よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


05資料2-1森野委員提出資料(RSウイルス母子免疫ワクチンと抗体製剤ファクトシート) (23 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

1 月の RSV 流行期の乳児の RSV 下気道感染症による入院に対する母体(妊娠 28 週以降)組換え RS ウ
イルスワクチン接種の有効性は 57.7% [95%CI: 28.2, 75.1]で、特に母体接種から 14 日以上経過して出生
した児においては 72.4%[95%CI: 47.8, 85.4]であった。なお、本研究の RSV 感染症症例群(391 人)、
対照群(146 人)の月齢中央値(四分位範囲)はそれぞれ 1.63 か月(0.94~2.26)
、1.41 か月(0.77~2.03)

正期産児の割合は順に 89%、85%であった。
3)次回妊娠時の再接種に関する検討
妊娠中に組換え RS ウイルスワクチンの接種を受けたのち、以降の妊娠の際における組換え RS ウイル
スワクチンの追加接種に関するデータは現時点ではまだ十分にない 84。
参考となる知見として、健康成人を対象とした再接種の報告がなされている。第 1/2 相試験に参加し
組換え RS ウイルスワクチン 240 µg もしくはプラセボの接種を受けた 18 歳~49 歳および 65 歳~85 歳
の健康成人を対象に初回接種後 12 か月における抗体の持続性と再接種の安全性および免疫原性を評価し
た検討がなされた 85。対象者 263 人 (18 歳~49 歳 134 人、65 歳~85 歳 129 人) の RSV A、RSV B に対
する GMFR(初回接種前値比)は、初回組換え RS ウイルスワクチン接種 1 か月後 13.3~20.4 および 8.9
~15.5、12 か月後は 4.1~5.0 および 2.6~4.1 であった。一方、再接種 1 か月後の GMFR(再接種前値
比)は 1.4~2.3(18 歳~49 歳群)と、上昇は見られたものの再接種後のピーク GMT は初回接種後のピ
ーク値よりも低かった。ただし、初回接種と再接種からそれぞれ 12 か月後の GMT は同等で GMFR は
0.7~1.6 の範囲であった。
4)他のワクチンとの同時接種に関する検討
臨床試験において組換え RS ウイルスワクチンとの同時接種の免疫原性評価がなされた下記 2 種のワ
クチンについて記載する。
(ア)季節性不活化インフルエンザワクチン
非妊娠健康成人を対象とした季節性不活化インフルエンザワクチン(SIIV)との同時接種の評価におい
て水酸化アルミニウム非含有の組換え RS ウイルスワクチンを接種した各群における、SIIV 接種後 1 か
月時点での SIIV に含まれる各インフルエンザ株に対する抗体価は SIIV 単独接種時と比べて SIIV と同
時接種時に低い傾向が認められた。一方、組換え RS ウイルスワクチン対する免疫応答は SIIV 同時接種
の影響を受けなかった 77。
(イ)Tdap(海外で用いられている青年・成人用の沈降精製百日せき破傷風混合ワクチン)
第 2b 相臨床試験において、18~49 歳の非妊娠女性 713 人(米国)を対象に組換え RS ウイルスワクチ
ン(組換え RS ウイルスワクチン 120 µg 群と組換え RS ウイルスワクチン 240 µg+水酸化アルミニウム
群の 2 種の群)と Tdap の併用投与と各ワクチンの個別投与の比較が行われた。
この検討において、接種後 1 か月時点の組換え RS ウイルスワクチンワクチンに対する免疫応答は、単
独接種群に比較して併用群の非劣性(50%中和力価 GMR の両側 95%CI 下限値が主要基準 0.5、副次基
準 0.67 を上回る)が示された。また、破傷風トキソイド、およびジフテリアトキソイドに関しても併用
群の非劣性(免疫応答割合の差の両側 95%CI 下限が-10%を上回る)が示された。しかし、百日咳菌の 3
つの抗原(百日咳毒素(PT)
、繊維状赤血球凝集素(FHA)、パータクチン(PRN))に関しては群間の
GMR に基づく非劣性基準(GMR の両側 95%CI 下限値が 0.67 を上回る)が満たされなかった。ただし、
百日咳抗体価が低かった結果の臨床的意義は不明である 77,86。

23