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参考資料3 有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン2024年度版 (38 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71872.html
出典情報 がん検診のあり方に関する検討会(第46回 3/23)《厚生労働省》
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XII. 研究への提言

本ガイドラインでは、 大腸がん検診の便潜血検査免疫法と全大腸内視鏡検査について、 科学的
根拠に基づく推奨を示した。 現時点でのエビデンスとしては、 エビデンスレポートや本ガイドライン
にまとめた限りであるが、ここで採用した研究のほとんどは、 国外で行われた研究に基づいたもの
であり、 わが国で行われた研究は少数である。

本ガイドラインでは、 免疫法の実施を推奨した。 免疫法は有効性評価のためのランダふ化比較
対照試験(RCTDは実施されていないが、 観察研究と代替指標による評価から化学法と同等の死亡
率減少効果が期待できると判断された。 しかし、 日本と海外のがん検診プログラムを比べると、 対象
年齢・検診間隔・採便回数・カットオフ値が異なる。 近年欧州を中心に実施されているテストパプフォ
ーマンス RCT やテスト精度研究においては、 検診回数や採便回数、カットオフ値が検討されてい

る。 対象年齢に関する検討でも、テストパフォーマンス RCT によって評価が可能かもしれない。 ま
た、米国の U.S. Preventive Services Task Forcee のように、 マイクロシミュレーション分析によっ
て対象年齢や検診間隔を決定するような試みも検討されるべきである。 文献レビューで採用された
研究において、 国内からの報告は極めて少なく、 国内において免疫法が研究課題として認識され
ていない可能性がある。 免疫法の運用に関する国内研究の実施が期待される。 さらに、 免疫法の
運用に関わるカットオフ値や検診間隔は検診アプログラムにおける全大腸内視鏡検査実施件数に
大きく影響するため、医療資源の観点からの検討も必要であろ2う。

一方、全大腸内視鏡は観察研究と代替指標を用いた評価をもとに推奨グレード C(対策型検診
としては実施しないことを推奨)と判断された。 証拠の信頼性は低いが、観察研究や NordICC 研
究の中間報告における perrprotocol 解析において全大腸内視鏡の有意な死亡率減少効果が示
されている ⑳9。 しかし、 有効性評価においては RCT によるエビデンスが優先されることには変わり
ない。 国内の Akita pop-colon trial を始め、米国や欧州から RCT が進行中である。 これらの
RCT の結果が複数公表された段階で再評価を行う2ことが必須である。

また、全大腸内視鏡の重要な不利益として、前処置や検査による偶発症がある。 特に高齢者に
とっては検査の負担が大きく、 偶発症のリスクも高い。 日本医療安全調査機構の「大腸内視鏡検査
等の前処置に係る死亡事例の分析」7?$によると年間 500 方件もの大腸内視鏡検査が実施され、高
齢者の検査件数も増加している。 死亡や出血・究孔等の重偽な事例は非常に稀ではあるが重大
な不利益であり、がん検診の対象年齢設定(特に終了年齢)において不可欠な情報である。 内視鏡
検査受診者の年齢・基礎疾患の有無に加えて、 大腸内視鏡検査の目的(検診・診断・サーベイラン
ス等)や前処置の方法、転帰等も含めた蒸皆性の高い国内データ報告が期待される。

さらに、全大腸内視鏡は限られた医療資源であるため、 検診に対応できる検査医療機関数や内
人 の事前調査が必要である。 そして、検診陽性者のサーベイランス方針も検診グログラ

おける全大腸内視鏡検査実施件数に大きく影響する。 特に便潜血検査陽性者において全大
腸 視鏡で腫瘍性病変を認めない場合(negative colonoscopy)が問題としなる。 Negative
colonoscopy の中間期がんリスクは低いため、ある程度検診間隔を空けることは可能と考え

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