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参考資料4_歯学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (129 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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知識に比べて評価基準を明確にし、運用するのが困難であるため、各施設において事前の十分な検討が必要と
なる。
実習期間中に、歯学生の臨床能力を評価した結果、目標に達成していない場合は、その結果を歯学生にフィ
ードバックすることで今後の行動改善を促すことができる(形成的評価)。また、実習の終了時期に、実習の集
大成としての能力試験を行えば、その結果を単位認定に活かすことができる(総括的評価)。
診療参加型臨床実習の最終評価に技能試験を設定することにより、歯学生はそれに向けて臨床技能の修得に
励むことが期待されるが、最終評価が筆記試験であれば、学生の診療参加意欲は減退すると考えられる。評価
方法自体が学修行動を促す(Assessment Drives Learning)と言われていることから、診療参加型臨床実習の充
実を図るため、実習プログラムにおいて適切な評価法を選択、実施することが求められる。
Ⅴ.診療参加型臨床実習の実施にあたっての留意事項
1.診療参加型臨床実習の実施体制
1)診療参加型臨床実習を効果的に実施するための組織体制
診療参加型臨床実習を、より効果的な実習にするためには、学生の診療参加に適切に対応できる組織体制
を整備する必要がある。そのためには、以下の点が重要となる。
(1)組織的に取り組むこと
歯学部長、教授会、教務・教育委員会、事務部等の教育組織の役割の強化と、大学病院、臨床実習協力施
設との円滑な連携により、実習体制の適切な管理体制を構築する。
(2)教育機能をもった診療体制を構築すること
教育機能をもった診療体制を整備する。すなわち、学生を医療チームの中に組み込むことで、学生のプロ
フェッショナリズムを涵養し、学修目標の達成により歯科医師として果たす役割と責任感を段階的に育め
るような教育・診療体制を構築する。
(3)教職員の教育能力を向上すること
学生の教育に直接的、間接的にかかわる指導歯科医、教職員、医療スタッフ等の病院職員の診療参加型臨
床実習への理解を促し、教育能力を向上させるファカルティ・ディベロップメント(FD)、スタッフ・ディ
ベロップメント(SD)の受講が求められる。
2)診療参加型臨床実習実施に必要な関係者等
(1)実習施設責任者(歯学部長、大学病院長等)
大学病院、実習協力施設の施設長として、歯学部と連携し、診療参加型臨床実習が円滑に実施されるよう
支援する。実習指導・管理の責任は歯学部が負うが、歯科診療は各実習施設の責任のもとで行われるた
め、法的な問題が生じた場合には、実習施設の責任者として歯学部と協議し処理する。
(2)実習プログラム責任者(教務委員長、臨床実習指導歯科医長等)
歯学部における臨床実習関連業務を一元的に統括し、臨床実習プログラムの企画・立案及び実施の管理、
指導歯科医及び学生への助言指導、その他の援助を行う。
(3)実習診療科責任者(診療科長、部門長等)
診療参加型臨床実習が実施される診療科などの責任者として、その診療科等における実習の企画・立案及
び実施を管理するとともに、評価の業務を統括する。
(4)診療科等における実習担当教員統括者
診療科における実習内容の企画・立案に関与し、実習診療科責任者の管理の下、診療科等での実習の実施
及び評価の業務を統括する。実習指導に関する FD を受講していることが強く推奨される。原則 5 年以上
の臨床経験を有し、教育・指導方法などに関する講習会(歯科医師臨床研修指導歯科医講習会等)を受講し
ていることが望ましい。
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