よむ、つかう、まなぶ。
05資料2-1森野委員提出資料(RSウイルス母子免疫ワクチンと抗体製剤ファクトシート) (25 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
生後初回と 2 回目の RS ウイルス感染流行期においてニルセビマブとパリビズマブの薬物動態および RSV
中和抗体レベルが比較、評価された。生後初回の RSV 感染流行期の抗 RSVpre-F 抗体では、ニルセビマ
ブ群では 31 日で GMFR は 242[95%CI: 185, 316]と最も高く、その後生後初回の RSV 感染流行期を
通して低下するが 361 日目においてもベースラインの 7 倍を維持していた。一方、パリビズマブ群は、
31 日目の GMFR は 55[95%CI: 37, 81]であったが、反復投与により 151 日目にはニルセビマブ群(151
日目の GMFR:53[95%CI: 45, 64]
)を上回り、GMFR は 100[95%CI: 77, 129]となったが、361 日
目にはニルセビマブ群を下回った。生後初回の RSV 感染流行期の抗 RSVpost-F 抗体では、ニルセビマブ
群で低く、パリビズマブ群では pre-F 抗体同様の推移がみられた。生後 2 回目 RSV 感染流行期の投与で
は、生後初回と 2 回目の RSV 感染流行期における投与種類の組み合わせで、ニルセビマブ/ニルセビマ
ブ群、パリビズマブ/ニルセビマブ群、パリビズマブ/パリビズマブ群の 3 群での評価が行われた。抗
RSVpre-F 抗体については、生後 2 回目 RSV 感染症流行期においてもすべての群で初回と同様の推移が
みられた。抗 RSVpost-F 抗体では、ニルセビマブ/ニルセビマブ群、パリビズマブ/ニルセビマブ群で低
く、パリビズマブ/パリビズマブ群で高い値が示された。RSV に対する中和抗体レベルは、生後初回の RSV
感染流行期では、ニルセビマブ群は 31 日目で GMFR は 334[95%CI: 282, 395]とピークを示し、361
日目においてもベースライン比で 17 倍を維持していた。パリビズマブ群は反復投与で 151 日目において
GMFR は 11[95%CI: 9, 13]とピークを示したが、パリビズマブ群に比べ低い値であった。生後 2 回目
の RSV 感染流行期では、ニルセビマブ/ニルセビマブ群、パリビズマブ/ニルセビマブ群において、ベー
スライン後のすべての時点で初回シーズンと同等であり、パリビズマブ/パリビズマブ群に比べ高かった。
単回投与のニルセビマブで RSV シーズン全体にわたる予防が可能であることに加え、抗体の量、持続期
間ともにパリビズマブを上回る結果となった。研究の制限として、探索的解析のため統計的有意差は検定
されていない点、自然感染の影響を完全には除外できていない点、パリビズマブ群のサンプル数が少なか
った点が上げられていた 88。
2)有効性
(ア)在胎週数 29 週から 35 週未満 87 および 29 週以上の乳児 89 におけるニルセビマブの有効性
在胎週数 29 週から 35 週未満週で出生した 12 か月以下の健康な早産児を対象とした第 2b 相試験であ
る、プラセボ対象二重盲検ランダム化試験(2016 年 11 月 3 日から 2017 年 12 月 1 日の間に 1,453 名が
ランダム化の対象となった)では、ニルセビマブ(またはプラセボ)投与後 150 日までの医療処置が必
要な RSV による下気道感染は、ニルセビマブ群の 25 名(2.6%)、プラセボ群の 46 名(9.5%)で発生し、
ニルセビマブ群の方が発生率は 70.1%低く[95%CI: 52.3, 81.2]
(p 値<0.001)
、RSV 関連下気道感染症
による入院は、ニルセビマブ群の 8 名(0.8%)、プラセボ群の 20 名(4.1%)で発生し、入院の発生率は
ニルセビマブ群の方が 78.4%低い[95%CI: 51.9, 90.3]
(p 値<0.001)ことが示された。投与後 150 日間
において、ニルセビマブ群はプラセボ群よりも、医療処置が必要な RSV 関連下気道感染症のリスクが低
かった(ハザード比 0.26、[95%CI: 0.16, 0.43])
。また、RSV 関連下気道感染症による入院においてもニ
ルセビマブ群でのリスクが低かった(ハザード比 0.19、[95%CI: 0.08, 0.44])87。
在胎週数 29 週以上で出生した生後 12 か月以下の健康な乳児を対象とした第 3b 相臨床試験である、非
介入群対象の非盲検 2 群ランダム化試験(RSV 感染症のシーズン前またはシーズン中に生まれた乳児
8,058 人をランダム化の対象とした)では、RSV 関連下気道感染症による入院は、ニルセビマブ群では 11
