よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


参考資料 持続可能な社会保障制度の構築(財政各論Ⅱ)(参考資料) (52 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20250423zaiseia.html
出典情報 財政制度等審議会 財政制度分科会(4/23)《財務省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

地域フォーミュラリに関する留意点
◆医師の処方権との関係について
◆医師にとってのメリットについて
地域フォーミュラリは、地域の関係者で共有される医薬品の優先使
「地域フォーミュラリの実施ガイドライン」 (日本フォーミュラリ学
用リストであり、医師が、個々の患者を診断した結果として、それと異 会)にあるとおり、地域フォーミュラリの導入は、「医師による恣意
なる医薬品を処方することが妨げられるものではない。
的な薬物治療、製薬企業に左右される商業的な薬物治療、
○ フォーミュラリでは疾患領域等に応じて使用される医薬品を示すことになるが、
患者の持参薬について在庫がないから変更して行う薬物治療な
これにより医薬品の使用(処方)が制限されるものではなく、医学・薬学
ど、非科学的で近代的な医療から脱却」できるため、特に患者
的な理由により必要と判断される場合には、これ以外の医薬品を使用する
にとってメリットが大きいものだが、医師にとっても、日々の患者の
ことは可能である。
診察業務の効率化・重点化に資するものであり、相当の負担軽
○ 患者に薬物療法を提供する際には、各疾患領域において学会等が策定す
減効果を有する取組である。
る診療ガイドラインを参照しつつ、フォーミュラリも適宜活用することで、それ
ぞれの患者に最適な薬物療法を提供することが可能となる。

(出所:「フォーミュラリの運用について」 (令和5年7月7日厚労省課長通知))

◆対象医薬品について
地域フォーミュラリの推進に当たり、少なくとも現時点では、慢性疾
患に対する治療薬を対象に優先して作成することが考えられる。
○ フォーミュラリの対象医薬品は、 後発医薬品 (バイオ後続品を含む。以下
同じ。)を有することも含め、 同種同効薬が多く存在する疾患領域の医薬
品であり、 具体的な薬効群としては、 アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬など
の降圧薬、α-グルコシダーゼ阻害薬などの糖尿病用薬、HMG CoA還元
酵素阻害剤などの高コレステロール血症治療薬といった生活習慣病治療薬、
抗ヒスタミン薬などの抗アレルギー薬といった医薬品が考えられる。
(出所:「フォーミュラリの運用について」 (令和5年7月7日厚労省課長通知))

○ 地域フォーミュラリに収載する対象医薬品は、現実的にわが国の地域医療を
担う中心的な存在である診療所医師や二~三百床程度くらいまでの中小
病院の医師が処方するプライマリ・ケア領域の医薬品が主となる。すなわち、
一次医療から二次医療で治療される領域の医薬品であり、日常的疾患
(Common Disease)に処方される医薬品である。これらの疾患の多く
は慢性疾患である。
(出所: 「地域フォーミュラリの実施ガイドライン」 (日本フォーミュラリ学会))

国際医療福祉大学大学院教授 武藤正樹 氏
○ フォーミュラリーとは「医師や薬剤師が標準薬物治療を行うための指針」
のことだ。実はフォーミュラリーがあると一番助かるのは医師だ。私も週
2回、国際医療福祉大学の本校のある栃木で一般外来を行っている。
外来をしていて困るのは同種同効薬がやたらと多いことだ。ARB、PPI、
スタチン、DPP4など、それぞれの薬効群の数ある同種同効薬のなかか
ら、どの薬を選んでよいのかわからない。それぞれ薬の特徴を見分けて
使い分けすることなど、自分の専門領域以外では、とても調べきれないし
覚えきれない。おそらく全ての医薬品に精通して、使い分けをしている
医師などいないだろう。ましてや患者の自己負担軽減のため薬価の違
いまで気にして処方している医師など皆無だろう。
○ フォーミュラリーはこうした忙しい現場の医師に代わって、専門の医師・薬
剤師からなるフォーミュラリー委員会が、医薬品のガイドラインの確認
や論文検索、相互作用の確認や経済効果などまで考慮して薬を選ん
でくれる。(略)
○ 本書を手に取っていただいて、全国の病院、地域でフォーミュラリー活動
が始まることを期待したい。
(出所:「フォーミュラリーマネジメント」 (薬事日報社(2019))への推薦のことば

(https://yakuji-shop.jp/SHOP/9784840814997.html)

51