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05資料2-1森野委員提出資料(RSウイルス母子免疫ワクチンと抗体製剤ファクトシート) (20 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》
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µg/mL)の力価よりも高い 50%中和抗体価が誘導された。また、接種後 12 か月の RSV A、RSV B に対
する抗体価を接種前値と比較した幾何平均上昇倍率(Geometric mean fold rise; GMFR)は組換え RS ウ
イルスワクチン 120 µg 群(アジュバントなし)ではそれぞれ 5.2、5.1 であった。
第 2b 相試験 75 は妊娠 24 週~36 週にある 18 歳~49 歳の合併症のない単胎妊娠の妊婦
(5 群計 406 人)
を対象に、組換え RS ウイルスワクチン 120 µg または 240 µg の 2 つの用量のそれぞれ水酸化アルミニ
ウム含有/非含有の実薬群 4 群とプラセボ群から成る無作為化比較試験として実施された。免疫原性評
価対象(妊婦 379 人、出生児 372 人)において、プラセボ群に対する各ワクチン群の母体血清中の RSV
A および RSV B に対する 50%中和抗体価の幾何平均比(Geometric mean ratio; GMR)は各々11.0~15.1、
13.7~17.5、同様に出生児における GMR はそれぞれ 9.7~11.7、13.6~16.8 と、ワクチン群で高い中和
抗体価が示された。また、審査報告書に掲載された同臨床試験の乳児参加者における中和抗体価は、生後
6 か月時点までワクチン群がプラセボ群を上回っていた 77。接種時の母体妊娠週数別では 24 週以上 27 週
未満、27 週以上 30 週未満、30 週以上 33 週未満、33 週以上 36 週未満のいずれも中和抗体幾何平均抗体
価(Geometric mean titer; GMT)と胎盤移行性は同様であった。なお、幾何平均胎盤移行率(母体-新生
児比)は、組換え RS ウイルスワクチン 120 µg・水酸化アルミニウム非含有の実薬群において、RSV A
および RSV B それぞれに 2.10[95%CI: 1.78, 2.49]
、2.10[95%CI: 1.75, 2.53]で、水酸化アルミニウム
アジュバント添加の上乗せ効果は認められなかった 75。
第 3 相試験は日本を含む 18 か国において国際共同多施設無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験
(Maternal Immunization Study for Safety and Efficacy; MATISSE 試験)として実施された。妊娠 24 週
~36 週にある 18 歳~49 歳の合併症のない単胎妊娠の妊婦が対象で、最終報告 76 時点における参加妊婦
7,385 人の年齢中央値は 29 歳(範囲 14 歳~47 歳)
、接種時の妊娠週数中央値 31.3 週(範囲 24.0 週~
36.9 週)
、出生児 7,305 人の在胎週数は正期産(37 週~41 週)が 93.9%であった。本解析で在胎週数、
組換え RS ウイルスワクチン接種時の母体妊娠週数、接種から出産までの日数、国別、母体年齢に基づく
免疫原性のサブグループ解析がなされ、いずれのサブグループでもプラセボ群に比べ、ワクチン群で出生
児の GMT が大きく高い値であった。
そのうち接種から出産までの期間が 14 日未満群、14 日~29 日群では 30 日以上群に比較して出生児
GMT が低値であった(プラセボ群に対するワクチン群の GMR が順に 4.1、10.2、12.2)
。また、胎盤移
行率は、14 日未満群、14~29 日群では各々0.32、0.67 と 1 を下回る値であった。なお、接種から出産ま
での期間別の母体 GMFR は 14 日未満群、14~29 日群、30 日以上群で各々14.4、16.2、10.7 であった。
母体接種時の妊娠週数別では、24 週以上 28 週未満、28 週以上 32 週未満、32 週以上 36 週以下で母体
GMFR はそれぞれ 7.8、10.5、15.2 に対して、出生児 GMT は 3 群間で同等であった。
接種から出産までの期間と抗体の胎盤移行に関して、市販後の米国における前向きコホート研究があ
る(研究期間:2023 年 9 月~2024 年 3 月)。妊娠中に組換え RS ウイルスワクチンを接種した 124 人の
母体、臍帯血、ならびに出生児のうち 29 人の生後 2 か月時の RSV 抗体濃度が測定された。母体抗体レ
ベルは接種後 2~3 週で最も高くなり、母体-臍帯血移行率は出産の 5 週以上前の接種が最も胎盤移行率
が高かった。ただし、本結果は出産前 2 週間以上 5 週間未満での接種の効果が不十分であることを示唆
するものではないことが申し添えられている 78。

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