資料5_介護人材確保の現状について (67 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57663.html |
出典情報 | 社会保障審議会 福祉部会福祉人材確保専門委員会(第1回 5/9)《厚生労働省》 |
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○ 介護を必要とする方の急速な増加が見込まれる中、2040年(令和22年)度末までに新たに約57万人の介護人材の確保が必要とされている。また、認知症
高齢者や高齢単身世帯の増加等に伴う複雑化・多様化する介護ニーズへの対応が求められており、高い専門性を有する介護人材の確保育成が喫緊の課題。
○ 介護福祉士国家試験(以下、「国家試験」という。)の受験生は徐々に減少している。実務経験3年と所定の研修を受講する実務経験ルートでの受験者が
8割以上を占めており、介護の現場で働きながら資格取得を目指す状況にあるが、就労と試験に向けた学習の両立が課題との声がある。受験者数も実務経験
ルートについては、第33回試験(令和2年度)から第36回試験(令和5年度)で約1万人減少。減少がこのまま続けば、質の高い介護サービスを継続的に提
供することへの支障が生じることが懸念され、強い危機感を抱く状況。
○ また、外国人介護人材についても、「在留資格介護」の要件である介護福祉士資格の取得に向け、国家試験を受験する者もいるが、国家試験のための専門
的な学習に加え、日本語学習も同時に必要であり、就労と学習の両立は課題と考えられる。
○ 本検討会では、昨年度の「介護福祉士国家試験の検証に資するデータの分析に関する検討会」報告書の提言を踏まえ、議論を進め、下記の提言を得た。
1
パート合格導入の考え方
受験のための学習への取り組み易さ、受験者の利便性の両側面から受験しやす
い仕組みの導入を検討することが必要。
国家試験をいくつかのパートに分け、一定の合格水準に達したパートについて、
翌年度の試験において当該パートの受験を免除する「パート合格」を導入するこ
とが適当。
パート合格の導入により、例えば、初年度に不合格パートがあった者について、
次年度は不合格パートの学習に注力できるようになるなど、一人ひとりの状況に
応じた学習を後押しすることが可能となり、より受験しやすい仕組みとなる。
なお、国家試験は介護福祉士としての知識及び技能を担保するものであるため、
パート合格の導入によって、介護福祉士の知識及び技能の水準が維持できず、介
護サービスの質が低下するものであってはならない。
2
受験方法
1日間で全パートの試験を実施し、初受験時は全員が全パートを受験する。
再受験時には、不合格パートについては、受験を必須とすることが適当である。
既にパート合格したパートを受験するか否かは受験者の希望制とし、不合格パー
トのみを受験するか全パートを受験するかのいずれかの選択を受験者に求めるこ
とが適当である。
3
分割パターン
受験のための学習への取り組み易さを確保しつつ、受験者の利便性・運営面の
負担も考慮する観点から、再受験のための学習時に注力すべき科目の特定が容易
であると考えられる3分割が適当である。
4
合格基準等
合格基準は、万が一にも合否の判定に誤りがあってはならず、運営の視点から
も複雑すぎないものとすべき。
全科目に対する合格基準は、現行と同様に、問題の総得点の6割程度を基準と
して、問題の難易度で補正した点数以上かつ試験科目群すべてにおいて得点があ
ることを合格基準とすることが適当。
パートごとの合格基準は、全体の合格基準点に対し全科目を受験した受験者の
平均得点の比率で按分することにより合格基準を設けることが適当。各パートを
構成する科目群すべてにおいて得点があることを合格基準とすることが適当。
合否の判断については、全パートを受験した場合には、まず全パートの総得点で
判断し、結果が不合格だった際には、パートごとに判断することとし、一部の
パートのみを受験した場合には、パートごとに合否を判断することが適当。
その上で、パート合格には、パート合格した受験年の翌々年までを有効期限と
して設定することが適切。
このように合格基準・有効期限を設定することを通じて、国家試験合格者の質
が担保されると考えられる。
5
運営面への配慮
パート合格は、令和8年1月実施予定の第38回介護福祉士国家試験より導入する
ことが妥当。(公財)社会福祉振興・試験センターと引き続き十分な調整を行うこと
が求められる。
6
パート合格導入により期待される効果
パート合格を、国家試験の受験者が、自身の状況に応じて学習を進めて、国家試
験を受験しやすくなる仕組みとして導入することで、介護福祉士を目指す受験者を
より多く確保することが期待される。
専門性の高い介護福祉士が確保され、質の高い介護サービスが安定的に提供され
ることにつながるなど介護福祉全体の質をあげることに寄与するととともに、介護
福祉士の専門性を次の世代へ継承していくことにつながると考えられる。
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