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05資料2-1森野委員提出資料(RSウイルス母子免疫ワクチンと抗体製剤ファクトシート) (26 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》
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RSV 関連下気道感染症による入院に対する有効性は 83.2%[95%CI: 67.8, 92.0]
(p 値<0.001)で統計的
に有意な有効性が示された。酸素飽和度が 90%未満となり酸素需要のあった非常に重症な RSV 関連下気
道感染症による入院に対する有効性は、75.7%[95% CI: 32.8, 92.9](p 値=0.004)であった 89。
(イ)在胎週数 35 週以上の乳児におけるニルセビマブの有効性
健康な後期早産児及び正期産児を対象とした第 3 相臨床試験であるプラセボ対象ランダム化二重盲検
群間比較試験(北半球で 2019 年~2020 年の RSV 感染症シーズンを通して追跡され、南半球では 2020
年シーズンを通じて追跡され合計 1,490 人をランダム化の対象とした)では、ニルセビマブ(またはプラ
セボ)
投与後 150 日までの受診を要した RSV による下気道感染は、
ニルセビマブ群では 12/994 名
(1.2%)、
プラセボ群では 25/496 名(5.0%)で発生し、RSV による下気道感染症に対する有効性は 74.5% [95%
CI: 49.6, 87.1]
(p 値<0.001)となり、統計的に有意な有効性が示された。RSV による入院は、ニルセビ
マブ群では 6/994 名(0.6%)
、プラセボ群では 8/496 名(1.6%)に発生し、RSV による入院に対する有
効性は 62.1% [95% CI: -8.6, 86.8]
(p 値=0.07)となり、統計的な有意差は示されなかった 73。
(ウ)180 日目までの有効性
既報の臨床試験では主に 150 日目までの有効性が評価されてきたが、HARMONIE (hospitalisation for
respiratory syncytial virus lower respiratory tract infections in infants)研究において新たに 180 日目までの
有効性も評価された 90。
在胎週数 29 週以上で出生した生後 12 か月以下の健康な乳児を対象とした第 3b 相臨床試験である、非
介入群対象の非盲検 2 群ランダム化試験(3 か国、235 施設において 8,057 人をランダム化対象)では、
ニルセビマブ接種後 180 日までの RSV 関連下気道感染症による入院は、12/4,038 名(0.3%)、非介入群
で 68/4,019 名 (1.7%)で発生し、RSV 関連下気道感染症による入院に対する有効性は、82.7%[95% CI:
67.8, 91.5](p 値<0·0001)であった。ランダム化時の月齢による解析では、月齢 3.0 か月以下群、月齢 3.0
か月を超えて 6.0 か月以下群、月齢 6.0 か月を超える群において、RSV 関連下気道感染症による入院に
対する有効性はそれぞれ 90.30% [95%CI: 75.82, 96.98]、60.69% [95%CI: –36.27, 91.00]、62.83%
[95%CI: –54.88, 93.65]であった。酸素飽和度が 90%未満となり酸素需要のあった非常に重症な RSV 関
連下気道感染症による入院に対する有効性は 75.3% [95%CI: 38.1, 91.8](p 値=0·0013)であった 90。
(エ)ニルセビマブ逃避株について
モノクローナル抗体の効果は標的となる F タンパク質結合部位が変異せず保存されていることが重要
だが、RNA ウイルスである RSV は理論上変異が起こり得る 91。
ニルセビマブ存在下で、RSV A 型と B 型の変異株を作成した in vitro 研究では、増殖力のある抗体耐
性変異株が確認され、抗体結合親和性の低下によるニルセビマブ中和能の低下が示された 92。RSV 下気
道感染症における入院および呼吸器疾患を含む RSV 感染症が確認された乳児を対象として行われた第 2b
相試験及び MELODY 試験参加者から分離された RSV を次世代シーケンシングで解析を行った研究で
は、RSV A 型分離株の F タンパク質には耐性に関与する変異は認められず、RSV B 型において参加者 2
名から F タンパク質での耐性置換が認められた。分離株の大半はニルセビマブで中和可能であること、F
タンパク質配列の 99%がニルセビマブ感受性を維持していることが示された 93。リアルワールドデータ
による変異株の出現状況は、3 施設から得られた RSV A 型及び B 型合計 5,675 株に対する in vitro での
解析において、ニルセビマブ結合に関わるサイトφの保存性は RSV A 型では 98.8%、B 型では 88.0%と
高度に保存されていることが確認され、一部の変異では中和能の低下が認められたが現時点では一部に
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