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【参考資料2-2】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)医科・入院編 (49 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》 |
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抗微生物薬適正使用の手引き
第四版
医科・入院編
1
lugdunensis は対象から除外されており、対象症例全体のうちグラム陽性菌単一菌菌
2
血症の占める割合は 17%(625/3608 例)と、グラム陰性菌単一菌菌血症の 71%
3
(2562/3608 例)と比較し低かった 36。また、グラム陰性菌の中でもブドウ糖非発酵
4
菌 に お け る 検 討 は 乏 し く 、 特 に ア シ ネ ト バ ク タ ー 属 菌 や Stenotrophomonas
5
maltophilia 等緑膿菌以外のブドウ糖非発酵菌による菌血症例は RCT に含まれた割合
6
が低かった 36,エラー! 参照元が見つかりません。。さらに、腸内細菌目細菌でもサルモネラ属菌は
7
除外されている試験もありエラー! 参照元が見つかりません。、対象となった症例が限られる。
8
さらに、グラム陰性菌に対し統一された「非複雑性」菌血症の定義がなく、RCT
9
では重度の免疫不全症例(造血幹細胞移植・固形臓器移植レシピエント、好中球減
10
少等)、ドレナージが不十分な膿瘍、感染性心内膜炎、関節炎や骨髄炎は共通して除
11
外され、試験によっては複数菌による菌血症や肺炎の症例、血管内人工物の留置さ
12
れている症例も除外されている 29,31,32,36。試験によっては、ランダム化時点や治療終
13
了前に解熱し血行動態が安定していることを条件としている 29,31,32,41。
14
15
(4) 感染症が改善しない場合の原因に関するエビデンス
16
<参考箇所:p.123>
17
4. 入院患者の感染症に対する基本的な考え方>(2) マネジメント>(i) 感染症が改善し
18
ない場合の考え方>B) 感染症が改善しない場合の鑑別
19
20
免疫不全のない市中肺炎を対象とした検討では 42、1,383 例のうち 238 例(18%)
21
で抗微生物薬治療開始 48~72 時間後に解熱が得られなかったが、多くは抗微生物薬
22
の変更をせずに治療可能で、81 例(6%)においてのみ、抗微生物薬の変更や胸腔ド
23
レーン挿入等の治療介入が必要であった(早期治療不応例)。この 81 例の早期治療
24
不応例の内訳は、適切な抗微生物薬治療にも関わらず肺炎や敗血症が進行したのが
25
最多で(54 例、67%)、次いで膿胸(18 例、22%)であった。さらに、早期治療不
26
応例で原因微生物が判明した 52 例において、不適切な抗微生物薬治療に起因したも
27
のは、16 例(31%)で、そのうち薬剤耐性によるものは 1 例のみで、レジオネラ等
28
の非定型肺炎や結核が 12 例を占めた。また、ICU における肺炎 71 例の検討では、
29
44 例(62%)で治療不応と判定され、治療不応の原因は、不適切な抗微生物薬治療
30
が 23%、カンジダ血症やカテーテル感染等の肺炎以外の感染症合併が 16%、別の微
31
生物による細菌性肺炎の合併が 14%、膿胸合併が 14%、非感染性の原因が 15%で、
32
36%で原因が同定できなかった 43。ただし、これらには比較的古い文献的報告も含
33
まれ、現在と薬剤耐性菌の疫学が異なる可能性があることに留意する必要がある。
34
肺炎以外では、市中発症の女性における非複雑性急性腎盂腎炎 843 例の検討にお
35
いては、29%で 72 時間以内に解熱が得られなかった。これらの症例では腎膿瘍合併
49
第四版
医科・入院編
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lugdunensis は対象から除外されており、対象症例全体のうちグラム陽性菌単一菌菌
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血症の占める割合は 17%(625/3608 例)と、グラム陰性菌単一菌菌血症の 71%
3
(2562/3608 例)と比較し低かった 36。また、グラム陰性菌の中でもブドウ糖非発酵
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菌 に お け る 検 討 は 乏 し く 、 特 に ア シ ネ ト バ ク タ ー 属 菌 や Stenotrophomonas
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maltophilia 等緑膿菌以外のブドウ糖非発酵菌による菌血症例は RCT に含まれた割合
6
が低かった 36,エラー! 参照元が見つかりません。。さらに、腸内細菌目細菌でもサルモネラ属菌は
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除外されている試験もありエラー! 参照元が見つかりません。、対象となった症例が限られる。
8
さらに、グラム陰性菌に対し統一された「非複雑性」菌血症の定義がなく、RCT
9
では重度の免疫不全症例(造血幹細胞移植・固形臓器移植レシピエント、好中球減
10
少等)、ドレナージが不十分な膿瘍、感染性心内膜炎、関節炎や骨髄炎は共通して除
11
外され、試験によっては複数菌による菌血症や肺炎の症例、血管内人工物の留置さ
12
れている症例も除外されている 29,31,32,36。試験によっては、ランダム化時点や治療終
13
了前に解熱し血行動態が安定していることを条件としている 29,31,32,41。
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(4) 感染症が改善しない場合の原因に関するエビデンス
16
<参考箇所:p.123>
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4. 入院患者の感染症に対する基本的な考え方>(2) マネジメント>(i) 感染症が改善し
18
ない場合の考え方>B) 感染症が改善しない場合の鑑別
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免疫不全のない市中肺炎を対象とした検討では 42、1,383 例のうち 238 例(18%)
21
で抗微生物薬治療開始 48~72 時間後に解熱が得られなかったが、多くは抗微生物薬
22
の変更をせずに治療可能で、81 例(6%)においてのみ、抗微生物薬の変更や胸腔ド
23
レーン挿入等の治療介入が必要であった(早期治療不応例)。この 81 例の早期治療
24
不応例の内訳は、適切な抗微生物薬治療にも関わらず肺炎や敗血症が進行したのが
25
最多で(54 例、67%)、次いで膿胸(18 例、22%)であった。さらに、早期治療不
26
応例で原因微生物が判明した 52 例において、不適切な抗微生物薬治療に起因したも
27
のは、16 例(31%)で、そのうち薬剤耐性によるものは 1 例のみで、レジオネラ等
28
の非定型肺炎や結核が 12 例を占めた。また、ICU における肺炎 71 例の検討では、
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44 例(62%)で治療不応と判定され、治療不応の原因は、不適切な抗微生物薬治療
30
が 23%、カンジダ血症やカテーテル感染等の肺炎以外の感染症合併が 16%、別の微
31
生物による細菌性肺炎の合併が 14%、膿胸合併が 14%、非感染性の原因が 15%で、
32
36%で原因が同定できなかった 43。ただし、これらには比較的古い文献的報告も含
33
まれ、現在と薬剤耐性菌の疫学が異なる可能性があることに留意する必要がある。
34
肺炎以外では、市中発症の女性における非複雑性急性腎盂腎炎 843 例の検討にお
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いては、29%で 72 時間以内に解熱が得られなかった。これらの症例では腎膿瘍合併
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