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08参考資料1 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンファクトシート追補版 (19 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63875.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第31回 9/25)《厚生労働省》 |
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第2章 予防接種の目的と導入により期待される効果
2.1 男性への接種意義
男性の HPV 関連がんとしては、肛門がん、陰茎がん、中咽頭がんがあり、主に HPV 16、18 型が関与
している。現時点で日本国内では、男性への接種について 4 価 HPV ワクチンが肛門がんに対してのみ製
造販売承認されている。この 4 価 HPV ワクチンは、尖圭コンジローマの主な原因である HPV6、11 型
も標的としており、男性への発症予防効果が示されている(35)。一方で、男性への接種による男性の中咽
頭がんなどの、肛門がん以外の HPV 関連がんに対する有効性に関する直接的な報告はなく、エビデンス
は限られている。また、現時点で日本国内では、女性への接種に使用されている 9 価 HPV ワクチンにつ
いて男性への適応がない。
HPV 関連疾患が性感染症であることから、集団予防という観点については、性的区別のない(genderneutral)接種によって女性の尖圭コンジローマの予防効果が高まるという報告があり(55)、男性への接種
により女性の子宮頸がんや HPV 関連がんの予防につながる可能性がある。
また、女性の子宮頸がんの予防には HPV ワクチン接種に加え、子宮頸がん検診を行うことで予防、早
期発見が可能であるが、男性の HPV 関連疾患に関して有効性の確立した検診は存在せず、肛門がんにつ
いてはワクチン接種が唯一の予防方法であり、そのほかの男性の HPV 関連疾患についても、HPV ワク
チンの有効性のエビデンス蓄積が待たれる。
今後男性における中咽頭がんなどそのほかの HPV 関連がんに対する適応の拡大や、男性への接種によ
る女性の子宮頸がんへの効果に関するエビデンスの蓄積、また国内での 9 価 HPV ワクチンの男性への適
応の拡大が望まれる。
2.2 男性に対して現在国内で使用可能な HPV ワクチン
HPV ワクチンは、HPV の L1 タンパク質ウイルス様粒子(Virus-Like Particles:VLP)を有効成分とす
る非感染性のワクチンで、国内で認可されている HPV ワクチンには 3 種類ある(9 価 HPV ファクトシ
ート 30~31 ページ参照(37)))
。このうち、2023 年 6 月 30 日現在、国内で男性への接種が製造販売承認
されているワクチンは、4 価 HPV ワクチンのみで、任意接種扱いとなっている。
4 価 HPV ワクチンは、HPV16、18 型に加えて、尖圭コンジローマの主要な原因となる HPV6、11 型
の L1VLP を含み、アジュバントとしてアルミニウム塩を使用している。
4 価 HPV ワクチンの接種対象は 9 歳以上の者で、年齢の上限は設定されていない。標準的な接種スケ
ジュールは、2か月あけて 2 回、初回 1 回目接種から 6 か月あけて 1 回の計 3 回行う。やむを得ず接種
間隔の変更が必要な場合は、 2 回目の接種は 1 回目の接種から 1 か月以上、 3 回目の接種は2回目の
接種から 3 か月以上の間隔をおいて実施する必要がある(38)。
「1 か月あけて」は翌月の同じ日以降にな
り、同じ日がない場合は、翌月の 1 日になる。
また、海外の一部の国では 9 価 HPV ワクチンも男性へ接種されている。9 価 HPV ワクチンは HPV6、
11、16、18 型に加えて、子宮頸がんから検出される HPV31、33、45、52、58 型の L1VLP を含み、ア
ジュバントとしてアルミニウム塩を使用している。
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2.1 男性への接種意義
男性の HPV 関連がんとしては、肛門がん、陰茎がん、中咽頭がんがあり、主に HPV 16、18 型が関与
している。現時点で日本国内では、男性への接種について 4 価 HPV ワクチンが肛門がんに対してのみ製
造販売承認されている。この 4 価 HPV ワクチンは、尖圭コンジローマの主な原因である HPV6、11 型
も標的としており、男性への発症予防効果が示されている(35)。一方で、男性への接種による男性の中咽
頭がんなどの、肛門がん以外の HPV 関連がんに対する有効性に関する直接的な報告はなく、エビデンス
は限られている。また、現時点で日本国内では、女性への接種に使用されている 9 価 HPV ワクチンにつ
いて男性への適応がない。
HPV 関連疾患が性感染症であることから、集団予防という観点については、性的区別のない(genderneutral)接種によって女性の尖圭コンジローマの予防効果が高まるという報告があり(55)、男性への接種
により女性の子宮頸がんや HPV 関連がんの予防につながる可能性がある。
また、女性の子宮頸がんの予防には HPV ワクチン接種に加え、子宮頸がん検診を行うことで予防、早
期発見が可能であるが、男性の HPV 関連疾患に関して有効性の確立した検診は存在せず、肛門がんにつ
いてはワクチン接種が唯一の予防方法であり、そのほかの男性の HPV 関連疾患についても、HPV ワク
チンの有効性のエビデンス蓄積が待たれる。
今後男性における中咽頭がんなどそのほかの HPV 関連がんに対する適応の拡大や、男性への接種によ
る女性の子宮頸がんへの効果に関するエビデンスの蓄積、また国内での 9 価 HPV ワクチンの男性への適
応の拡大が望まれる。
2.2 男性に対して現在国内で使用可能な HPV ワクチン
HPV ワクチンは、HPV の L1 タンパク質ウイルス様粒子(Virus-Like Particles:VLP)を有効成分とす
る非感染性のワクチンで、国内で認可されている HPV ワクチンには 3 種類ある(9 価 HPV ファクトシ
ート 30~31 ページ参照(37)))
。このうち、2023 年 6 月 30 日現在、国内で男性への接種が製造販売承認
されているワクチンは、4 価 HPV ワクチンのみで、任意接種扱いとなっている。
4 価 HPV ワクチンは、HPV16、18 型に加えて、尖圭コンジローマの主要な原因となる HPV6、11 型
の L1VLP を含み、アジュバントとしてアルミニウム塩を使用している。
4 価 HPV ワクチンの接種対象は 9 歳以上の者で、年齢の上限は設定されていない。標準的な接種スケ
ジュールは、2か月あけて 2 回、初回 1 回目接種から 6 か月あけて 1 回の計 3 回行う。やむを得ず接種
間隔の変更が必要な場合は、 2 回目の接種は 1 回目の接種から 1 か月以上、 3 回目の接種は2回目の
接種から 3 か月以上の間隔をおいて実施する必要がある(38)。
「1 か月あけて」は翌月の同じ日以降にな
り、同じ日がない場合は、翌月の 1 日になる。
また、海外の一部の国では 9 価 HPV ワクチンも男性へ接種されている。9 価 HPV ワクチンは HPV6、
11、16、18 型に加えて、子宮頸がんから検出される HPV31、33、45、52、58 型の L1VLP を含み、ア
ジュバントとしてアルミニウム塩を使用している。
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