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参考資料4_歯学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (128 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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5)基本的治療手技
安全・安心な歯科医療を提供するために、基本的治療技能を身に付ける。
6)多職種連携、チーム医療、地域医療
医療チームの一員として地域医療に参画する。
2.診療参加型臨床実習のねらい
6 年間の歯学教育の最終段階に位置付けられる診療参加型臨床実習は、それまでに学修した全ての知識、技
能、態度を基盤とし、修得した能力を臨床の現場において実践に活かすことが求められる。診療参加型臨床実
習では、歯学生は医療チームに参加し、その一員として診療業務を分担しながら、歯科医師として身に付けて
おかねばならない基本的臨床能力を修得することになる。
診療参加型臨床実習において修得が求められる目標は、歯学教育モデル・コア・カリキュラムの「第 2 章 E
診察・診断と治療技能」を中心に構成されるとともに、公益社団法人医療系大学間共用試験実施評価機構が作
成した「診療参加型臨床実習に参加する学生に必要とされる技能と態度に関する学修・評価項目」も参照し設
定する。一方で、各施設は、大学の教育理念、大学病院等の理念を有する。さらに、それぞれの置かれた環境
や保有する人的、物的資源も多様であると考えられる。例えば、都市部の施設と地方の施設では、市民(患
者)が大学病院に期待する医療ニーズも異なることが想定され、また保有する医療スタッフや教員の人数にも
差があり、歯学生への学習支援体制も異なることが考えられる。そのため、各施設の状況を勘案し、診療参
加型臨床実習における独自の目標を掲げ、修得を目指すことが期待される。
Ⅲ.診療参加型臨床実習の方略
臨床実習には様々な形態があるが、診療参加型を基本形態とする。診療参加型臨床実習は指導歯科医や研修
歯科医、さらには歯科衛生士や歯科技工士等の他の職種も含めた医療チームの中で、歯学生がチームの一員と
して一定の役割・責任を担いながら行う臨床実習である。歯科診療は外科的な側面が強く、侵襲を伴う診療が
大きな割合を占めるため、診療参加にあたっては必要な知識の整理(診療前レポートの作成等)や、事前の入念
なシミュレーション・トレーニング等、段階的な学修方略を構築することが求められる。また、診療参加型臨
床実習の基盤となる大学病院では、実習を実施する上で最も重要な患者の協力を得る必要があるが、施設によ
ってその数に大きな違いがあると考えられる。さらに、大学病院には多様な職種や医療スタッフ、様々な関連
診療部門が併設されており、効果的な実習を推進するためには各施設の特徴に応じて、人的・物的資源を有効
に活用する必要がある。
臨床の現場を初めて経験する歯学生は、まず医療チームの「正統なメンバー」と扱われ、構成員として主体
的に活動するとともに、中心的存在を見習って参加の度合いを深めていくことを通じて学修するといった正統
的周辺参加論*を参考に、具体的な実習方法やローテーション方法を検討していく。また、実習を単なる経験
として処理するのではなく、臨床現場で体験したことを明示的に記録にとどめ、次の経験に積極的に活用する
といった自律的な学習者となるために、ポートフォリオ等を用いた構造的振り返りの実施が期待される。
*正統的周辺参加論と認知的徒弟制:医学教育 2012,43 4):292~293
Ⅳ.診療参加型臨床実習の評価
評価とは、当初設定していた目標に対して、学修者がその目標にどの程度近づいたかを測定することであ
る。診療参加型臨床実習における学修目標には、歯科医学的知識の理解やそれに基づく臨床推論等だけでな
く、検査や切削等の技術領域、患者対応等のコミュニケーション、医療者としてのプロフェッショナリズム等
の態度領域も含まれる。したがって、測定したい能力に応じて様々な評価法を選択する必要がある。特に、実
習は診療参加型であるため、評価対象の主体は知識よりは技術、態度となると考えられる。これらの領域は、

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