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井口委員提出資料 (37 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64916.html
出典情報 社会保障審議会 福祉部会(第30回 10/21)《厚生労働省》
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士を擁する社会福祉法人は、こいつら災害で活躍でき

ずきちんとやりとりできる行政マンがいない。混乱も相

るぞと確信し、自信を持って「行ってこい!」って送り

当あったと思いますが主体性が感じられないという印

だせるようになります。こういう機会を通じて、介護福

象があります。輪島市役所の人だと思っていたら、そ

祉士の専門性を社会に発信していきたい。

の人は全然違う自治体の人でヘルプだったということ

時田:時たま思うのですが、介護職が全国一斉にス
トライキをしたらどうなるか。

を撤収日に知るという珍事件もありました。こうしたこ
とは、輪島市に特有のことではなくて、全国の自治体

一同:大笑い

に蔓延している課題だと思います。立ち上げた福祉避

時田:ストライキしたら、生活が、社会が成り立た

難所にトイレがなくて、仮設トイレの設置を要求しても

ないですよ。そのくらい介護というのは大事で、介護

全く動いてもらえない。福祉避難所にトイレがないって

があって暮らしがあるのです。

信じられますか。3週間なかった。厚生労働省と直談

馬場:そうですね。福祉そのものの再定義の必要
があります。福祉は、日常の質を問うものです。今の
行政は、被災地支援を浅く見ている。暮らしに立脚し
ていることを示していかないと。

判してようやく設置されました。直談判していなかった
ら、最後まで設置されていないと思いますよ。
時田:そういう弱小自治体が被災したら本当に大
変。生き残れない。広域連携って必要です。

大林:今回の被災地支援の報告会をしたところ、二

大林:私のところでは、災害派遣が終わって、事後

の足を踏んでいた組織と、災害支援協定を結ぶことに

報告の法人研修をやったんですね。町の担当者とか議

なりました。こうやって経験を語っていくことで、新た

員も来てくれて、輪島でどんなことをやってきたか、介

なつながりができて、広がりができていくことが嬉しい。

護福祉士がどんな活躍をしたっていう報告をしました。

松井:どこか、リアリティがない、災害が起こるとは

実は、何年か前から災害支援協定を町で結びましょう

思っていない、そんな若い職員に、災害は必ず起こる

よと投げかけていたんですけど、あまり町も関心を示

と浸透させるのは本当に難しいですが、この経験を少

さなくてそのままズルズルしていたのですが、今回の報

しでも多くの人に届けて、「自分の地域で起こったらど

告会参加した後に、結びましょうとなりました。介護福

うするか」というリアルな学びにつなげてもらえたらい

祉士の活躍が伝えられて、彼らが必要だということが

いです。

わかってもらえてすごい嬉しかったです。

飯田:今回、地方自治体の衰弱というのを感じまし

飯田:僕は、
自分でもなんで災害の支援するのかなっ

た。輪島市役所と何回かやり取りして思ったのは、ま

て考えるのは、自分たちが支援してもらったからです。
いつ、助ける側が助けられる側になるかわかりません。
災害とはそういうものです。そして、助けてもらった経
験がある人たちは、それをいつか誰かに返すでしょう。
平時から、こうやって広い意味での信頼関係をつくっ
ていきたいですね。ですから、できる範囲で、自分が
持っている資源を使ってそのときのために行動し続け
たいですね。
時田:介護事業所が有事の際に事業を継続できる
よう定めておくBCP が、2021年の介護報酬改定で義
務付けられました。いざという時に使える、質の高い
リアルな BCP にするためにも、自分たちの組織だけ
で BCP 対策を策定するのではなく、互いに補完しあう

松井千佳|まつい · ちか
社会福祉法人生活クラブ 常務理事

1968 年愛知県生まれ。友人に紹介され 2000 年に特別養護老人ホー

ム風の村(現生活クラブ風の村特養ホーム八街)に入職。当時は栄

養士として勤務していたが、現在は総務部長として事業本部に勤務。
災害支援の際はバックオフィスを担当することが多い。

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複数の団体で共助しあった、今回の事例を役立ててほ
しいですね。