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05資料2-1森野委員提出資料(RSウイルス母子免疫ワクチンと抗体製剤ファクトシート) (33 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》
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場合と比較して、副反応の発生頻度に差は見られなかった 120。
(エ)免疫不全状態の児に対する安全性
8 か国で実施された、2 歳以下の原発性免疫不全、移植歴、HIV 感染、ステロイドまたは免疫抑制剤治
療中の 100 例にニルセビマブを投与した第2相オープンラベル無比較試験において、安全性への懸念は
認められなかった。6%が接種に関連する副反応(発熱、腹痛、発疹、または発赤)を認めたが全て Grade1
または Grade2 であった。
35%が Grade3 以上の副反応を認めたが全て接種後 30 日以降に発症しており、
薬剤との関連は認められなかった 121。
3)リアルワールドデータ
オーストラリアで 2024 年の 4 月から 7 月の間に実施された市販後調査によると、ニルゼビマブ接種後
の積極的調査に回答した 1,197 名のうち、277 名(23.2%)が接種後 3 日間に何らかの副反応を報告し
た。最も多かった症状は倦怠感 (14.4%)、局所反応 (11.7%)、発熱 (10.6%) 、及び吐き気、嘔吐を含む
胃腸症状 (9.4%)で、発赤の出現頻度は低かった 122。277 名中 230 名は他のルーチンワクチンを同時接種
しており、他のワクチン接種に伴う副反応の出現頻度と比べて、ニルゼビマブ単独投与での副反応は少な
いと考えられた 122。同調査において、治療・入院を要するような重篤な副反応は認めなかった 122。また、
スペイン、ガルシア地方における全乳児に対するニルゼビマブ投与後のリアルワールドデータでは、ニル
ゼビマブの安全性に対する懸念は報告されていない 94。ニルセビマブを2シーズンにわたって投与した
例や、母体ワクチン接種後にニルセビマブ投与した例についての安全性に関する報告は現時点では存在
しない。
(5)医療経済学的な観点
妊婦に対する RSVpreF ワクチン(アブリスボ)または乳児に対する抗体製剤(ニルセビマブ)を対象とし、
質調整生存年(QALY)を効果指標とした費用対効果を検討した研究についてレビューを実施した。
2025 年 5 月 1 日の時点で、PubMed を用いて、
「RSV cost QALY」で検索したところ、83 件の文献が
抽出された。このうち、妊婦に対するアブリスボあるいは乳児に対するニルセビマブを対象とし、QALY
を効果指標とした費用対効果を分析している研究は 18 件であった。
アブリスボを対象とした研究が6件、ニルセビマブを対象とした研究が6件、アブリスボとニルセビマ
ブの両方を対象とした研究は3件、アブリスボ以外の妊婦ワクチンとニルセビマブを対象とした研究が
3件であった。
研究の対象国は米国(3件)、カナダ(3件)、英国(2件)、日本(2件)、中国、ノルウェー、コロンビア、
スペイン、アルゼンチン、メキシコ、オーストラリアが各1件、欧州6か国を同時に評価した研究が1件
あった。
分析の立場は、社会の立場が3件、医療制度の立場等の支払い者の立場が8件、両方の立場が検討され
ているものが7件であった。
18 件中 7 件は製造業者による資金提供を受けており、その他にも3件で利益相反(COI)が存在するこ
とが記載されていた。
アブリスボを対象とした6件の研究では、1件でドミナント、1件で費用対効果良好との結果であり、
残り4件では閾値分析が実施され費用対効果良好となる価格の上限が示されていた。
ニルセビマブを対象とした6件の研究では、2件で費用対効果良好との結果であり、残り4件では閾値
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