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提案書03(0399頁~0598頁)医療技術評価・再評価提案書 (29 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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非侵襲的陽圧換気療法や気管切開下陽圧換気療法を行う症例は夜間、日中を含めて動脈血二酸化炭素分圧の上昇が認められる。エビデンスが集積
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 しているのは非侵襲的陽圧換気療法においてであるが、管理中に日中の動脈血二酸化炭素分圧を可能な限り正常範囲内まで低下させることで予後
後等のアウトカム
やQOLの改善につながることが国内外で多数報告されている(参考文献2)。
③再評価の根
拠・有効性

ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

在宅経皮的血ガス分圧測定の適応症例は、非侵襲的陽圧換気療法導入前後および気管切開下陽圧換気療法導入後の症例である。2017年時点で、約
12,000人において非侵襲的陽圧換気療法の管理が、そして約6,000人において気管切開下陽圧換気療法の管理が行われている(参考文献3)。非侵
襲的陽圧換気療法導入前の症例や新たに非侵襲的または気管切開下陽圧呼吸換気療法が導入される症例を追加して見直し後の症例数を20,000人と
した。また各症例において年1~2回測定を行うことを想定して見直し後の回数を30,000回とした。

見直し前の症例数(人)

0人(在宅での経皮的血ガス分圧測定は基本的にはされていないため)

見直し後の症例数(人)

20,000人

見直し前の回数(回)

0回

見直し後の回数(回)

30,000回

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

経皮的血ガス分圧測定に関しては、在宅という限定的な記載はないが、NPPV(非侵襲的陽
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
圧換気療法)ガイドライン(改訂第2版)に非侵襲的陽圧換気療法導入、管理に際して推奨
る。)
されるモニタリングとして記載されている(参考文献4)。

学会等における位置づけ:国内外のガイドラインで、非侵襲的陽圧換気療法を用いた呼吸管理を導入する場合(気管切開下陽圧換気療法は基本的
には非侵襲的陽圧換気療法に準じた形で行う)、経皮的血ガス分圧測定によるモニタリングが推奨されている(参考文献4、5)。難易度(専門性
等):経皮的血ガス分圧測定は、既に院内での臨床現場で使用されており、耳朶や皮膚にセンサーを装着するだけで測定が可能である。またセン
サーを装着する際に測定部位をアルコール綿で清拭するなどの操作が必要であるが、マニュアルもあり、医師、看護師、検査技師を含めて容易に
施行が可能である。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 なし
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 なし
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の NPPV(非侵襲的陽圧換気療法)ガイドライン(改訂第2版)(参考文献4)
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

経皮的血液ガス分圧測定機器は、測定を行う上で同着部位の血流を増加させる目的でセンサー部分が40℃程度まで上昇させるため、皮膚障害が生
じる可能性があるが、これまで報告はされていない(参考文献5)。そのためあっても非常に頻度はまれと考えられる。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

問題なし

⑧点数等見直し
の場合

見直し前

1入院につき2日を限度として算定され、点数は、1時間以内又は1時間につき100点または5時間を超えた場合(1日につき)630点である。

見直し後

3日を限度に算定され、点数は、1日につき1,000点である。

その根拠

睡眠状態は変動するため、算定できる日数を延長し、機器の消耗や消耗品の費用代が高価であるため点数を増点した。

区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)



番号
技術名

223-2
終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定

具体的な内容

経皮的血ガス分圧測定で同時に経皮的動脈血酸素飽和度も測定可能であるため、測定回数が減少することが予想される。
減(-)

プラスマイナス

⑩予想影響額

予想影響額(円)

約40,000,000円

その根拠

点数増点の根拠:本邦では現在二社の経皮的血液ガス分圧測定機器(TCM5とセンテックデジタルモニターシステム)が使用可能であるが、機器代
としてはTCM5の方が高額であるため、TCM5にて計算した。月15回、年間180回使用とした。本体と使用ソフト=2,946,000+198,000=3,144,000
円。機器の耐用年数は5年であり、1回にかかる機器の消耗費用3,490円となる。またセンサー1本が897,000円で、耐用年数は3年であるため、1回
あたりの消耗費用は1,660円となる。消耗品としてTCM5キャリブレーションガス1本6,800円で年間12本使用、電解液が1本21,000円で年間1本使
用、メンブレン1枚13,500円を2週間に1枚使用し年間324,000円、コンタクトジェル1本11,000円で年間2本使用、耳クリップ1個1,750円である。こ
れらを計算すると1回の消耗品代が4,120円となり、合計9,270円となる。以上から一回検査料を10,000円から1,000点とした。 医療費への影響:
入院で経皮的血液ガス分圧測定を行う場合は、様々なケースが想定されるが、安定している場合終夜ポリグラフ検査下で行うことが想定される。
終夜ポリグラフ検査の保険点数は約13,000点であり、想定される症例数の半分(10,000人)が、同検査を行うと仮定すると10,000×130,000=
130,000,000円要する。一方で経皮的血液ガス分圧測定を3日間継続して在宅で行った場合は、1年に2回行うと仮定すると1年間に30,000回行うこ
とになり、10,000×3×30,00=90,000,000円となる。そのため、保険点数の増点しても130,000,000円-90,000,000円=40,000,000円の医療費削
減となる。

備考



⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

なし

⑫その他

なし

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

日本呼吸器学会

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