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参考資料6 国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(平成24年厚生労働省告示第430号)及び健康日本21(第二次)の推進に関する参考資料 (158 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24115.html
出典情報 健康日本21(第二次)推進専門委員会(第17回 2/25)《厚生労働省》
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ⅳ.今後必要となる対策
今回、歯・口腔の健康の指標として口腔機能の維持・向上に係る項目を新たに導入したと
ころであるが、今後は、器質的障害である「歯の喪失」だけでなく、機能的障害である「口
腔機能の低下」についても対策を進め、機能向上面からのアプローチを強化する必要がある。
口腔機能評価の結果に基づく咀嚼訓練や口腔周囲筋機能訓練等の実施を推進するうえでも、
口腔機能のスクリーニング評価法の開発ならびに標準値の提示についても、今後取り組む必
要がある。
従来のわが国の歯科保健対策は、小児期のう蝕予防対策に大きく重点が置かれてきたが、
これまでの歯科保健施策等の効果もあり、国全体としてのう蝕有病状況は大きく改善してき
ている。しかし、う蝕有病状況が未だ改善していない地域もあり、その地域格差の解消には
至っていない。今後、う蝕予防を進めるに当たっては地域格差を含めた健康格差の縮小を目
指す必要があり、地方自治体は地域診断の結果に基づき、積極的な健康支援を行うともに、
フッ化物応用法や小窩裂溝填塞法(シーラント)等のエビデンスが確立しているう蝕予防法
について、地域の現状に応じて実施することが求められる。
歯周病は、成人期以降の歯の喪失の主要原因であるばかりでなく、糖尿病や循環器疾患の
リスク要因となることから、より一層の予防対策が求められるところである。そのための有
効な保健行動の一つとして定期的な歯科検診の受診が挙げられる。歯科検診受診の勧奨につ
いては、平成 23 年に制定された歯科口腔保健法でも「国及び地方公共団体は、国民が定期
的に歯科に係る検診を受けること及び必要に応じて歯科保健指導を受けることを促進する
ため、定期的に歯科検診を受けること等の勧奨その他の必要な施策を講ずるものとする。」
と定められているところであり、歯科口腔保健の知識の普及と併せて、より一層取り組む必
要がある。また、禁煙支援に関わる保健指導の実施を含む歯科保健対策を充実していくこと
も大切である。
こうした歯・口腔の重点目標項目の実現を図るためには、8020運動を更に推進し、個
人が歯・口腔の健康づくりに取り組むとともに、地域、職場、学校、医療機関等を含めた社
会全体としてその取組を支援することが必要である。その際、ライフステージごとの特性を
踏まえて、歯・口腔に関する正しい知識の普及啓発や、個人の状況に応じた食生活の改善、
歯間部清掃用器具の使用等の歯科保健指導を行うことが重要である。
また、今回の目標項目には取り入れていないが、高齢期に多い誤嚥性肺炎については、予
防策として栄養管理とともに口腔ケアが効果的である 19)-21)。肺炎がわが国の死因の第4位
であること、さらに誤嚥性肺炎患者数の増加が予想されることを踏まえると、器質的口腔ケ
ア(口腔内の歯や粘膜、舌などの汚れを取り除くケア)、機能的口腔ケア(口腔機能の維持・
回復を目的としたケア)および栄養管理をバランスよく組み合わせて実施することが、ます
ます重要になる。今後は、高齢者の誤嚥リスクを評価し、その結果を踏まえた口腔ケアを実
施する体制を構築していく必要がある。

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