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05資料2-1森野委員提出資料(RSウイルス母子免疫ワクチンと抗体製剤ファクトシート) (13 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》 |
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と報告数が急増し年末をピークに春まで流行が続いていたが、2016 年シーズン以降、報告数の増加が早
まり秋にピークを迎えた、と報告した 41。この他、近年の流行時期が以前の冬季から夏季に変化した可能
性の指摘や 42,43、
近接した年でも異なる流行パターンを認めた報告があり 44、流行期予測は容易ではない。
2018 年、2019 年の RSV 感染症の定点当たり報告数は、いずれも第 37 週にピークがみられたが(同週の
定点当たり報告数はそれぞれ 2.46 および 3.45)、2020 年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID19)のパンデミック以降は、それ以前とは違う発生動向が観察された(図1)40,45。2020 年は大きく報告
数が減少し、定点当たり報告数は第 5 週(0.35)が最も高く、その後は第 52 週(0.14)まで低いレベルを
保ち、明らかな流行はみられなかった。2021 年第 1 週の定点当たり報告数も 0.08 と低いレベルであった
が、その後漸増し、第 15 週には定点当たり報告数が 1.0 を超え、第 28 週にピーク(5.99)となった。ピー
ク後は減少に転じ、第 38 週に 0.76 となり 1.0 を下回った。2022 年は 19 週以降増加を続け、第 30 週に
ピーク(2.37)となり、第 32 週からは減少して第 37 週は 1.60 であった。2023 年は第 1 週から増加を続
け、第 27 週にピーク(3.39)となった。2024 年は第 1 週から増加を続けたが、明らかなピークを形成せず
に第 16 週(1.76)から、第 32 週(1.45)まで同じようなレベルで推移し、それ以降は減少した 40。医療現
場でのパリビズマブ予防投与の適切なタイミングを検討する観点からも、地域ごとの流行開始時期の評
価には意義があると指摘されてきた 46。2018 年の報告では、国内の流行は、南・西日本から東日本へと
流行が推移する傾向にあり、亜熱帯地域の沖縄県は他県と異なり夏期にピークを持つとされた 41 。2018
年~2024 年における都道府県別の週ごとの定点当たり報告数を図 2 に示す 40。流行レベルに差はあるが
2018 年~2019 年は沖縄県を除くと全国的にほぼ同じような流行が観察されていた。パンデミック後で
は、2021 年の福岡県、2022 年の山形県や和歌山県では全国とは異なる流行動態が観察され、2023 年で
は東日本と西日本でピークのタイミングの違いが観察された 40。一方、都道府県内でも異質な流行期を認
める報告はある 47。流行期の時空間的異質性は地域ごとシーズンごとの流行期評価を困難にする可能性
がある。
図 1 RSV 感染症の定点当たり報告数の推移、2018 年~2024 年 40
13
まり秋にピークを迎えた、と報告した 41。この他、近年の流行時期が以前の冬季から夏季に変化した可能
性の指摘や 42,43、
近接した年でも異なる流行パターンを認めた報告があり 44、流行期予測は容易ではない。
2018 年、2019 年の RSV 感染症の定点当たり報告数は、いずれも第 37 週にピークがみられたが(同週の
定点当たり報告数はそれぞれ 2.46 および 3.45)、2020 年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID19)のパンデミック以降は、それ以前とは違う発生動向が観察された(図1)40,45。2020 年は大きく報告
数が減少し、定点当たり報告数は第 5 週(0.35)が最も高く、その後は第 52 週(0.14)まで低いレベルを
保ち、明らかな流行はみられなかった。2021 年第 1 週の定点当たり報告数も 0.08 と低いレベルであった
が、その後漸増し、第 15 週には定点当たり報告数が 1.0 を超え、第 28 週にピーク(5.99)となった。ピー
ク後は減少に転じ、第 38 週に 0.76 となり 1.0 を下回った。2022 年は 19 週以降増加を続け、第 30 週に
ピーク(2.37)となり、第 32 週からは減少して第 37 週は 1.60 であった。2023 年は第 1 週から増加を続
け、第 27 週にピーク(3.39)となった。2024 年は第 1 週から増加を続けたが、明らかなピークを形成せず
に第 16 週(1.76)から、第 32 週(1.45)まで同じようなレベルで推移し、それ以降は減少した 40。医療現
場でのパリビズマブ予防投与の適切なタイミングを検討する観点からも、地域ごとの流行開始時期の評
価には意義があると指摘されてきた 46。2018 年の報告では、国内の流行は、南・西日本から東日本へと
流行が推移する傾向にあり、亜熱帯地域の沖縄県は他県と異なり夏期にピークを持つとされた 41 。2018
年~2024 年における都道府県別の週ごとの定点当たり報告数を図 2 に示す 40。流行レベルに差はあるが
2018 年~2019 年は沖縄県を除くと全国的にほぼ同じような流行が観察されていた。パンデミック後で
は、2021 年の福岡県、2022 年の山形県や和歌山県では全国とは異なる流行動態が観察され、2023 年で
は東日本と西日本でピークのタイミングの違いが観察された 40。一方、都道府県内でも異質な流行期を認
める報告はある 47。流行期の時空間的異質性は地域ごとシーズンごとの流行期評価を困難にする可能性
がある。
図 1 RSV 感染症の定点当たり報告数の推移、2018 年~2024 年 40
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