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公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00272.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織 入院・外来医療等の調査・評価分科会(令和7年度第3回 6/13)《厚生労働省》
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「高齢者に対する適切な医療提供の指針」


医療従事者が高齢患者に対して過小でも過剰でもない適切な医療提供を行うことを支援すること
を目的として、2013年に厚労科研班が中心となって指針が公表された。高齢者に対する医療の基
本的なあり方がまとめられている。

<多疾患の併存と個別性の高さ>



多疾患併存状態の患者が多く、全ての病態を把握した上で包括的な管理をめざすことが望ましい。
老化が機能面に及ぼす影響には個人差が大きい。

<QOLの維持・向上をめざしたケア>







予備力が乏しく、疾病を契機としてADLやQOLの低下を生じやすい。一度ADL低下を来すと完全な回復は困難。
疾病に罹患した場合は早期離床を図るとともに、機能回復のためのリハビリテーションを早期から行い、日常生活機能の保持を
図ることが重要。
老年症候群(※)の予防や治療のため、包括的なスクリーニングと評価に基づく対応が必要である。
※高齢者に頻繁にみられる、認知症、せん妄、うつ、虚弱、廃用症候群、低栄養、嚥下障害、転倒、尿失禁、便秘、褥瘡、脱水
などの諸症状。
完治をめざすことができない慢性疾患について、保健・医療・福祉の一体的な取組によって療養環境の整備、メンタルケア、ヘ
ルスケア、緩和ケア等を行い、QOLを低下させる症状の緩和をめざす必要がある。

<生活の場の重視><意思決定支援>




患者本人が生活の場として快適に過ごせる場所で長く過ごせるよう、医療が必要となった場合もどのような場で行うかやその優
先順位について、患者本人の意思・価値観を最も重視した意思決定支援を行い、家族、介護者等と情報交換し、支援をする必要
がある。
療養の場が変わることによるリロケーションダメージを減じるため、予防や連携が必要。

<薬物療法の工夫>



薬物療法による有害事象に注意して薬剤選択や用法用量の工夫をする必要がある。
若年者の疾病ガイドラインをそのまま適用することは必ずしも適切ではない場合がある。

<家族や介護者のケア>


介護者の心身の負担に配慮し、介護保険サービスを始めとする社会資源の導入について検討する必要がある。

<チーム医療と多職種共働>


チーム医療が必須であり、適切な導入が、医療の質・安全性の向上・医療スタッフの負担軽減に有効である。

高齢者に対する適切な医療提供の指針

厚生労働科学研究費補助金(長寿科学総合研究事業) 高齢者に対する適切な医療提供に関する研究(H22-長寿-指定-009)研究班, 2013より作成

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