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05資料2-1森野委員提出資料(RSウイルス母子免疫ワクチンと抗体製剤ファクトシート) (40 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》
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(6)諸外国の導入状況


妊婦に対する RS ウイルス母子免疫ワクチンの推奨
欧米および近隣諸国における妊婦に対する RSV 母子免疫ワクチン(一般名:組換え RS ウイルスワク

チン、販売名:アブリスボ®)の推奨状況を表 6 に示しめす。WHO の SAGE は妊娠第3三半期(28 週
以降)での単回接種を推奨しており、2025 年 3 月にアブリスボ®が WHO 事前承認を取得した 61,141,142。
表 6 に示す通り、米国・英国・フランス・豪州では接種を推奨している一方、カナダ・ドイツでは推奨
がなく、韓国では製造販売承認されていない。接種が推奨される妊娠数週は、英国と豪州が 28 週以降で
あるが、米国とフランスは 32 週以降としている。FDA は早産リスクの可能性も鑑みて、妊娠 32 週~36
週の期間で薬事承認している 81。フランスは、EMA の承認した妊娠 24 週~36 週の期間が適応されるも、
早産リスクの可能性と早産児に対する有効性データが限定的である点を考慮して、妊娠 32 週~36 週で
の接種を推奨している 143。出産前における母体由来抗体の胎盤移行期間も考慮して、英国以外の国が 36
週までの接種を推奨している。
各国とも RSV 感染流行期の前および流行期中の接種を推奨しており、北半球では概ね 9 月頃から、南
半球の豪州では 4 月頃から流行期が始まるとされる。英国と豪州が通年接種としており、他国でも本土
ではない地域(米国におけるハワイ州など)では推奨接種期間の調整が認められている。2 回目以降の妊
娠における再接種に関しては、明示的に推奨しているのは英国のみである。一方、米国は再接種を推奨し
ておらず、第二子以降については RSV 抗体製剤の使用を推奨している。フランス・豪州は、データが不
十分であるとして、今後の検討課題としている。
カナダ保健省は薬事承認しており、ドイツ国内でも EMA の薬事承認は適応されている 144,145。しかし
両国とも、妊婦への組換え RS ウイルスワクチン 接種に関するデータが不十分であるという立場から推
奨しておらず、乳幼児への抗体製剤の使用を推奨している。韓国においては、現時点ではアブリスボ®は
薬事承認されていない。
表 6. 諸外国における妊婦への RSV 母子免疫ワクチン接種の推奨状況
国名

接種推奨される

推奨接種期間

妊娠毎の再

薬事承認され

参考

妊娠週数

(流行期)

接種推奨

た妊娠週数

文献

米国

32 週~36 週

9 月~1 月

なし

32 週~36 週

146,147

カナダ

推奨なし

32 週~36 週

148,149

英国

28 週以降

通年

あり

28 週~36 週

150-152

フランス

32 週~36 週

9 月~1 月

検討中

24 週~36 週

153,154

ドイツ

推奨なし

24 週~36 週

155,156

豪州

28 週以降

24 週~36 週

157

薬事未承認

158

通年

検討中

韓国


乳幼児への RS ウイルス抗体製剤使用の推奨
WHO の SAGE は、母親の RSV 母子免疫ワクチン(組換え RS ウイルスワクチン)接種、または乳児

への長期作用型 RSV 抗体製剤(ニルセビマブ)の使用を同等に推奨している 61。表 7 は、米国・カナダ・
英国・フランス・ドイツ・豪州・韓国における乳幼児への RSV 抗体製剤使用の推奨状況を示している。
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