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資料2‐2 令和6年度 業務実績概要説明資料 (30 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59553.html
出典情報 厚生労働省国立研究開発法人等審議会 高度専門医療研究評価部会(第40回 8/7)《厚生労働省》
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評価項目No.1-2

実用化を目指した研究・開発の推進及び基盤整備

②アジア主導の開発へ向けたネットワーク構築と新薬開発<評価書P48>
◆ATLAS Projectの発展
⚫これまでの韓国、台湾、シンガポール等のアジア先進国とのネットワークに加え、
成長著しいASEAN諸国で治験基盤整備を行い、複数の国際共同研究や教育プロ
グラムの実施を通じて、アジア圏での強固な臨床試験ネットワークを構築
⚫アジア圏での複数の国際共同研究を恒常的に実施できる体制を整備し、NCC中
央病院がゲートウェイとなってアジア全体で医薬品・医療機器の薬事承認および
実用化を目指すとともに、アジア圏でのゲノム医療の導入を促進する
⚫臨床研究e-leaningサイトであるICRwebを英語化し、50以上の英語コンテンツ
の掲載を通じて、グローバルな教育プラットフォームへ発展させる
⚫NCC初の海外事務所をタイ・バンコクに設置し、現地調整機能、臨床試験ネッ
トワーク事務局機能、教育研修機能を強化(タイ、ベトナム含む6人体制)
⚫令和5年度末時点で6つのアジア国際共同研究を実施中。MASTER KEY Asiaでは
日本へ試料搬送し、ゲノム解析を実施する体制を通じて、アジア全体の臨床ゲノ
ムデータベースを構築中
(具体的な国際共同研究)
○ 多国籍の乳癌第III相医師主導
治験(PATHWAY試験)
○ 複数がん種を対象とし、複数
企業と連携したリキッドバイ
オプシー研究(A-TRAIN)
○ 産学共同の希少がん開発プ
ラットフォーム研究である
MASTER KEY Projectのアジ
ア展開(MASTER KEY Asia)
○ 大腸内視鏡AI診断支援ツール
の大規模ランダム化第III相試
験(Project CAD) etc.
⚫ アジアに多いがん種の予防・診断・治療で世界を牽引することを目的に、多方
面での国際連携を戦略的に推進。
◆AsiaOneコンソーシアム
• 日本、香港、韓国、シンガポール、台湾の先進的がん医療機関と早期新薬開発に
関する連携覚書を締結し、First-in-Humanを含む第I相試験を、2018年より累
計43試験実施。
• 国際共同の企業試験が欧米のみで完結することなく、アジアにおけるがん早期新
薬開発を恒常的に進めるための強固なコンソーシアムを構築。

③先進医療と治験の実施<評価書P77>
豊富ながん診療と臨床研究基盤に基づき、両病院が臨床研究中核病院として主導的
に治験・先進医療を実施。
○令和6年度における治験・先進医療の総件数※継続実施を含む(うち新規の件数)
・企業治験
… 982件 (新規210件)
・医師主導治験
… 103件 (新規 13件)
・国際共同治験
… 821件 (新規190件)
・FIH試験
… 227件 (新規 51件)
・先進医療

28件 (新規 1件)
・臨床研究
… 2,465件 (新規420件)
・患者申出療養
… 818件 (新規 125件)
企業治験件数
910
900

国際共同治験件数

982
924

854

752

800

801
690

821

716
646

700
579

700

600
500

472

400

500

300
200
300

令和元年度
令和元年度

令和2年度

令和3年度

令和4年度

令和5年度

令和2年度

令和3年度

令和4年度

令和5年度

令和6年度

令和6年度

<先進医療の例>
「固形がん患者における初回治療時の包括的ゲノムプロファイル検査の実現性と治療選択への有
用性を評価する前向き研究」
2019年6月に保険適用された包括的ゲノムプロファイル検査(NCCオンコパネルシステム)
の初回治療導入時における有用性を検証するため、中央病院・東病院 2施設による先進医療Bの
準備を進め、2020年3月27日に告示され、2020年6月より症例登録開始。2022年3月末の時点
で200例登録完了し、目標を達成した。2022年度は遺伝子解析の実施可能性を確認、2024年度
には初回治療における包括的ゲノムプロファイル検査後の治療到達割合に関する解析結果を公表
した。
<患者申出療養の推進>
●マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療
(BELIEVE試験)
患者申出療養制度を利用した「遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく複
数の分子標的治療」の臨床試験を開始。がんゲノム医療中核拠点病院13施設が参加。製薬企
業から21薬剤の無償提供を受け、2024年度は113例が登録された。登録が満了した薬剤は
ASCOをはじめとする学会で結果を発表した。また、一部薬剤は適応拡大の参考資料として本
試験データが規制当局に提出された。
●遺伝子パネル検査結果等に基づく分子標的治療(PARTNER試験)
難治性小児・AYA世代がん患者を対象に、患者申出療養制度を利用して適用外薬あるいは未
承認薬を投与する臨床研究を令和5年度に開始した。小児がんは新規承認薬が非常に少ない中、
本試験により難治性の小児・AYA世代がん患者にも最新の治療薬へのアクセスを提供している。
令和6年度は、実施医療機関を中央病院1施設から5施設と多施設化し、患者がより自宅から
近い施設で利用可能となるとともに、対象医薬品も2社5医薬品から6社9医薬品に拡大し、 30
12例が登録された。