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(2)「強い経済」を実現する総合経済対策~日本と日本人の底力で不安を希望に変える~(令和7年11月21日閣議決定) (7 ページ)

公開元URL https://www5.cao.go.jp/keizai1/keizaitaisaku/keizaitaisaku.html
出典情報 「強い経済」を実現する総合経済対策~日本と日本人の底力で不安を希望に変える~ (11/21)《内閣府》
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第1章

経済の現状認識・課題及び経済対策の基本的枠組み

1.経済の現状認識・課題及び目指すべき方向
我が国は、1990 年代以降、バブル崩壊後の不良債権問題を契機に、長期にわたりデ
フレと低成長に苦しんできた。さらに、世界的な金融危機や度重なる自然災害、新型
コロナウイルス感染症のまん延など、幾度となく困難に直面してきた。こうした中、
国民各層のたゆまぬ努力とともに、政府による累次にわたる各種の政策対応もあり、
我が国経済は今、「デフレ・コストカット型経済」から、その先にある新たな「成長
型経済」に移行する段階まで来た。まさに今、再びデフレに後戻りしない「成長型経
済」に移行できるかどうかの分岐点に立っている。
現在、足元の景気は緩やかな回復局面にあるものの、潜在成長力は伸び悩み、賃金
の伸びは物価上昇に追いつかず、食料品を中心とした物価高が家計の安心を揺るがし
て個人消費や民間需要の力強さを欠く状況が続いている。需給ギャップは0%近傍と
なったが、景気は十分に強くなく、地方や中小企業まで景気回復の実感はまだ広がっ
ていない。くわえて、米国関税措置に関する日米協議は合意に至ったものの、世界経
済の先行きには不透明感があり、国内においても、少子化や地方の衰退といった早急
に克服すべき構造的な課題がなお深刻である。また、我が国経済は依然として「デフ
レ・コストカット型経済」から脱し切れておらず、成長に向けた投資拡大と生産性向
上を伴う「成長型経済」への移行が道半ばにある。
こうした中、我が国が進むべき道は明らかである。日本には底力がある。そのスイ
ッチを押し、日本列島を強く、豊かにすることを目指す。そのためにこそ、いま必要
なのは、将来世代への責任を果たす「責任ある積極財政」である。大胆かつ戦略的な
「危機管理投資」と「成長投資」を進め、「暮らしの安全・安心」を確保するととも
に、雇用と所得を増やし、潜在成長率を引き上げ、「強い経済」を実現する必要があ
る。政府が先頭に立ち、官民が力を合わせて社会課題の解決に向けて投資を拡大し、
様々なリスクを最小化し、先端技術を開花させる。主要各国の経済政策の潮流は、市
場原理に過度に依存する新自由主義的発想から、経済・社会課題の解決を目的とする
官民連携を強化し、戦略的な国内投資の拡大を通じて国力の増大を目指す新たな時代
の政策へと大きく転換している。
我が国もこの潮流の変化を的確に捉え、「責任ある積極財政」の下で、「危機管理
投資」と「成長投資」を通じて、時代の要請に応える経済運営を力強く進めていく。
我が国の経済政策の目的は、財政規律そのものではなく、国民一人一人の暮らしを
豊かにすることにある。経済財政運営の手段と目的を取り違えることなく、これまで
の発想を躊躇なく見直し、経済成長の果実を広く国民に届け、景気の体感温度を確実
に高める。一部の大企業や特定の業界だけでなく、中小企業・小規模事業者、地方、
そしてあらゆる世代の国民に恩恵が行き渡る経済の実現を目指す。
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