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【参考資料2-2】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)医科・入院編 (37 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

第四版

医科・入院編

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等の合併症の減少等様々な利点がある 92-94。このため、抗微生物薬適正使用の観点

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から切り替えが可能な症例では積極的な検討を行うことが望ましい。

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経静脈抗菌薬から経口抗菌薬への切り替え
経静脈抗菌薬から経口抗菌薬への切り替えを考慮する際は、以下のような基準を
すべて満たしていることが推奨されている(表 8)93-95。

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表 8.

8

経静脈抗菌薬から経口抗菌薬への切り替えが可能な推奨基準

 臨床症状が改善している
 24 時間 38°C 未満の解熱を維持しており、呼吸・循環動態が安定している
 静注抗菌薬による治療継続が必要な感染症(例:髄膜炎、発熱性好中球減少
症、感染性心内膜炎等)ではない
 経口もしくは経鼻胃管での投与が可能で、かつ、十分な吸収が見込まれる
 適切な経口抗菌薬の選択肢がある
 患者が経口抗菌薬を自己中断せず継続可能である(外来等の場合)
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経静脈抗菌薬から経口抗菌薬への切り替えには、以下のようないくつかのパター

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ンが考えられるが 96、感染症の症候群や薬剤感受性、患者特性(腎機能やアレルギ

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ー歴等)に応じ、可能な経口抗菌薬の中から薬剤選択を行う。

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1) ある薬の経静脈抗菌薬を、同じ化合物の経口抗菌薬に置き換える場合(例:レ

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ボフロキサシンの点滴静注から経口への切り替え)

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2) 同じクラスで同じ効能を持つが、化合物が異なる経静脈抗菌薬から、同等の経

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口抗菌薬に変更する場合(例:セファゾリン点滴静注からセファレキシン経口

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への変更)

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3) 経静脈抗菌薬から別のクラスの経口抗菌薬に変更する場合(例:バンコマイシ

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ン点滴静注からスルファメトキサゾール/トリメトプリム[ST 合剤]経口への変

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更)

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経口抗菌薬のバイオアベイラビリティ

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経口抗菌薬では薬剤ごとにバイオアベイラビリティが異なり、バイオアベイラビ

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リティに優れた経口抗菌薬であれば、経静脈抗菌薬と同等の効果が期待できること

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が多い。表 9 にバイオアベイラビリティが良好な(60%以上)経口抗菌薬の例を記

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載した 94,96,97。実際の投与にあたっては感染巣に応じた投与期間の設定や腎機能に応

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じた用法用量調整が必要になる。また、ボリコナゾールでは治療薬物モニタリング

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