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総-1歯科医療について(その1) (9 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63223.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第616回 9/10)《厚生労働省》
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障害児(者)歯科診療の課題
○ 障害児(者)は、障害の程度や内容によって、一般に口腔内の衛生状態を困難にする要因を多数持っており、歯科疾患の重症化及
び再発リスクが高いため、口腔内の管理に際して配慮すべき点が多く、様々な対応が必要とされる。
歯科疾患の管理上の課題

歯科治療上の課題

1. 歯数、歯の形態、歯質
胎生期あるいは出生前後の異常や障害が原因で、歯質、歯数や形態の異常など
が多く、歯科疾患の重症化、再発リスクが高い。

2. 歯列・咬合

顎顔面の成長・発育に、先天性または後天的な異常、顎顔面周囲筋の異常緊
張、運動の異常、口腔習癖に関連した歯列・咬合の異常がみられるため、歯科疾
患の重症化、再発リスクが高い。

3. う蝕、歯周病

① 適切な歯科保健習慣の定着が困難で、歯口清掃不良の状態の期間が長く、う
蝕や歯周病が重症化しやすい。
② 歯科治療終了後も口腔内管理の継続が難しく、う蝕や歯周病が再発しやすい。
③ 障害および合併症の治療のための薬物の長期使用が、特異的な歯科疾患の発
生、増悪を助長する要因となることがある。
(出典:学建書院、小児の口腔科学第5版、P.324を改変)

1. 協力性確保の困難性
認知能力、環境変化への適応能力が未熟で恐怖や不安が強く、診療を
拒否する患者などに対する対応法(行動調整法)の工夫が必要である。

2. 姿勢、異常反射、筋の異常緊張の制御の困難性
脳性麻癖にみられるような、診療時の筋の異常緊張・反射、不随意運動
の緩和・抑制のための工夫および苦痛の少ない安定した診療姿勢を確保
する工夫が必要である。

3. コミュニケーションの困難性
コミュニケーションには言語理解能カと言語表出能力が必要である。障害の
種類・程度により、そのいずれか一方、あるいは両者に障害がみられる場合
があり、コミュニケーションの方法に工夫が必要である。

4. 歯科治療時の医学的管理の困難性
障害者は、定型発達児に比べて重篤な合併症をもつことが多く、特に先天
性心疾患、てんかんなどを合併しやすい。また、脳性麻陣、重症心身障害
児などは、歯科診療時に呼吸が抑制されやすいため、注意が必要である。

<補綴物装着者年齢の比較>
障害者(本調査群)
の補綴物装着者率
は、若い年齢階級か
ら高い事が明らかで
あったため、障害の内
容や程度により、歯
科疾患の再発・重症
化リスクが高いことが
示唆されている。

出典:「障害者における補綴物装着率の加齢変化に対する検討」尾田ら、障歯誌43:26-33,2022

(出典:学建書院、小児の口腔科学第5版、P.325を改変)
<障害を有する者の口腔内状況の一例>

歯肉の増殖
食物残渣
の滞留
膿の漏出
出典:「障害者歯科学」(永末書店)

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