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井口委員提出資料 (40 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64916.html
出典情報 社会保障審議会 福祉部会(第30回 10/21)《厚生労働省》
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社会福祉法人愛川舜寿会

本人と一緒にとことん考える

高瀬雄志

たか せ・ゆうじ 小規

模多機能型居宅介護 KC C ショータ

キ 介護福祉士

1983年生まれ

今 回、 第 1 次 派 遣 隊(1/11~17)と第8次 派 遣 隊

減ることに不安を感じる方もいらっしゃいましたが、
「自

(2/15~20) の介護福祉士として支援に入りました。到

分たちでできることはやるからよ」と、自分たちの手で

着するや否や、まずは避難所の環境整備から始めまし

状況を改善しようとする方もいました。

た。私たちが到着した時、避難所では人手が足りない

介護福祉士として大切なのは、その人が自分らしく生

中、支援物資が次々と届いていました。そのため、支

きるためにどう支援するかを、本人と一緒にとことん考

援物資や日常生活用品が雑然と置かれ、廊下や部屋が

えることだと思っています。避難所という限られた状況

狭くなっていました。また、感染症の可能性がある方と

では納得いくケアは難しさもありましたが、それでも避難

そうでない方が同じ大広間に集まっているにもかかわら

者の方々と対話をし、その人の「人となり」を感じ、ささ

ず、換気が十分にされていませんでした。

やかですが笑顔を見せ合うことができたと思っています。

私たちが到着することで、そのような環境を整えるこ
とにも手を回すことができました。避難者の方々にも声
をかけながら、一緒に窓を開けて換気を行い、ベッド周
りの清掃や物資の仕分けを進めることができました。
第 8 次派遣隊として入ると、避難者の方々の笑顔が増
えたように感じました。急性期の状況から復興への段階
へ移行し、私たちの支援も終了となりました。支援者が

使命感と冷静さが大事

持参した寝袋で寝る

田畑二郎

たばた・じろう 特別養

護老人ホーム ミノワホーム 生活相
談員

介護福祉士

1971年生まれ

私はこれまで、2016年の熊本地震、2019年の千

ないことがあります。経験から学んだのは、最初から全

葉台風 15号、そして今回の石川能登半島地震の3つ

力を出すのではなく、
「普通に生活している人がいるの

の大規模災害において、介護福祉士として支援活動に

だ」と冷静に捉え、初めは70%の力でスタートし、徐々

携わってきました。今回担当したのは、 第3 次派遣隊

に 100%、120%の力を発揮していくことで、持続可能

(1/21~27)と第8 次派遣隊(2/15~20)です。

な支援ができるということです。

災害支援の現場で最も重要なのは、ペース配分と健

また、福祉避難所では避難者の方々の身体的・精神

康管理です。支援活動は非常に過酷で、支援者が緊張

的な状況に関する情報が非常に重要です。先行するチー

状態のまま全力で取り組むと、体力的・精神的に持た

ムからの情報に基づいて支援を行いますが、実際に対
応する中で新たな発見がありました。例えば、2 人の介
助が必要とされていた避難者の方が、実は片足の膝を
支えることで 1人で立つことができたり、見守りなしでト
イレでの座位を安定させることができたりしました。
このような支援活動を通じて、避難者の方々の笑顔
や安心した表情を見るたびに、介護福祉士としての使

炊き出しボランティア

による食事

命感と感謝の気持ちが深まります。困難な状況下で、
微力でも力になれたことに誇りを感じています。
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