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参考資料4_歯学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (126 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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Ⅰ.序章
1.本ガイドライン作成の背景
本ガイドラインは、令和 4 年度に改訂された歯学教育モデル・コア・カリキュラムの内容に基づき、歯学教
育における診療参加型臨床実習を主体とする臨床実習を実施する上で、各歯科大学・歯学部が整備すべき事項
を整理したものである。各歯科大学・歯学部は、本ガイドラインを踏まえ、自らの責任の下、診療参加型臨床
実習を主体とする臨床実習を適切に実施するための体制整備を行うとともに、運用していくことが求められ
る。
令和 3 年度には歯科医師法が一部改正され、第 11 条において歯科医師国家試験の受験資格における共用試験
合格の要件化、第 17 条において歯学生が臨床実習において行う歯科医業の法的位置づけの明確化が行われた。
これに伴い、共用試験に合格した歯学生に限り、大学が行う臨床実習において、歯科医師の指導監督の下、歯
科医業を行うことができることとなった。具体的に行うことのできる歯科医業については、令和 4 年度に厚生
労働省内に設置された「歯学生が臨床実習で行う歯科医業の範囲に関する検討会」において議論され、その成
果に基づいた実習の運用が求められることになる。本ガイドラインにおいては、ここでの議論を踏まえ、各歯
科大学・歯学部が診療参加型臨床実習を企画・運用する上で参考となる情報を記載することに努めた。
不可逆的な医療行為を多く含む歯科診療の特異性を鑑み、とりわけ患者の安全や権利の保護には格段の配慮
が必要となる。その上で、令和 3 年度の歯科医師法改正に伴い、診療参加型の臨床実習がこれまで以上に推進
されることになるため、実習の企画・運用に際してはさらなる配慮が必要となる。診療参加型臨床実習は各歯
科大学・歯学部に附属する病院(以下、「大学病院」という。)を中心に実施されることになり、学生は病院に
おける各種ルールを理解、認識したうえで、医療チームの構成員としての自覚を持ち、実習に臨む必要があ
る。また、病院としても学生が法的にいわゆる Student Dentist(当該学生が診療参加型臨床実習を開始する前
に修得すべき知識および技能を具有しているかどうかを評価するために大学が共用する試験に合格した者)とし
て明確に位置づけられたことをふまえ、学生を医療従事者の一員として認識し、適切に管理していくことが求
められる。
2.診療参加型臨床実習の意義
臨床実習は、学生が指導者の下で歯科医師としてのプロフェッショナリズムや知識・技能・態度の基本的な
事項を学ぶことを目的としている。とりわけ診療参加型臨床実習の実施にあたっては、その趣旨が、単なる知
識・技能・態度の修得にとどまらず、実際の患者を相手にした診療経験を通じて、医療現場に立った時に必要
とされる診断及び治療等に関する思考法・対応力・実践的な技能や臨床を通じた研究意欲等を養うことである
ことに留意する必要がある。
診療参加型臨床実習の教育上の特徴として、以下の点が挙げられる。
1)学生は、教科書的・文献的知識のみならず、医療現場で必要となるプロフェッショナリズム(倫理、患者中
心の視点等)、思考法(臨床診断、診療計画の立案等)、医療面接、基本的診察、基本的臨床技能、診療録そ
の他の文書作成などの能力、診療上の態度および学修上の態度も含めて総合的に学び、歯科医師としての能
力(コンピテンシー)を身に付ける。
2)学生が歯科医師としての基本的な知識・技能・態度を学ぶ相手は、患者のみならず歯科医師、歯科衛生士、
歯科技工士等の医療スタッフ全員(多職種連携教育)である。
3)診療参加型臨床実習を含めて臨床実習全体を体系的に行うことにより、学生は、総合的な診療能力を修得す
るとともに、社会制度や歯科医療関連法規を学ぶ。また、学生は、その能力の向上に応じて、許容される水
準の範囲内で、より高度な歯科医行為を実施することにより、必要な知識・技能・態度を段階的、継続的に
学ぶ。
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