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外見からの判別が困難な脳卒中後遺症の制圧に向けた提言 (13 ページ)

公開元URL https://www.ncvc.go.jp/hospital/wp-content/uploads/sites/2/20250707_neurology_seisakuteigen.pdf
出典情報 「外見からの判別が困難な脳卒中後遺症の制圧に向けた提言」発表(7/7)《国立循環器病研究センター》
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剤相互作用、POES 制御を考慮した治療の最適化が

理という観点からも PSE への認識を高めることが必

求められる。治療法の普及と共に、エビデンス構築や

要である。

医療経済評価に関する研究も今後の課題となる。

最後に、患者やその家族および連携医療機関への適

また、PSE 診断の遅れや不適切な治療は発作再発

切な情報提供も課題である。PSE が診断された後に

を招き、発作コントロール不良状態が続くと、機能予

症状や治療の重要性について十分な説明が行われない

後の悪化やてんかんの難治化を引き起こす可能性があ

と、発作の再発時に発見が遅れ、治療介入が遅れる可

るため、PSE 治療の重要性を脳卒中の急性期から生

能性がある。そのため、PSE 診断後の情報提供は極

活期にかけて関わる医療従事者に普及させることも重

めて重要である。また PSE 発症前であっても、脳卒

要な課題である。これらの点は、予後管理および医療

中生存者への有望な PSE 発症予測スコア(図 3)32

経済的観点からも重要度が高い。なお、
血栓溶解療法・

などを用いて、脳卒中急性期の時点で、PSE 発症リ

血栓回収療法の普及とともに脳梗塞患者の死亡率は減

スクが高い患者やその家族に情報を共有することで、

少しているものの、再開通療法後の PSE 発生率は 5

将来の PSE 初回発作に対する早期対応が可能になる

~ 18% と決して稀な合併症ではなく 29-31、術後管

ことが期待される。

脳卒中後てんかんの予測スコア

図3

脳梗塞における脳卒中後てんかんリスクスコア

脳出血における脳卒中後てんかんリスクスコア

(SeLECT, SeLECT-S)

(CAVE, CAVE-S)

75

SeLECT score
SeLECT-S score

50
25
0

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1112-13

脳卒中後てんかんの割合

脳卒中後てんかんの割合

(%)
100

(%)
100

CAVE-S score

75
50
25
0

●脳梗塞におけるリスクスコア:
SeLECT
:NIHSS 3点以下:0点、
4−10点:1点、11点以上:2点、主幹動脈病変
Early Seizure既往
: 3点、
皮質病変
:2点、中大脳動脈領域病変
:1点
SeLECT−S
:SeLECT


脳表
:6点
●脳出血におけるリスクスコア:
CAVE
:皮質病変
CAVE-S
:CAVE

CAVE score

0 1 2 3 4 5

:1点、

:1点、
65歳未満:1点、血腫量>10ml:1点、Early seizure既往


脳表
:1点

:1点

脳卒中後てんかんの現状、課題、政策提言.3
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