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【資料No.1】2.5_臨床に関する概括資料 (42 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26901.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第3回 7/20)、医薬品第二部会(令和4年度第6回 7/20)(合同開催)《厚生労働省》
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S-217622

2.5.3.2.6

2.5 臨床に関する概括評価

年齢の影響

母集団薬物動態解析 (2.5.3.1.3.1 項参照) において,S-217622 の薬物動態に及ぼす年齢の影響
を検討した結果,年齢は影響要因として選択されなかった.各年齢カテゴリー (12~14 歳,15
~17 歳,18~64 歳及び 65 歳以上) 間において大きな曝露の差は認められなかったことから (表
2.5.3.1-12 参照),年齢の影響のみをもって用量調節する必要はないと考えられる.
したがって,12 歳以上の青少年及び成人において,年齢による用量調節の必要はないと判断
した.
2.5.3.2.7

健康状態 (健康又は SARS-CoV-2 感染) の影響

T1221 試験の Phase 2b Part において S-217622 を 375/125 mg 又は 750/250 mg で 1 日 1 回 5 日
間反復経口投与したときの,
18~64 歳の被験者における C24 はそれぞれ 17.0 及び 36.8 μg/mL (表
2.5.3.1-8 参照) であり,日本人健康成人女性に S-217622 (錠剤) を 375/125 mg 又は 750/250 mg
で 1 日 1 回 5 日間空腹時反復経口投与したときの初回投与後 24 時間時点の濃度 (375/125 mg:
14.0 μg/mL,750/250 mg:23.6 μg/mL,表 2.5.3.1-3 参照) と比べてやや高い傾向を示した.
また,母集団薬物動態解析 (2.5.3.1.3.1 項参照) において,健康状態は CL/F の影響要因とし
て選択され,
SARS-CoV-2 感染者の CL/F は健康被験者の 0.776 倍であった.健康状態が S-217622
の曝露に若干影響すると考えられるものの,その程度はわずかであった.
2.5.3.3
2.5.3.3.1
2.5.3.3.1.1

外因性要因
薬物相互作用
本剤が他剤の薬物動態に及ぼす影響

In vitro 薬物相互作用試験の結果,S-217622 は CYP2C8 に対する可逆的阻害及び CYP3A に対
する時間依存的阻害作用,CYP1A2,CYP2B6,CYP2C8,CYP2C9,CYP2C19 及び CYP3A に対
する誘導作用を持つことが示された (2.6.4.5.4.1,2.6.4.5.4.2 項参照).また,in vitro 薬物相互作
用試験の結果,P-gp,BCRP,OATP1B1,OATP1B3,有機アニオントランスポーター (OAT) 1,
OAT3,OCT1,OCT2,MATE1 に対する阻害作用を持つことが示された (2.6.4.7.2 項参照).非臨
床試験の結果を踏まえ,本邦の薬物相互作用ガイドライン [24],FDA ガイダンス [25] 及び
EMA ガイドライン [26] に従い,S-217622 (錠剤) を Day 1 のみ負荷用量 375 mg,その後 Day 2
~5 に維持用量 125 mg を 1 日 1 回反復投与したときの Day 5 における Cmax 及び血清タンパク結
合率を基に,S-217622 が各基質薬の薬物動態に及ぼす影響を考察した (2.6.4.8 項参照).その結
果,S-217622 は CYP3A 阻害作用,CYP2B6 及び CYP3A 誘導作用,P-gp,BCRP,OATP1B1,
OATP1B3 及び OAT3 阻害作用を示し,これらの基質薬の血漿中濃度に影響を及ぼす可能性が示
された.
T1211 試験における CYP3A の選択的基質であるミダゾラムとの薬物相互作用評価の結果,
S-217622 (懸濁剤) を Day 1 のみ負荷用量 750 mg,その後 Day 2~6 に維持用量 250 mg を 1 日 1
回空腹時反復経口投与したとき,ミダゾラムの Cmax,AUC0-last 及び AUC0-inf を,単独投与時と比
較してそれぞれ 2.78,7.23 及び 8.80 倍に増大したことから,S-217622 はこの用法用量において
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