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外見からの判別が困難な脳卒中後遺症の制圧に向けた提言 (16 ページ)
出典
公開元URL | https://www.ncvc.go.jp/hospital/wp-content/uploads/sites/2/20250707_neurology_seisakuteigen.pdf |
出典情報 | 「外見からの判別が困難な脳卒中後遺症の制圧に向けた提言」発表(7/7)《国立循環器病研究センター》 |
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つの要素があれば、直ちに PSD から除外される、と
器病危険因子の管理が非常に重要である点が挙げられ
いう論調は、やや乱暴な議論である。それぞれの症例
る。CFAS 研究 35 やフラミンガム研究 36 などのさま
について、病的な認知機能障害の要素があるのであれ
ざまなコホート研究において、循環器病危険因子の管
ば、適切に認知症と診断すべきである。
理が認知症の減少に寄与することが示されている。一
治療という観点からは、脳卒中後に発症した認知
旦、PSD を発症してからでは完治は難しいが、血管病
症を、直ちに脳卒中の後遺症と見なしてはならない。
を初期の段階から治療することは PSD の低減のみな
2023 年にアルツハイマー型認知症の疾患修飾薬であ
らず、認知症全般の予防につながる可能性が高い。予
るレカネマブが、2024 年にドナネマブが承認を受け、
防神経学が示すように高血圧、糖尿病、肥満、運動不
臨床現場で使用できることとなった。病前から存在し
足などの修飾可能因子を確実に管理すればアルツハイ
ていたアルツハイマー病が脳卒中を契機に顕在化した
マー型認知症でさえ 50%以上の減少が期待される 37。
場合は、これらの抗体製剤の適応となる可能性があり、
従って、PSD 患者に対して、循環器病危険因子の管理
注意が必要である。
が重要である点に関しては議論の余地はないといえる。
確実に言えることとして、PSD 患者に対して、循環
図4
脳卒中後認知症とその他の認知症の原疾患
4.脳卒中後認知症の現状、課題、政策提言
16
器病危険因子の管理が非常に重要である点が挙げられ
いう論調は、やや乱暴な議論である。それぞれの症例
る。CFAS 研究 35 やフラミンガム研究 36 などのさま
について、病的な認知機能障害の要素があるのであれ
ざまなコホート研究において、循環器病危険因子の管
ば、適切に認知症と診断すべきである。
理が認知症の減少に寄与することが示されている。一
治療という観点からは、脳卒中後に発症した認知
旦、PSD を発症してからでは完治は難しいが、血管病
症を、直ちに脳卒中の後遺症と見なしてはならない。
を初期の段階から治療することは PSD の低減のみな
2023 年にアルツハイマー型認知症の疾患修飾薬であ
らず、認知症全般の予防につながる可能性が高い。予
るレカネマブが、2024 年にドナネマブが承認を受け、
防神経学が示すように高血圧、糖尿病、肥満、運動不
臨床現場で使用できることとなった。病前から存在し
足などの修飾可能因子を確実に管理すればアルツハイ
ていたアルツハイマー病が脳卒中を契機に顕在化した
マー型認知症でさえ 50%以上の減少が期待される 37。
場合は、これらの抗体製剤の適応となる可能性があり、
従って、PSD 患者に対して、循環器病危険因子の管理
注意が必要である。
が重要である点に関しては議論の余地はないといえる。
確実に言えることとして、PSD 患者に対して、循環
図4
脳卒中後認知症とその他の認知症の原疾患
4.脳卒中後認知症の現状、課題、政策提言
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