よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


05資料2-1森野委員提出資料(RSウイルス母子免疫ワクチンと抗体製剤ファクトシート) (41 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

推奨国では共通して、ニルセビマブ(商品名:ベイフォータス®)がパリビズマブ(商品名:シナジス®)
よりも優先的に推奨されている。米国においては、ニルセビマブと同等に、クレスロビマブ(商品名:エ
ンフロンシア®)の使用を推奨している。 なお、現時点でニルセビマブ、パリビズマブおよびクレスロビ
マブ は、WHO 事前承認は取得していない 159。
生後最初の RSV 感染流行期(1 シーズン目)において、全ての乳児(12 か月未満)への投与を推奨す
るのはフランス・ドイツである。米国・カナダ・豪州は 8 か月未満の全ての乳児を、英国は在胎 32 週未
満の極早産児および超早産児と ハイリスク乳児を対象としている。英国で対象となるハイリスク乳児は、
慢性肺疾患・気管支肺異形成、先天性心疾患 がある在胎期間 34 週以下の早産児である。これらのハイ
リスク乳児において 、流行期の月齢でも対象が細分化される。また、正産児でも、先天性横隔膜ヘルニ
アによる肺低形成、血行動態異常のある先天性肺異常、間質性肺疾患、長期人工呼吸を受けている場合な
どは投与対象になる。
米国・カナダ・フランス・豪州では、母親が RSVpreF を接種して 14 日目以降に生まれた健康乳児に
関しては、投与対象から除外している。妊婦へのワクチン接種を推奨してないカナダ・ドイツも、母体接
種後 14 日以降に生まれている場合、健康乳児には投与は不要であるという立場である。英国はハイリス
ク乳児のみを対象としているため、母体接種による対象除外はない。また、韓国では現時点で組換え RS
ウイルスワクチンが薬事承認されていない。
生後 2 回目の RSV 感染流行期(2 シーズン目)では、各国ともハイリスク児への使用を推奨している。
対象月齢は、米国と豪州では 8 か月以上 19 か月未満、カナダ・フランス・ドイツでは 24 か月未満とさ
れている。各国のハイリスク児の定義は類似しており、気管支肺異形成・慢性肺疾患のある早産児、重度
の先天性心疾患・免疫不全・神経筋疾患などが、主に挙げられている。英国では、重症性複合免疫不全症
(SCID)の 24 か月未満の幼児のみが推奨対象となる。米国において、8 か月以上 19 か月未満のハイリ
スク児に対しては、ニルセビマブの使用が推奨され、クレスロビマブは推奨されていない。
韓国では 2024 年 4 月にニルセビマブが薬事承認されたが、現時点では他国のような推奨はない。な
お、同国でのパリビズマブの保険償還は、在胎 32 週以下で出生した 6 か月以下の乳児、および気管支肺
異形成や血行動態異常のある先天性心疾患を持つ 24 か月未満の幼児が適応となる。
表 7. 諸外国における乳幼児への RSV 抗体製剤使用の推奨
国名
米国
カナダ
英国

1 シーズン目

推奨投与期間

参考

対象児

対象除外

対象児

(流行期)

文献

8 か月未満の全

母体接種後の

8~19 か 月 の

10 月~3 月

147,160

ての乳児

健康乳児

ハイリスク児

8 か月未満の全

母体接種後の

24 か月未満の

11 月~4 月

148,149

ての乳児

健康乳児

ハイリスク児

12 か月未満のハ

なし

24 か月未満の

10 月~3 月

161,162

9 月~1 月

154,163

イリスク児
フランス

2 シーズン目

SCID 児

12 か月未満の全

母体接種後の

24 か月未満の

ての乳児

健康乳児

ハイリスク児

41