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【参考資料2-2】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)医科・入院編 (19 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

第四版

医科・入院編

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【尿路感染症(urinary tract infection:UTI)】

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 臨床所見:背部痛や肋骨脊柱角(Costovertebral angle:CVA)、叩打痛があれば

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急性腎盂腎炎を疑うが、これらの症状が見られない場合も多い。男性の場合、

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前立腺や精巣上体の圧痛、陰嚢の腫大も確認する。

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 臓器診断に必要な検査:尿中白血球定性、尿沈渣。

6

 微生物学的診断に必要な検査:尿のグラム染色及び培養。

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 カ テ ー テ ル 関 連 尿 路 感 染 症 (Catheter-associated urinary tract infections:

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CAUTI)を疑う場合は、尿道カテーテルを入れ替えてから尿培養を提出するこ

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とが望ましい。

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【腸管感染症】

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 入院 72 時間以降に新たに生じた下痢のうち、感染性の下痢が 29.4%(CDI

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24.6%、その他 4.8%)
、非感染性が 45.3%、原因不明が 25.3%とされる 3。ここ

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では主に CDI を例に挙げる。

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 臨床所見:食欲低下、腹痛、下痢(初期には下痢を認めないことがある)

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 臓器診断に必要な検査:特になし。臨床症状で判断する。

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 微生物学的診断に必要な検査:CDI の項参照。

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【血流感染症】

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 カテーテル関連血流感染症(Catheter-related blood stream infection:CRBSI)

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の多くは、末梢静脈カテーテル、中心静脈カテーテル、動脈留置カテーテル等、

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あらゆるカテーテルが原因となる。

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 臨床所見:カテーテル刺入部の発赤があれば感染を疑うが、中心静脈カテーテ

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ルや中心静脈ポートの感染では刺入部の発赤はほとんど見られず、その頻度は

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末梢静脈カテーテルで約 60%4、中心静脈カテーテルで約 3%程度である 5。

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 臓器診断に必要な検査:血液培養 2 セット。

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※中心静脈カテーテルが挿入されている場合、1 セットはカテーテル逆流血で、

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もう 1 セットは末梢血で採取する。CRBSI に典型的な微生物が 2 セットとも検

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出 さ れ れ ば、 中 心静脈 カ テ ー テル 関 連血流 感 染 症 (Central line-associated

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bloodstream infection:CLABSI)と診断する。

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 カテーテル先端培養と末梢血の血液培養で同一菌種が検出された場合にも

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CRBSI と診断できる 5。なお、逆流血の方が末梢血よりも 2 時間以上早く陽性に

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なれば CRBSI 診断の感度 85%、特異度 91%との報告もある 6。

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 微生物学的診断に必要な検査:血液培養 2 セット。CRBSI が疑わしい場合には、
カテーテル先端培養を提出してもよい。

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