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05資料2-1森野委員提出資料(RSウイルス母子免疫ワクチンと抗体製剤ファクトシート) (17 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》
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かったと報告された 55。2 歳未満の医療機関受診率は 1,000 人年あたり 85.2[95% CI: 83.8, 86.7]と推定
された。同入院率は 1,000 人年あたり 23.2[95%CI: 22.5, 24.0]であり、さらに生後 6 か月未満の乳児に
限定すると、35.4(95%CI: 33.9~37.0)に上昇した。入院した症例のうち、0.1%が集中治療室に入院し、
7%が何らかの人工換気を必要とした。人工換気療法を必要とした症例のうち、約半数が生後 6 か月未満
であった 55。RSV 感染症は細気管支炎、市中肺炎を含む肺炎、急性中耳炎、無呼吸、無熱性けいれん、発
熱性てんかん重積状態、脳症、気管支喘息、および急性心筋炎と関連していると報告された 7。また、重
症 RSV 感染症に関連するリスク因子として、1歳未満の乳児であることや、複雑な合併症の存在が挙げ
られている 58。
3)国内の死亡
国内の全国的な死亡率は他高所得国と同様の水準にある 50。2011 年~2022 年の電子健康記録データベ
ースを用いた解析において、90,413 人の RSV 症例のうち院内死亡は 31 例(<0.1%)であった 54。人口動
態統計に基づく 2018 年~2023 年の RSV 関連死亡数は、2018 年に 10 人、2019 年に 11 人、2020 年に 1
人、2021 年に 6 人、2022 年に8人、2023 年に 29 人であった 59,60。
2.予防接種の目的と導入により期待される効果、安全性
(1)予防接種・抗体製剤の目的
WHO は、2024 年 9 月の予防接種に関する戦略的アドバイザリーグループ(SAGE)の定例会議におい
て、小児における RSV 感染症の予防戦略について討議し、世界的な RSV 感染症の疾病負荷の大きさを
考慮して、全ての国に対して RSV 感染症の重症化予防のための製剤の導入が推奨されるとした 61。また、
各国における価格、費用対効果、需給体制、予想される接種状況、各国の医療提供体制における実施の容
易さなどを考慮して、母体へのワクチン投与を行うか、児に長期作動型の抗体製剤を使用するかを決定す
るべきとのポジションペーパーを 2025 年 5 月に発行した 62
2025 年 4 月現在、日本で使用されている母子免疫ワクチンである RSV preF (アブリスボ®)の効能・
効果(承認事項)は、妊婦への能動免疫による新生児及び乳児における RSV を原因とする下気道疾患
(LRTD)の予防である。
抗体製剤であるパリビズマブ(シナジス®)の効能・効果(承認事項)は、高リスクの新生児、乳児お
よび幼児における RSV 感染による重篤な LRTD の発症抑制である。ここで高リスクの児とは、RSV 感
染流行初期において以下のような状態の者を指す。
① 在胎期間 28 週以下の早産で、12 か月齢以下の児
② 在胎期間 29 週~35 週の早産で、6 か月齢以下の児
③ 過去 6 か月以内に気管支肺異形成症(BPD)の治療を受けた 24 か月齢以下の児
④ 24 か月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)の児
⑤ 24 か月齢以下の免疫不全を伴う児
⑥ 24 か月齢以下のダウン症候群の児
⑦ 24 か月齢以下の肺低形成を伴う児
⑧ 24 か月齢以下の気道狭窄を伴う児
⑨ 24 か月齢以下の先天性食道閉鎖症の児
⑩ 24 か月齢以下の先天代謝異常症の児
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