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外見からの判別が困難な脳卒中後遺症の制圧に向けた提言 (40 ページ)

公開元URL https://www.ncvc.go.jp/hospital/wp-content/uploads/sites/2/20250707_neurology_seisakuteigen.pdf
出典情報 「外見からの判別が困難な脳卒中後遺症の制圧に向けた提言」発表(7/7)《国立循環器病研究センター》
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3)政策提言
1.
脳卒中後遺症を取り巻く環境調整

3.
目に見えない脳卒中後遺症についての啓
発・均てん化

目に見えない脳卒中後後遺症の患者に適切なケアをす
るにはマンパワーが必要で看護必要度や ADL だけで

看護基礎教育でも高次脳機能障害については脳神経

は望ましい人員配置を定義できない。人でなくても対

疾患を持つ患者の看護で触れるのみであり、臨床や卒

応できる業務や対応は ICT や AI の活用が望まれる。

後教育での学習は自己研鑽に委ねられる。認知症患者

また、ICT は情報収集や分析に優れており、効率的

ケアは認知症ケア加算により研修の機会があるが、高

で効果的なケアを精選して実践することができると考

次脳機能障害患者ケアは中核症状として触れられるの

える。介護負担軽減のためのツールの開発の具体例と

みであり、継続的に学習できる仕組みが必要である。

しては、①非痙攣性てんかんの症状出現時に気がつけ

また、専門性の高いケアを提供できる看護師は組織・

たりその予兆に気づけたりするツール②失語の方のコ

地域での貢献性も高いと考えられ、次世代の人材育成

ミュニケーションツールの普及・改善③安全においし

や診療報酬での保障も必要と思われる。また、地域医

く栄養を摂るために食事介助ができる人を増やす教育

療圏での勉強会・市民公開講座・広告などを通して、

ツールと嚥下食の改良などが望まれる。さらに、介護

医療者以外の関係者、一般市民にむけて、目に見えな

負担を加味した介護保険認定基準や障害者手帳交付基

い脳卒中後遺症の症状とその対応について啓蒙・均て

準などの見直しが必要である。

ん化が必要である。

2.
ケアをする人を1人にしない

4.
病院と在宅を切り離さない

脳卒中後遺症のある患者を支援する人の介護疲れを定

急性期治療をした病院に、生活期になった患者が半年

期的にスクリーニングするツールや、そこから支援に

~ 1 年に 1 度受診に行くことがある。そこで久しぶり

つなげるツールの開発が望まれる。また、脳卒中後遺

に病院主治医に会うが、それまでの経過や在宅での問題

症のある患者家族会や脳卒中相談窓口へのアクセスの

点を患者とその家族だけで十分に伝えられているだろう

工夫が必要である。
ケアをする人
(キーパーソン、
家族、

か。かかりつけ医と病院主治医の治療方針のすり合わせ

ケアマネジャー、ヘルパー、看護師、介護サービスに

ができているだろうか。病院主治医とかかりつけ医がそ

関わる人など)が心身の負担を抱えうることを周知し

れぞれの専門的知識や力を活かし、患者が安心して過ご

て、その方々が心身ともに休める場所をつくり、普及

すための二人主治医制を実現するには簡便で安全な情報

させる必要がある。

共有システムが必要である。また、医師以外の職種が相
互に情報共有することも重要であり、多職種が集まる退
院前カンファレンス等の活性化、効率化が望まれる。

8.看護側から見た脳卒中後遺症(高次脳機能障害)
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