西欧、北欧、東欧、北米、南米、オセアニア、南アジアで高い(図 6)(27)。日
本における罹患率、死亡率は世界的に見てやや高い水準である。

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