名(0.3%)
、非介入群では 60 名(1.5%)に発生し、2022 年~2023 年の RSV 感染症シーズンにおける
25
中和抗体レベルが比較、評価された。生後初回の RSV 感染流行期の抗 RSVpre-F 抗体では、ニルセビマ
ブ群では 31 日で GMFR は 242[95%CI: 185, 316]と最も高く、その後生後初回の RSV 感染流行期を
通して低下するが 361 日目においてもベースラインの 7 倍を維持していた。一方、パリビズマブ群は、
31 日目の GMFR は 55[95%CI: 37, 81]であったが、反復投与により 151 日目にはニルセビマブ群(151
日目の GMFR:53[95%CI: 45, 64]
)を上回り、GMFR は 100[95%CI: 77, 129]となったが、361 日
目にはニルセビマブ群を下回った。生後初回の RSV 感染流行期の抗 RSVpost-F 抗体では、ニルセビマブ
群で低く、パリビズマブ群では pre-F 抗体同様の推移がみられた。生後 2 回目 RSV 感染流行期の投与で
は、生後初回と 2 回目の RSV 感染流行期における投与種類の組み合わせで、ニルセビマブ/ニルセビマ
ブ群、パリビズマブ/ニルセビマブ群、パリビズマブ/パリビズマブ群の 3 群での評価が行われた。抗
RSVpre-F 抗体については、生後 2 回目 RSV 感染症流行期においてもすべての群で初回と同様の推移が
みられた。抗 RSVpost-F 抗体では、ニルセビマブ/ニルセビマブ群、パリビズマブ/ニルセビマブ群で低
く、パリビズマブ/パリビズマブ群で高い値が示された。RSV に対する中和抗体レベルは、生後初回の RSV
感染流行期では、ニルセビマブ群は 31 日目で GMFR は 334[95%CI: 282, 395]とピークを示し、361
日目においてもベースライン比で 17 倍を維持していた。パリビズマブ群は反復投与で 151 日目において
GMFR は 11[95%CI: 9, 13]とピークを示したが、パリビズマブ群に比べ低い値であった。生後 2 回目
の RSV 感染流行期では、ニルセビマブ/ニルセビマブ群、パリビズマブ/ニルセビマブ群において、ベー
スライン後のすべての時点で初回シーズンと同等であり、パリビズマブ/パリビズマブ群に比べ高かった。
単回投与のニルセビマブで RSV シーズン全体にわたる予防が可能であることに加え、抗体の量、持続期
間ともにパリビズマブを上回る結果となった。研究の制限として、探索的解析のため統計的有意差は検定
されていない点、自然感染の影響を完全には除外できていない点、パリビズマブ群のサンプル数が少なか
った点が上げられていた 88。
2)有効性
(ア)在胎週数 29 週から 35 週未満 87 および 29 週以上の乳児 89 におけるニルセビマブの有効性
在胎週数 29 週から 35 週未満週で出生した 12 か月以下の健康な早産児を対象とした第 2b 相試験であ
る、プラセボ対象二重盲検ランダム化試験(2016 年 11 月 3 日から 2017 年 12 月 1 日の間に 1,453 名が
ランダム化の対象となった)では、ニルセビマブ(またはプラセボ)投与後 150 日までの医療処置が必
要な RSV による下気道感染は、ニルセビマブ群の 25 名(2.6%)、プラセボ群の 46 名(9.5%)で発生し、
ニルセビマブ群の方が発生率は 70.1%低く[95%CI: 52.3, 81.2]
(p 値<0.001)
、RSV 関連下気道感染症
による入院は、ニルセビマブ群の 8 名(0.8%)、プラセボ群の 20 名(4.1%)で発生し、入院の発生率は
ニルセビマブ群の方が 78.4%低い[95%CI: 51.9, 90.3]
(p 値<0.001)ことが示された。投与後 150 日間
において、ニルセビマブ群はプラセボ群よりも、医療処置が必要な RSV 関連下気道感染症のリスクが低
かった(ハザード比 0.26、[95%CI: 0.16, 0.43])
。また、RSV 関連下気道感染症による入院においてもニ
ルセビマブ群でのリスクが低かった(ハザード比 0.19、[95%CI: 0.08, 0.44])87。
在胎週数 29 週以上で出生した生後 12 か月以下の健康な乳児を対象とした第 3b 相臨床試験である、非
介入群対象の非盲検 2 群ランダム化試験(RSV 感染症のシーズン前またはシーズン中に生まれた乳児
8,058 人をランダム化の対象とした)では、RSV 関連下気道感染症による入院は、ニルセビマブ群では 11
名(0.3%)
、非介入群では 60 名(1.5%)に発生し、2022 年~2023 年の RSV 感染症シーズンにおける
25