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参考資料1 有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会とりまとめ (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_65728.html
出典情報 社会保障審議会 介護保険部会(第128回 11/10)《厚生労働省》
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有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会
とりまとめ
Ⅰ.はじめに(基本的な考え方)


団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、高齢者が要介護状態等となっても住み慣
れた地域で自分らしい暮らしを最期まで続けることができるよう、医療・介護、介護予防・生
活支援、住まいが包括的に確保される「地域包括ケアシステム」の構築が目指されてきた。



地域においてそれぞれの生活のニーズにあった住まいが提供され、かつ、その中で生活支援サ
ービスを利用しながら個人の尊厳が確保された生活が実現されることが、保健、医療、介護等
のサービスが提供される前提となる。住まいをいかに確保するかは、老齢期を含む生活の維持
の観点に加え、地域共生社会の実現や深化という観点からも重要な課題である1。



そうした中、我が国では、いわゆる氷河期世代が高齢期に達するとともに、単身高齢者や住ま
いの問題を抱える高齢者がますます増加することが見込まれる2。



また、持家としての住宅や賃貸住宅に加えて、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅
等の高齢者住まいは、多様な介護ニーズの受け皿として、介護サービスの提供の場となってお
り、「終の棲家」としての役割も増している。介護保険制度上の特定施設の指定を受けた「介護
付き」有料老人ホームのみならず、「住宅型」有料老人ホームにおいても、自法人又は関係法人
が運営する介護サービス事業所等と事実上一体となって、介護度の高い高齢者や医療的ケアの
必要な高齢者等を受け入れる事業も展開している。



高齢者の終の住処ともなる有料老人ホームは、判断能力や心身の機能の低下という不安を抱え
る高齢者の安心・安全な住まいとして、高齢者が尊厳を保ちながら自立した暮らしを継続でき、
その人らしい人生を全うできるようなハードとソフトを兼ね備えていることが基本となる。有
料老人ホームのような形態のサービスは、各地域において介護施設との役割分担の下、健全に
発展していくことが期待される。



こうした中、一部の「住宅型」有料老人ホームにおける入居者に対する過剰な介護サービスの
提供(いわゆる「囲い込み」)の問題が長年にわたり指摘されており、「全世代型社会保障構築
を目指す改革の道筋(改革工程)」(令和5年12月22日閣議決定)において「事業実態を把
握した上で、より実効的な点検を徹底するとともに、サービス提供の適正化に向けた更なる方
策を検討し、必要な対応を行う」こととされた。



さらに、有料老人ホームの入居者の安全等が脅かされる事案として、令和6年秋頃に、全国4
ヶ所に所在する「住宅型」有料老人ホームにおいて、給料の未払いにより職員が一斉退職した
ことで、入居者へのサービス提供が行われず、入居者全員が短期間に施設からの転居を余儀な
くされた事案が発生した。また、同年秋頃には高齢者住まいの入居者紹介事業者に対する高額

1

介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針(令和 6 年厚生労働省告示第 18 号)

2

年代別持ち家率の推移を見ると、近年、74 歳以下で減少傾向となっている(令和7年版高齢社会白書)

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