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資料2‐2 令和6年度 業務実績概要説明資料 (9 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59553.html |
出典情報 | 厚生労働省国立研究開発法人等審議会 高度専門医療研究評価部会(第40回 8/7)《厚生労働省》 |
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評価項目No.1-1
担当領域の特性を踏まえた戦略的かつ重点的な研究・開発の推進
③テロメラーゼ逆転写酵素がこれまで知られていなかった機序でがん化を促進すること
を発見<評価書P6>
④免疫チェックポイント阻害薬と自然免疫応答を活性化する薬剤との併用におけるがん
免疫治療の抵抗性機序を解明<評価書P7>
○がん細胞は無限に増殖することが可能であるが、これはDNA末端を保護するための配列である
「テロメア」を維持する方法を、がん細胞が独自に持っているからであり、これに関与しているのが
テロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)である。
○自然免疫応答の活性化を促す薬剤は、免疫チェックポイント阻害薬の治療抵抗性の
克服に有用である可能性が期待されているが、臨床応用には至っていない。
○自然免疫応答を活性化する薬剤の1つであるOK-432を担がんモデルマウスへ投与
する実験によって、多形核骨髄由来免疫抑制細胞ががん組織の内部へ集まり、治療
抵抗性を示す機序を明らかにした。
○炎症性がん、非炎症性がんを多種類のマウスモデルで再現し、どのタイプのがんで
抵抗性機序が作動するのかを解明し、臨床応用に向けたバイオマーカーの同定につ
なげた。
○hTERTはテロメアと呼ばれるDNA末端を伸ばすことでがん化に関わるとされてきたが、本研究は、
hTERTの新たな機能として、がん細胞にとって有害なゲノム異常を排除し、がんの生存に有利に
作用していることを発見した。
○多数のがん種を調べ、従来hTERTが存在しないとされていた肉腫でもこの機能を確認した。
(ポイント)
●今回発見したhTERTの新たな機能を阻害したところ、がん細胞が死滅することも確認され、
hTERTの新たな機能を標的にした治療法の開発につながることが期待される。
テロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)によるゲノム制御機構の発見
(ポイント)
●OK-432のような自然免疫応答を活性化する薬剤を併用する際には、多形核骨髄由
来免疫抑制細胞を除去する薬剤を併せて用いることで治療効果を高められる可能性
が示された。
●今後、自然免疫応答を活性化する薬剤の最適化法を明らかにし、さらに研究を進め
ることにより、新規がん免疫複合療法の開発への展開が期待される。
左: テロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)によりテロメアを維持する機能。
右: 新たな機能(RNA合成活性)が、がん細胞にとって有害となるゲノム構造を排除。
本研究成果は国際学術誌『Nature Cell Biology』に掲載された
自然免疫応答を活性化させる薬剤と抗PD-1抗体との併用療法には、多形核骨髄由来免疫抑
制細胞(PMN-MDSCs)などの不必要な活性化を制御する治療を追加することが重要となる。
本研究成果は国際学術誌『Science Translational Medicine』に掲載された
9
担当領域の特性を踏まえた戦略的かつ重点的な研究・開発の推進
③テロメラーゼ逆転写酵素がこれまで知られていなかった機序でがん化を促進すること
を発見<評価書P6>
④免疫チェックポイント阻害薬と自然免疫応答を活性化する薬剤との併用におけるがん
免疫治療の抵抗性機序を解明<評価書P7>
○がん細胞は無限に増殖することが可能であるが、これはDNA末端を保護するための配列である
「テロメア」を維持する方法を、がん細胞が独自に持っているからであり、これに関与しているのが
テロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)である。
○自然免疫応答の活性化を促す薬剤は、免疫チェックポイント阻害薬の治療抵抗性の
克服に有用である可能性が期待されているが、臨床応用には至っていない。
○自然免疫応答を活性化する薬剤の1つであるOK-432を担がんモデルマウスへ投与
する実験によって、多形核骨髄由来免疫抑制細胞ががん組織の内部へ集まり、治療
抵抗性を示す機序を明らかにした。
○炎症性がん、非炎症性がんを多種類のマウスモデルで再現し、どのタイプのがんで
抵抗性機序が作動するのかを解明し、臨床応用に向けたバイオマーカーの同定につ
なげた。
○hTERTはテロメアと呼ばれるDNA末端を伸ばすことでがん化に関わるとされてきたが、本研究は、
hTERTの新たな機能として、がん細胞にとって有害なゲノム異常を排除し、がんの生存に有利に
作用していることを発見した。
○多数のがん種を調べ、従来hTERTが存在しないとされていた肉腫でもこの機能を確認した。
(ポイント)
●今回発見したhTERTの新たな機能を阻害したところ、がん細胞が死滅することも確認され、
hTERTの新たな機能を標的にした治療法の開発につながることが期待される。
テロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)によるゲノム制御機構の発見
(ポイント)
●OK-432のような自然免疫応答を活性化する薬剤を併用する際には、多形核骨髄由
来免疫抑制細胞を除去する薬剤を併せて用いることで治療効果を高められる可能性
が示された。
●今後、自然免疫応答を活性化する薬剤の最適化法を明らかにし、さらに研究を進め
ることにより、新規がん免疫複合療法の開発への展開が期待される。
左: テロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)によりテロメアを維持する機能。
右: 新たな機能(RNA合成活性)が、がん細胞にとって有害となるゲノム構造を排除。
本研究成果は国際学術誌『Nature Cell Biology』に掲載された
自然免疫応答を活性化させる薬剤と抗PD-1抗体との併用療法には、多形核骨髄由来免疫抑
制細胞(PMN-MDSCs)などの不必要な活性化を制御する治療を追加することが重要となる。
本研究成果は国際学術誌『Science Translational Medicine』に掲載された
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