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医療IT委員会 答申 (54 ページ)

公開元URL https://www.med.or.jp/nichiionline/article/012779.html
出典情報 日本医師会 定例記者会見(6/10)《日本医師会》
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委員長のあとがき
地域の医療を支える皆様へ:医療 DX の進展と、これからの日常診療について
日々の診療を通じて地域住民の健康を守り続けてくださっている皆様に、心より敬意を
表します。
現在、国が進める「医療 DX」の議論が加速しています。電子カルテ情報共有サービスや
標準型電子カルテの普及、HL7 FHIR といった国際規格の導入など、これまでの仕組みを大
きく変える工程表が示されています。しかし、システムを「開発」することと、それを現
場に「実装」することの間には、まだ大きな溝があるのが実情です。
私たちは、皆様が直面している不安を重く受け止めています。 「多額の費用負担を強い
られるのなら、診療を諦めざるを得ない」 「IT の専門人材がいない中で、どうやって新し
いシステムを維持すればいいのか」 こうした切実な声は、決して一部の意見ではなく、日
本の医療を支える多くの診療所や小規模病院の共通した悩みです。
ここで皆様に最もお伝えしたいのは、**「DX の目的は、医療を効率化し、皆様の負担を
減らすことであって、医療の継続を困難にすることではない」**ということです。

実装に向けた私たちのスタンス
技術的に「できること(Ability)」を追求する開発側の視点に対し、私たちは「持続可
能な実装」を強く求めていきます。
•コストの妥当性: 国際規格への対応やシステム連携が、医療機関の過度な負担にならな
いよう、公的な支援の拡充やコスト構造の適正化を働きかけます。
•現場主導の実装: 高度なシステムが「絵に描いた餅」にならないよう、現場の運用に即
した、段階的かつ現実的な導入ステップを検討します。
•サポート体制の構築: ツールだけを渡すのではなく、導入・運用を支える人的な支援策
についても議論を尽くします。

最後に
医療の主役は、いつの時代も患者様と向き合う医療者自身です。システムはあくまでそ
れを支える道具に過ぎません。
今はまだ、制度や技術の「過渡期」にあります。次々と提示される新しい用語やスケジ
ュールに、どうか慌てないでください。皆様が今日、目の前の患者様に尽くされている日
常診療こそが、地域にとって最も価値のあるものです。
私たちは、皆様が安心してバトンを繋いでいけるよう、現場のリアリティを国や業界に
届け続け、実装のハードルを一つひとつ取り除く努力を続けます。どうか、これからも自
信を持って、日々の診療を継続してください。
共に、持続可能な未来を創っていきましょう。

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