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05資料2-1森野委員提出資料(RSウイルス母子免疫ワクチンと抗体製剤ファクトシート) (30 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》
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表 4. MATISSE 試験における早産発生率 97
対象集団

早産発生率

リスク比

95%信頼区間

(RR)

(95%CI)

ワクチン群〔%〕

プラセボ群〔%〕

5.7

4.7

1.20

0.98-1.46

在胎 24~28 週未満

6.8

6.6

1.03

0.73-1.46

在胎 28~32 週未満

6.8

4.8

1.43

1.02-2.02

在胎 32 週以上

4.3

3.7

1.16

0.83-1.63

高所得国

5.0

5.0

1.00

0.79-1.28

非高所得国

7.0

4.0

1.73

1.22-2.47

上位中所得国

7.5

4.2

1.80

1.25-2.60

下位中所得国

2.6

5.1

0.51

0.05-5.43

低所得国

3.1

2.1

1.48

0.25-8.69

全体集団
接種時期別

所得別

米国では、2023 年から接種が開始され Vaccine Adverse Event Reporting System(VAERS)や VSD を
用いて安全性監視が実施されている。2024 年 10 月の米国 CDC の予防接種諮問委員会(Advisory
Committee on Immunization Practices; ACIP)において VSD の解析結果が議論され、ワクチン接種と早
産リスクの上昇との間に関連性は認められないとされた(RR: 0.90、[95%CI: 0.80, 1.00])99。
VAERS のデータを用いた研究として、2023 年9月~2024 年2月に報告された事例のうち妊娠に関す
る有害事象 547 件の解析が報告されている 102。77 件がアブリスボ®の接種と関連があるとされ、副反応
と疑われる事例 211 件のうち早産が 27 件で 12.8%を占めた。また、不均衡分析でシグナル(Information
Component: 2.18、[95% CI: 1.54, 2.63])が検知されたことから、著者らは前向きコホート研究などの積
極的な監視による評価が必要であると述べている。
米国において 2023 年9月~2024 年1月に、妊娠 32 週以降に単胎妊娠で出産した妊婦 2,973 例を対象
にした後ろ向きコホート研究について報告されている 103。1,026 例がワクチンを投与され、早産の発生率
はワクチン接種群: 5.9%、非接種群: 6.7%であった。調整オッズ比 0.87[95%CI: 0.62, 1.20]、ハザード比
0.93[95%CI: 0.64, 1.34]であり、ワクチン接種と早産リスク上昇との間に関連性は認められなかった。
(イ)妊娠高血圧症候群
MATISSE 試験において、妊娠高血圧症の発症はワクチン群: 1.1%、プラセボ群: 1.0%、妊娠高血圧腎
症の発症はワクチン群: 1.8%、プラセボ: 1.4%と有意差は認めなかったものの、いずれもワクチン群でわ
ずかに多かった 68,81。日本人集団においても同様の傾向で、妊娠高血圧症の発症はワクチン群: 1.3%、プ
ラセボ群: 0.4%であった 79。
米国における妊娠 32 週以降に単胎妊娠で出産した妊婦 2,973 例を対象にした後ろ向きコホート研究に
ついて報告されている 103。妊娠高血圧症候群の発症については、ハザード比: 1.43[95%CI: 1.16, 1.77]と
リスク増加を認めたものの、層別解析においては、加入している保険の種類や病院の立地に基づいて差異
を認めており、さらなる解析が必要であるとしている。
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